ハナレグミ   2009/06/23掲載
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 カラフルなジャケットのアートワーク同様、彩り豊かでキャラの強い楽曲が収められることとなった『あいのわ』。ここでは本人のコメントを交え、アルバムに収録された全9曲を紹介していきたいと思います。



(VICL-63350)
[収録曲]
01. あいのわ
02. 愛にメロディ
03. 光と影
04. Peace Tree
(feat.BOSE (スチャダラパー)、AFRA)
05. PEOPLE GET READY
06. 大安
07. …がしかしの女
(feat.マダムギター)
08. あいまいにあまい愛のまにまに
09. あいのこども



※ 各トラックの解説をクリックするとハナレグミのコメントが表示されます。


1.「あいのわ」
ラフ&タフなエレキ・ギターの音色で開けるタイトル・チューン。birdに提供した楽曲「よみがえれ」のメロディに永積が新たな歌詞を乗せている。開放感あふれるバンド・サウンドと永積の伸びやかな歌声が、新たな旅の始まりを穏やかに告げてくれる。


「すごく気に入っていて、自分で歌詞を付けて、いつか歌いたいなと思ってた曲。birdのヴァージョンはダンサブルなアレンジなんだけど、この曲はデモ・テープに近いフォーキーなサウンドになってる」 (永積)


2.「愛にメロディ」
畠山美由紀に提供した楽曲のセルフ・カヴァー。シティ・ソウル風のアレンジが施された畠山ヴァージョンから一転、東京スカパラダイスオーケストラのメンバーが参加した今作はスカのリズムに心踊る軽快なアップ・チューンに生まれ変わっている。


「スカパラの繰り出すフレーズって、すごく楽しいんだよね。だから演奏に引っ張られて、ついつい楽しくなっちゃう。この曲では完全にバカになって歌ってます(笑)」 (永積)


3.「光と影」
アルバムからの先行シングルにして、シンガー・ソングライター、永積 崇の新たなマイルストーンとして「サヨナラCOLOR」「家族の風景」と並び、後世まで語り継がれていくであろう名曲。ドラマティックなサウンドに乗せて歌い届けられる、永積の優しく前向きなメッセージに心を強く揺さぶられる。


「秋葉原の事件があったり、世の中の雰囲気がすごく殺伐としてきて。個人的にも同じ時期にSUPER BUTTER DOGの解散が決まったりして、自分を取り巻く状況が急激に変化している気がしたんだよね。『光と影』を書くことによって、自分の中で迎えたクライマックスを1曲に集約できたような気がする」 (永積)


4.「Peace Tree feat.BOSE(fromスチャダラパー)、AFRA」
BOSE(スチャダラパー)とAFRAをフィーチャーしたピースフルな一曲。アコギ・メインのシンプルなサウンドの中に、ヴォーカル、ラップ、ヒューマン・ビート・ボックスという異なる3つの声が同居する、永積いわく「声だらけ」の楽曲構成が斬新だ。


「この曲はフォークなのか何なのか全然わかんないような曲になればいいなと思って。弾き語り系のアーティストでも、他流試合をすることで、どんどん面白いことができるんじゃないかって、ずっと前から思っていたんだよね」 (永積)


5.「PEOPLE GET READY」
ハウスメイトのCMソングとしてOAされて話題を呼んだカヴァー曲。原曲は永積の敬愛するソウル・シンガー、カーティス・メイフィールドが60年代に所属していたR&Bグループ、インプレッションズのヒット曲。繊細に爪弾かれるアコギの音色と、新たな旅立ちを綴った歌詞とがあいまって静かな感動を呼び起こしてくれる。


「インプレッションズの原曲を初めて聴いたとき、感動して涙が出た。すごくゴスペル的というか、歌の中に喜びと悲しみが、ないまぜになっているような気がしたんだよね。あまりに感動しすぎて、この曲しか聴いてない時期もあった」 (永積)


6.「大安」
イヴェント『ファンキー大百科』でSUPER BUTTER DOGの新曲として演奏され、ファンの間で音源化が望まれていた楽曲。大空高く舞い上がっていくような晴れやかなメロディが爽快な、ハナレグミのサニーサイドを象徴するようなポップ・チューン。


「作ったときに、“なんかハナレっぽいな”と思ったんだよね。だから今回、このアルバムに入ることで適所に収まった感じかな。この曲や『PEOPLE GET READY』の歌詞を書いた頃から、自分の中で言葉の使い方が、直接的になってきたような気がする」 (永積)


7.「…がしかしの女 feat.マダムギター」
ブルース・ギタリストとしても名高い女性シンガー、“マダムギター”こと長見順との掛け合いで、残念な男女がディスりあう様をコミカルに描いた楽曲。「PEOPLE GET READY」のようなシリアスな楽曲と、この手のコミカルな楽曲を同じ作品に共存させられるのも、ハナレグミというアーティストが持つ稀有な才能といえるだろう。


「この曲では女性に容赦なくバッサリ斬られたいと思ったんだよ(笑)。順ちゃんとはライヴで共演して仲良くなった。リハでやってないことを本番で突然やっちゃう感じとか、すごく自分に近いものを感じる(笑)」 (永積)


8.「あいまいにあまい愛のまにまに」
ザ・バンドを彷彿とさせるアーシーなサウンドが心に沁みるバラード。曇りがちな心模様を綴った歌詞も淡い余韻を残す。言葉遊び的なタイトルからは永積の独特な言語センスが窺い知れる。一転して曲調が陽気になる後半部は、さしずめ曇りのち晴れといった趣き。


「1stアルバム『音タイム』の時点で原型はできていたんだけど、サビの“愛”って言葉に辿り着くまでの歌詞が書けなくてお蔵入りになった曲。やっと、こういう歌がうたえるようになったんだと思うと、なんだか感慨深いものがあるね」 (永積)


9.「あいのこども」
原田郁子に提供した楽曲のセルフ・カヴァー。当初は収録される予定がなかったものの、「あいまいにあまい愛のまにまに」の歌入れに手応えを覚えた永積の一瞬の閃きにより、アコギ1本の弾き語りスタイルで急遽レコーディングが行なわれることとなった。


「スタジオの隅に座ってアコギを弾いてたときに、“今、凄い歌が歌えそうだ”って気持ちになって、“すいませーん”って、その場にマイクを立ててもらってレコーディングした。一歩でも動いたら、気持ちが変わっちゃうなと思ったから。この曲を歌ってると、いつも泣きそうになる。ことあるごとに歌っていきたいなと思える大切な曲」 (永積)



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