初主演映画『アブラクサスの祭』が公開中のスネオヘアー、新曲は、TVアニメ『荒川アンダー ザ ブリッジ×ブリッジ』のエンディング曲

スネオヘアー   2010/12/27掲載
はてなブックマークに追加
 前作「逆様ブリッジ」に続き、新曲「赤いコート」がTVアニメ『荒川アンダー ザ ブリッジ×ブリッジ』のエンディング・テーマに起用されたスネオヘアー。その「赤いコート」を表題曲にした4曲入りミニ・アルバムが、現在好評発売中だ。先日公開したばかりの初主演映画『アブラクサスの祭』の内容も含め、じっくりと話を聞いた。



――「赤いコート」は、そもそもアニメのタイアップを意識して作られた曲なんですか?
スネオヘアー(以下、同)「一応はタイアップで、というオーダーをいただいたんですけど、楽曲自体は特に(アニメを)意識しなくてもいいということで。なので、わりと自由に作らせていただきました」
――全体的な印象としては、まずサウンドに冬らしい季節感が出ているなぁと感じました。
「そうですね。この曲に限らずですが、季節感はやっぱり出てきちゃいますね。今回のサウンドは、メインがパーカッションとアコースティック・ギターなので、そういう木の鳴りもの感というか。なんか、北欧っぽいイメージですよね。すごくポップだと思っています」


――よく聴くといろんな楽器も入ってますよね?
「はい。主にパーカッション領域のものが。シンセとかエレキとかは一切使ってないんです。ベルとかカスタネットとか、今回は“人力感”のある楽器が多いんです。でもその人力感にグッとくる部分があるんじゃないかなって」
――歌詞についてもおうかがいしたいのですが、サビの“迷宮”という言葉しかり、なんとなくファンタジックですよね。その辺は少しアニメの主題歌っぽいなって思いました。
「あぁ、そうですね。例えば、“迷宮”とかは今までの自分ならタブーだったと思うんです(笑)。言葉選びについては、これはアリかナシかとか、ロックかロックじゃないかみたいな線があって、昔はそういうものばかりに囚われてやってましたけど、今は何も気にしてないですね」
――2010年は長年在籍したレコード会社からの移籍など、いろいろな環境の変化があった年ですよね。そのあたりも歌詞には影響していますか?
「してると思いますね。<赤いコート>に限らず、カップリングの<Beep Yeah>や<メールして>もそうかな。まぁ、一言でいえば“辛かったな、大変だったな”っていうことなんですけど」
――そういう気持ちって、ストレートに歌詞に表現されていくんですか?
「出していくところは、そのまま出しますね。ただ、キツイとかそういう思いって、ひとつで感じてるといろいろな感情にも影響してくるし、恋愛とか仕事とか、生活面も含めて繋がってくるものだと思うんです。だから今は“この曲はこういう曲です”って、カテゴライズできない歌が多いんですよね」
――では次は、現在公開中の主演映画『アブラクサスの祭』について。これはどういう作品になんですか?
「僕はよく“答えが出ない映画”って言ってて。見て何か明快な答えが出るっていう感じではないんです。ただ、人の気持ちに問いかけるというか、引っかかる要素は何かしらあると思うので。ぜひ見ていただきたいですね」
――スネオさん演じる悩める僧侶・浄念が、音楽に向き合うことで懸命に生き抜こうとするストーリーですよね。
「そうなんです。お坊さんってやっぱり、どこか達観した人とかって思われがちなんですけど、でも実際は普通の人と同じように悩みを持ってたりもして。そのあたりの描写や、主人公・浄念と周囲の人々との関係から、何かを感じてもらえたらと思いますね。あと、今作は音楽とも非常に結びつきの強い映画なので、原作を読まれた方も、映像でより立体的に楽しんでもらえると思います」
――では最後に、やや無茶振りですが(笑)、「赤いコート」にちなんでスネオさんの2010年を色に例えると?
「それはもう、(目の前のコーヒーを指して)こういう色ですよ(苦笑)。真っ黒ではないんですけど。音楽的な環境も今までと180度変わりましたし、実はプライベートでもそんなところがあって。ただ、キングレコードとのご縁があったり、ミニ・アルバムも2枚出させていただいて。映画もいよいよ公開するし、だんだん形になってきてることもいっぱいあって、いいこともたくさんあるんですけど。12月に入って、切り替えていけそうだなって気はしています」
――2011年は?
「そりゃもう素敵な年にしたいですね。色でいうと、コスモスみたいな(笑)。今はひとつひとつをちゃんとやっていくことで、繋がっていくんじゃないかと信じてます」
取材・文/川倉由起子(2010年12月)
最新 CDJ PUSH
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] 中国のプログレッシヴ・メタル・バンド 精神幻象(Mentism)、日本デビュー盤[インタビュー] シネマティックな115分のマインドトリップ 井出靖のリミックス・アルバム
[インタビュー] 人気ピアノYouTuberふたりによる ピアノ女子対談! 朝香智子×kiki ピアノ[インタビュー] ジャック・アントノフ   テイラー・スウィフト、サブリナ・カーペンターらを手がける人気プロデューサーに訊く
[インタビュー] 松井秀太郎  トランペットで歌うニューヨーク録音のアルバムが完成! 2025年にはホール・ツアーも[インタビュー] 90年代愛がとまらない! 平成リバイバルアーティストTnaka×短冊CD専門DJディスク百合おん
[インタビュー] ろう者の両親と、コーダの一人息子— 呉美保監督×吉沢亮のタッグによる “普遍的な家族の物語”[インタビュー] 田中彩子  デビュー10周年を迎え「これまでの私のベスト」な選曲のリサイタルを開催
[インタビュー] 宮本笑里  “ヴァイオリンで愛を奏でる”11年ぶりのベスト・アルバムを発表[インタビュー] YOYOKA    世界が注目する14歳のドラマーが語る、アメリカでの音楽活動と「Layfic Tone®」のヘッドフォン
[インタビュー] 松尾清憲 ソロ・デビュー40周年 めくるめくポップ・ワールド全開の新作[インタビュー] AATA  過去と現在の自分を全肯定してあげたい 10年間の集大成となる自信の一枚が完成
https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015