サウンド・プロデューサー/DJとして活躍する高波由多加による音楽プロジェクト
“Namy”。生演奏による楽曲制作と、イベント会場でのCD販売にこだわり、約1年間に3枚のアルバムをプロデュースしてきたこのプロジェクト。6月11日、それらの楽曲を改めてリミックスした最新作
『Namy Black』が全国流通でリリース! 本作のテーマは“夜の虹”。先行配信された『Namy Black EP』はすでに口コミだけでiTunesチャートを賑わせている。そこで、本プロジェクトを動かす高波由多加に話を聞いた。
――まずは、Namyというプロジェクトを立ち上げた経緯を改めて教えてください。
高波由多加(以下、同) 「もともと、DJイベンターとして、山・海など自然のある場所で生演奏によるグッド・ミュージックを楽しむといったコンセプトで<BOSCA(ボスカ)>というイベントを6年くらい主催してきました。そこからミュージシャンとの出会いが生まれつつ、最終的には“イベントの楽しさ”だけでなく、“音楽の楽しさを伝えたい”という思いが生まれてきて、このプロジェクトを始めました。イベントを重ねる度に、CDというパッケージにしたらイベントに来れない人にも聴いてもらえると思い始めて、今まではあえて既存の流通を通さずに、“生演奏”דCDのイベント会場限定販売”にこだわって活動してきましたけど……」
――今まで、統一したジャケット・デザインで、カラー違いのアルバムをリリースされていますが、それぞれの色に、どのようなメッセージ(テーマ)を込めていますか?
「まず、全作品に共通してあるのは“虹の波”。さまざまな色がある虹のようにジャンル問わず、波のように自然に流れていくようなナチュラルな音を奏でるというデザイン・イメージがあります。デビュー作のデザイン・カラーは“白”。まさに初めてといった純なイメージを白で表現しました。2作目は“紫”で、コンセプトは“都会の夜”。夜を過ごすときにぜひ聴いてほしいと思い、シティ・ポップでありながら哀愁のある楽曲で構成しました。3作目は“黄”で、コンセプトは“幸せの黄色”。ハッピーなことがあったときに聴いてもらったり、聴いたらハッピーなことが起こるようなイメージで楽曲を構成しています。それで、今回の4作目の“黒”は“夜の虹”。自分がDJとしてクラブで活動をしたことがキッカケで音の楽しさを知ったように、リスナーの方にもそんなキッカケを作ってほしくて」
『Namy』
『Namy Purple』
『Namy Yellow』
――今回、全国発売が決まった『Namy Black』はリミックス盤ですが、本作はどのような構想で?
「Namyを始めた2年前に、リミックス盤『Namy Black』の構想はすでにありました。まずは、リミックスする楽曲を作るにはアルバムも3枚は必要だということで、すでにアルバムは3枚になり……。あえて、今までの作品はイベント会場限定にして、リミックスCDだけはCDショップなどの既存の音楽流通に乗せようと。それにより、Namyのオリジナルを聴きにイベントにも来てもらえたらと強く思ってました。あとは、感覚で“この曲にはこのリミキサーがいい!”と思ったら、すぐに声をかけるような流れでした(笑)。
Shin-Skiさんや栗原さん(
Jazzin'park)は、もともとDJ仲間として知り合いでしたし。リミキサーの腕は信じていたのでバッチリ、イメージ以上のモノを作っていただけましたね」
――アルバム全体を通して聴くと、人のバイオリズムに寄り添うように、心地よく音楽が展開していくような感じでした。構成を考えるときなどにイメージしたところはあるんでしょうか?
「ミュージシャンの方々の奏でる音、そして人柄でこうなったと思います。自分のまわりにいるミュージシャンは本当に音楽が好きで、そして人が好きで……。それぞれ奏でる音の柔らかさや尖った感じは違いますので、そこは楽曲によって複数のミュージシャンに相談しながら詰めました。自分はあくまでも“感覚”を伝える感じです。あとは、どの楽曲にしても“わかりやすさ”と“メロディアス”な部分を必ず作るようにお願いしています」
――制作はどのような流れで進めましたか?
「基本は、楽曲があるのでリミキサーに音源を送り、イメージを伝え制作してもらう流れです。ただ、自分がリミックスに関わったNamy@cに関しては毎日のように電話でトラックメイカーにメロディを伝えたり、他の音源の楽器の音をYouTubeで送ったりして何度もやり直しての試行錯誤でした。でも、楽しみながら制作ができましたね。かなりの無理を聴いてくれたトラックメイカーの@c君に感謝してます」
――さまざまなリミキサーが参加されていますが、どのような意図でオファーしましたか?
「ジャンルがかぶらないようにというのは一番考えました。後は、若手でシーン最前線で活躍しているリミキサーをということで。JAZZYな楽曲は
Kenichiro Nishiharaさん、HOUSEは、Jazzin'park、R&BとエレクトロはShin-Skiさんにお願いしました」
――今回のアルバムのセールス・ポイントはどんなところですか?
「ジャンルレスで聴き手を選ぶような作品ではないので、頭から通して、全部聴いてほしいです。あとは、最後のボーナス・トラックの
Ne-Yoのカヴァー曲<Because Of You>。あえて、Namyの生演奏も聴けるように収録してあるのでこれで気にいってもらえたら、他のNamyのオリジナル曲を聴きにイベントにも来てほしいです!!」
――今後はどのような展開を予定していますか?
「今後も、同様のスタイルで……。落ち着いたら新しいNamyのアルバムを出したいですね。次は何色になるでしょう? もともと田舎者なので、ゆくゆくは田舎を元気にしたい! という夢があります。田舎に行き、人や自然に触れて、各地でイベントをしたいです」
――最後に、やはり生演奏にこだわるというのはいいことですね。
「そこでしか生まれない音や出会いがありますから」
取材・文/清水 隆(2010年5月)
<Namy / PARTY INFORMATION>
6月19日(土)東京・LA TERRAZZA IL BAR DI OFFICINA [PIANO SET]
6月26日(土)東京・OnEdrop Cafe [DJ]
7月11日(日)東京・NamyBlack ReleaseCruise @jicoo flooting bar [DJ]
7月17日(土)埼玉・夏びらきMUSIC FESTIVAL'10 @所沢航空記念公園野外ステージ [DJ]
8月7日(土)神奈川・真夏の夜のafrontier vol.2 @motion blue yokohama [DJ]
and more...
■Namy オフィシャル・サイト
http://www.namy.jp/