ザ・ビートルズ   2009/09/08掲載
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ザ・ビートルズ全213曲 聴き比べ&徹底解剖! ****【衝撃度】付き****(5)


マジカル・ミステリー・ツアーマジカル・ミステリー・ツアー
MAGICAL MYSTERY TOUR

(TOCP-71007/1966年8月発売)
01.マジカル・ミステリー・ツアー
Magical Mystery Tour
Lennon-McCartney
『サージェント・ペパーズ〜』の発売前にポールの呼びかけで制作が開始された同名テレビ用映画の主題歌。作者はもちろんポール。トランペットとポールのベースがクリアに。
02.フール・オン・ザ・ヒル
The Fool On The Hill
Lennon-McCartney
地動説を唱えて処刑されたガリレオをヒントにポールが書いたと言われる曲。ジョージの生ギターがクリアな響きになり、ポールのヴォーカルも表情豊かになった。
03.フライング
Flying
Lennon-McCartney
オリジナル213曲のなかで唯一のインスト曲。もともと映画のBGM用に書かれた幻想的な曲。ジョンのメロトロンとリンゴのマラカスが目立って聞こえる。
04.ブルー・ジェイ・ウェイ
Blue Jay Way
Harrison
ジョージがLA滞在中に道に迷った心境を歌い込んだサイケデリックな曲。チェロとジョージのヴォーカルとリンゴのドラムがクリアになり、霧が晴れて視界が良好に。
05.ユア・マザー・シュッド・ノウ
Your Mother Should Know
Lennon-McCartney
ポールが書いた、郷愁を誘うヴォードヴィル調の曲。全体的に演奏の音が大きくなり、ポールのヴォーカルとベースとピアノやリンゴのドラムと3人のコーラスが力強くなった。
06.アイ・アム・ザ・ウォルラス
I Am The Walrus
Lennon-McCartney
ジョンにしか書けないナンセンスでサイケデリックな傑作。ジョンのヴォーカルが前面に出て目立つようになった。
07.ハロー・グッドバイ
Hello, Goodbye
Lennon-McCartney
イギリスでの16枚目のシングル曲。こちらはポールにしか作れないポップな傑作。「ユア・マザー・シュッド・ノウ」と同じくポールのヴォーカルとベースが力強くなった。
08.ストロベリー・フィールズ・フォーエバー
Strawberry Fields Forever
Lennon-McCartney
イギリスでの14枚目のシングル曲。ノスタルジックでサイケデリックなジョンの傑作。ジョンのメロトロンとリンゴのマラカス、それにチェロとハモンドオルガンがクリアに。
09.ペニー・レイン
Penny Lane
Lennon-McCartney
「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」とのシングル両A面曲。故郷を題材にしたポールのポップ作。全体的に力強い音になった。間奏前のポールのハンドベルの響きもはっきり。
10.ベイビー・ユーアー・ア・リッチマン
Baby You're A Rich Man
Lennon-McCartney
ジョンとポールがそれぞれ作った曲をひとつに合わせた曲。ポールのピアノとジョージのエレキ・ギター、それに手拍子が目立つが、ポールのベースは印象度が弱くなっている。
11.愛こそはすべて
All You Need Is Love
Lennon-McCartney
世界31ヵ国での衛星生中継番組のためにジョンが書いたメッセージ・ソング。ジョンのヴォーカルが前面に出て、もともとでかいポールのベースも目立ち、ストリングスもクリアに。





