何が起こるかわからない時代だからこそ、自分の道は自分で決めたい――。
中村 中のニュー・シングル
「家出少女」は、シンガー・ソングライターとしての彼女の本質を射抜きつつ、新しい旅立ちというイメージもしっかり反映した作品に仕上がっている。「またここから、新しい気持ちでがんばっていきたい。そんな思いがあります」という彼女自身にとっても、一つの分岐点となる、大切な楽曲になっていくと思う。
――今回のシングル「家出少女」は、3rdアルバム『あしたは晴れますように』から約1年半ぶりのリリースとなるわけですが。
中村 中(以下、同) 「そうですね。以前はもっと早いペースで出させてもらっていたから、“久しぶりだな”と思う人はいるみたいですけど。私にはちょうどいいというか、このくらいのペースが自分のバイオリズムにも合ってます」
――この1年半の間にも、作詞・作曲は続けてた?
「ええ、もちろんです。まさに、いま作っているアルバムに入れる曲だったり。<家出少女>は去年の秋くらいに書きました」
――旅立ちのイメージというか、“新しい意思を持って動き出す、生きていく”という気持ちが伝わってくる曲だな、と思いました。
「いま、“旅立ち”って言っていただいたのはすごく腑に落ちるなって思ったんですけど、この曲で歌いたかったのは、自立心みたいなものです。一緒に住んでる母から、ある朝、“今日は何時に帰ってくるの?”と言われ、“いつ帰って来られるのかわからないな”と思いました。少年や少女たちが危険に巻き込まれるニュースを見て、それが頭の片隅にあったからでしょうか。元気に帰って来れる保証なんてない、何があってもおかしくない。そう思って生きていないと、逆に怖いような気がしました」
――なるほど。
「この曲を書いたときは“若者よ、自分の力で生きるんだ”って思ってたんです。“家出”というと、家庭に何か問題があって出て行くのかなって思ってしまいがちなんですけど、この曲で歌っていることはそうじゃなくて。“母さんの子で良かったな”という歌詞もありますけど、愛して、愛されている家族だし、親子なんです。それがあるうえでの旅立ちであり、自立心なんです。どういう道を歩んで行くか、それは自分で選ばなくちゃいけない――それが私にとって、“いま”だったから。もちろん私以外の人、この曲を聴いてくれた人にも伝わると良いなって思います。自分の人生だから、自分の歩む道は親とかに頼らず、自分で選びなさいという思いです」
――そのためには自分を信じることが必要ですよね。この歌のなかでも、まさに“自分の心くらいは信じたい”ということを歌っていて。
「そうですね。このごろ、そんなに自分が嫌いじゃないかなと思うようになりました。いままでは、過去に作ってきた作品も、そのときどきの活動も、すべて嫌だったのですが」
――アラが見える、ということですか?
「そうだったのかもしれないですね。たとえばスタッフと一緒にいるときも“自分の曲をかけるのはやめてくれ。恥ずかしい”って思ったり。でも最近は、“あのときはこうだったんだな”って、○(まる)をつけられるようになったんですよね。それはもう、すごい変化なんです。何か上手くいかないことがあっても、“それも自分の責任”と思えるようになって」
――新しい変化の時期なのかもしれないですね、いろんな意味で。このシングルにはサウンド・プロデューサーとして
根岸孝旨さんが参加されてますが、楽曲の世界観に相応しい音に仕上がっていて。
「前回のアルバムは自分で実験的だったなと思いますが、いろいろな人と一緒に音を作っていきました。でも今回は、アルバム1枚をひとりの人と一緒に作り上げたいと思って。いま制作に入っているアルバムは、すごく衝動的という意味では、1stアルバムみたいな感じなんです。デビューしてからこれまでのことを叫びたかったというか……」
――ドラムも自分で叩いてるそうですね。根岸さんに言われた?
「はい。自分で出来ることがあるのだったら、どんな些細な音でも、それは自分で入れたほうがいいと言われました。たとえミックスの段階で聴こえなくなったとしても、曲にも歌にもいい影響があると。<家出少女>は弦のアレンジも自分でやりましたが、見よう見まねで勉強しました。アルバムのピアノはを自分で弾いていますが、それも初めてなんです。そういうことも確かに、自信になっています。これだけ気持ちを入れているのですから、届かないわけがないって。リリースする前から、ここまで納得できているっていうのは、いままでなかったんです。自分も納得できているし、周りの人、聴いてくれる人も“いい”って言ってくれるんじゃないかなって」
――しかも、芯になっている部分はまったく揺れてないっていう。
「そうですね。デビューの頃から聴いてくれている人は、“やっぱり魂で歌う人だし、歌謡曲の人なんだな”って思ってくれているので」
――アルバムも楽しみです。
「こんなに悩んだり、人と意見を交わしながら作っているのも初めてなんですけど、それもいいなって思えるんです。このシングルのなかに、アルバムに繋がるような、ある仕掛けがしてあるんです。そういう意味でもぜひ、手にとってもらたいなぁと思います」
取材・文/森朋之(2010年5月)
中村 中/家出少女
(YCCW-30025 税込1,000円)
01. 家出少女
02. 帰れる場所なんて、ない
中村 中 アコースティックツアー
「阿漕な旅 2010」
●6月2日(水)上越 高田世界館
開演19:00 全席指定
主催:FOB企画 協力:LINE BOX
お問い合わせ:FOB新潟 025-229-5000
一般発売日:4月10日(土)
●6月4日(金)新潟 新潟県民会館(小ホール)
開演18:30 全席指定
主催:FOB企画
お問い合わせ:FOB新潟 025-229-5000
一般発売日:4月10日(土)
●6月5日(土)長野 北野文芸座
開演17:00 全席指定
主催:北野文芸座
お問い合わせ:北野文芸座 026-233-3111
一般発売日:3月25日(木)
●6月6日(日)金沢 市民芸術村パフォーミングスクエア
開演17:00 全席指定
主催:FOB企画
お問い合わせ:FOB金沢 076-232-2424
一般発売日:4月10日(土)
●6月8日(火)富山 富山県民小劇場オルビス
開演18:30 全席指定
主催:FOB企画
お問い合わせ:FOB金沢 076-232-2424
一般発売日:4月10日(土)
●6月9日(水)福井 響のホール
開演18:30 全席指定
主催:FOB企画
お問い合わせ:FOB金沢 076-232-2424
一般発売日:4月10日(土)
●6月11日(金)京都 京都府立文化芸術会館
開演19:00
主催:ナウウエスト ワン 協力:a-STATION FM KYOTO
お問い合わせ:ナウウエスト ワン 075-252-5150
一般発売日:4月3日(土)
●6月12日(土)松山 キティホール
開演17:30 全席指定
主催:DUKE
お問い合わせ:DUKE松山 089-947-3535
一般発売日:4月10日(土)
●6月19日(土)西東京 保谷こもれびホール
開演17:00
主催:保谷こもれびホール 協力:アオイスタジオ
お問い合わせ:保谷こもれびホール 042-421-1919
一般発売日:4月9日(金)
●6月26日(土)広島 クラブクアトロ ※
開演17:30 全席自由 整理番号順入場
主催:夢番地
お問い合わせ:夢番地広島 082-249-3571
一般発売日:4月17日(土)
●6月27日(日)岡山 CRAZYMAMA KINGDOM ※
開演17:30 全席自由 整理番号順入場
主催:夢番地
お問い合わせ:夢番地岡山 086-231-3531
一般発売日:4月17日(土)
●6月29日(火)福岡 Gate’s 7 ※
開演19:00 全席自由 整理番号順入場
主催:BEA/cross fm
お問い合わせ:BEA 092-712-4221
一般発売日:4月10日(土)
●7月1日(木)神戸 チキンジョージ ※
開演19:00 全席自由 整理番号順入場
主催:夢番地
お問い合わせ:夢番地大阪 06-6341-3525
一般発売日:4月17日(土)
●7月3日(土)仙台 戦災復興記念館
開演17:30 全席指定
主催:GIP
お問い合わせ:GIP 022-222-9999
一般発売日:4月11日(日)
●7月5日(月)札幌 KRAPS HALL ※
開演19:00 全席自由 整理番号順入場
お問い合わせ:WESS 011-614-9999
一般発売日:5月29日(土)
■チケット料金 4,500(税込)
※印の公演はドリンク代が別途かかります。
全公演 企画制作:BOLD HEART
「阿漕な旅 2010」札幌・追加公演が決定!
●7月5日(月)開演19:00 札幌 KRAPS HALL
全席自由 整理番号順入場
お問い合わせ:WESS 011-614-9999
チケット料金 4,500(税込、ドリンク代:別途¥500)
※チケットの先行販売について
●公式ファンクラブ「中毒モバイル。」
5月10日(月)12:00〜5月28日(金)17:00まで。
●オフィシャル・サイト「中屋」
5月17日(月)12:00〜5月28日(金)17:00まで。
http://eplus.jp/ataru※一般販売は5月29日(土)より。