ザ・ビートルズザ・ビートルズ(2枚組)
THE BEATLES

(TOCP-71010-11/1968年11月発売)
【Disc.1】
01.バック・イン・ザ・U.S.S.R.
Back In The U.S.S.R.
Lennon-McCartney
ポール作のロック・ナンバー。リンゴが一時脱退したため、ドラムはポールが担当。ポールのピアノの強いアタックがはっきり聞こえる。間奏前のポールの掛け声も力強く響く。
02.ディア・プルーデンス
Dear Prudence
Lennon-McCartney
ジョンが女優ミア・ファローの妹のことを歌った曲。この曲もドラムはポール。ポールのベースが目立つようになり、飾りで入るタンバリンもはっきり聞こえる。
03.グラス・オニオン
Glass Onion
Lennon-McCartney
ジョンが書いたサイケでぶっとい作品。全体的によりシャキッとした音になった。ジョージのタンバリンも際立っているが、ポールのベースはそれほど目立たなくなっている。
04.オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ
Ob-La-Di, Ob-La-Da
Lennon-McCartney
ポールがスカのリズムを取り入れて作ったポップな作品。手拍子がはっきりした音になり、ポールのベースもでかい。
05.ワイルド・ハニー・パイ
Wild Honey Pie
Lennon-McCartney
ポールが一人スタジオで即興で演奏した小品。ポールのパーカッションの音の響きが強くなり、残響がはっきり聞こえるようになった。
06.コンティニューイング・ストーリー・オブ・バンガロウ・ビル
The Continuing Story Of Bungalow Bill
Lennon-McCartney
ジョンがインドで書いた物語風の曲。オノ・ヨーコも参加している。ポールのベースがでかく、リンゴのドラムもはっきりした音に。ジョンの生ギターもやや鮮明になった印象だ。
07.ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス
While My Guitar Gently Weeps
Harrison
ビートルズ時代のジョージの代表曲。これはいいミックス。ジョージのヴォーカルが包み込むような音色になり、ジョージの生ギターとリンゴのパーカッションもかなり鮮明。
08.ハッピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン
Happiness Is A Warm Gun
Lennon-McCartney
ジョンにしか作れないテンポ・チェンジの激しい曲。ジョンのヴォーカルが力強さを増し、ジョンのエレキ・ギターやポールのベースをはじめ、全体的に演奏もシャープになった。
09.マーサ・マイ・ディア
Martha My Dear
Lennon-McCartney
ポールが書いたバロック調のポップ・バラード。ポールのピアノの一音一音の粒立ちが良くなった。ポールのベースとドラム(ドラムはリンゴ?)もクリアに力強くなっている。
10.アイム・ソー・タイアード
I'm So Tired
Lennon-McCartney
ジョンがインドで書いた気だるい雰囲気のある曲。リンゴのドラムのアタックが強くなり、ジョージのエレキ・ギターもやや目立つようになった。
11.ブラックバード
Blackbird
Lennon-McCartney
ポールの代表的なアコースティック・ナンバー。ポールの生ギターの爪弾きがクリアになり、パーカッション系の音も明快に聞こえる。
12.ピッギーズ
Piggies
Harrison
ジョージが書いたバロック調のポップ・ナンバー。ジョージの生ギターとリンゴのタンバリンがかなりクリアになった。
13.ロッキー・ラックーン
Rocky Raccoon
Lennon-McCartney
ポールがインドでジョンとドノヴァンの助けを借りて書いたアコースティックな作品。ポールのベースとリンゴのスネアがはっきり聴き取れるようになった。
14.ドント・パス・ミー・バイ
Don't Pass Me By
Starkey
リンゴが初めて単独で書いたカントリー調の作品。全体的に重量感が増し、軽快な印象が少し弱まった。
15.ホワイ・ドント・ウィ・ドゥ・イット・イン・ザ・ロード
Why Don't We Do It In The Road?
Lennon-McCartney
ポールがほとんどの楽器を一人で演奏したハードな作品。手拍子の残響音が強くなり、ポールのピアノとベースもより力強さを増している。
16.アイ・ウィル
I Will
Lennon-McCartney
ポールならではのフォーク・バラード。ポールの“くちベース”がかなり生々しくなり、ジョンのパーカッション系の音も強くはっきりと響いている。
17.ジュリア
Julia
Lennon-McCartney
ジョンが母ジュリアとオノ・ヨーコへの思いをだぶらせて書いた曲。ジョン一人で録音した唯一の曲でもある。ジョンのヴォーカルの儚さが増している程度の違い。


【Disc.2】
01.バースデイ
Birthday
Lennon-McCartney
ポールが書いたストレートなロック・ナンバー。リンゴのドラムを中心に、さらにパワフルな音に。手拍子もビシバシはっきりと聞こえる。
02.ヤー・ブルース
Yer Blues
Lennon-McCartney
ジョンがインドで書いたブルース・ロック。ジョンの声の生々しさが増し、全体的にエネルギー50%、切実さ60%アップ。ジョンのエレキ・ギターとリンゴのスネアもさらに狂暴に。
03.マザー・ネイチャーズ・サン
Mother Nature's Son
Lennon-McCartney
ポールがインドで書いたフォーク調のバラード。ポールのヴォーカルに膨らみが出たほか、パーカッション系の音もくっきりと。
04.エヴリボディーズ・ゴット・サムシング・トゥ・ハイド・エクセプト・ミー・アンド・マイ・モンキー
Everybody's Got Something To Hide Except Me And My Monkey
Lennon-McCartney
ビートルズ・ナンバーの中で最も長い曲名をもつジョン作のハード・ロック。ジョンとジョージのエレキ・ギターやリンゴのマラカスをはじめ、全体的により強靭な音になった。
05.セクシー・セディー
Sexy Sadie
Lennon-McCartney
ジョンがマハリシ・マヘシ・ヨギに向けて書いた曲。コーラスに拡がりが出て、リンゴのドラムもさらに歯切れ良く響く。ポールのベースもやや目立つか。
06.ヘルター・スケルター
Helter Skelter
Lennon-McCartney
ヘヴィ・メタルの元祖ともいわれるポールの作品。リンゴのドラムの響きが強くなり、ジョンのベースを刻む姿も見えるほど臨場感が増している。
07.ロング・ロング・ロング
Long, Long, Long
Harrison
ジョージ作のメロディアスなワルツ。ジョージの生ギターとリンゴのドラムがよりクリアになり、膨らみのある音に。
08.レボリューション1
Revolution 1
Lennon-McCartney
シングル・ヴァージョンよりもテンポの遅いジャム・セッション風の作品。リンゴのドラムをはじめそれぞれの音がシャキッとした音になり、ゆったりした曲がやや硬めの印象に。
09.ハニー・パイ
Honey Pie
Lennon-McCartney
ポールお得意のヴォードヴィル調の作品。全体的にクリアになったほか、ジョージのベースがやや大きくなったという印象がある程度の違い。
10.サボイ・トラッフル
Savoy Truffle
Harrison
ブラスを大々的に導入したジョージの作品。ポールのベースがでかくなり、リンゴのドラムとブラスのメリハリがさらにつくようになった。
11.クライ・ベイビー・クライ
Cry Baby Cry
Lennon-McCartney
マザーグースの影響を感じさせるジョンの作品。ジョージ・マーティンのハーモニウムの音色がはっきりしたほか、ジョンの生ギター、リンゴのドラム、ポールのベースもクリアに。
12.レボリューション9
Revolution 9
Lennon-McCartney
ジョンとヨーコの共同作品でジョージが一部協力している。何を喋っているのか少し聴き取れるようになったような気がする(笑)。SEもクリアになったかも。
13.グッド・ナイト
Good Night
Lennon-McCartney
ジュリアンのためにジョンが書いた子守唄。ヴォーカルはリンゴ。リンゴの声がさらにまろやかになり、ストリングスもいきいきと響いている。低音の男性コーラスもよく聞こえる。



文/藤本国彦



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