――前作アルバム『TOKYO GROOVE』は、〈オリジナル・ソング・ディスク〉と〈カヴァー・ソング・ディスク〉の2枚組でしたが、カヴァー曲とオリジナル曲が入った今作『TOKYO CONNECTION』は、その続編という聴き方をしても大丈夫ですか?
YUCALI「あ、ぜひ! 『TOKYO GROOVE』は今までHALCALIのことを知らなかった人たちにも知ってもらえるキッカケになった一枚だと思っていて。〈オリジナル・ソング・ディスク〉もあることで、カヴァー曲が入口だったとしても、オリジナルはこんなことやってますよっていうのを見せられたかなと。で、今回はまさにその続編。2枚続けての流れでも、ぜひ聴いてほしいと思います」
HALCA「だから今回はもう、あまりミニ・アルバムを作ろうと思って作ってはいなくて。本当に、前作の流れからいろいろなものができていったんです」
YUCALI「でもある種、このミニ・アルバムを作るきっかけになったのが1曲目の〈浪漫飛行〉。カヴァーのお話をいただいたのが『TOKYO GROOVE』を出した後だったので、“じゃあ、もう1回(カヴァー)やる?”みたいなことになって」
――そこから今回の全7曲へと繋がっていくったんですね。それにしても、「浪漫飛行」はすでにCMで大量オンエアされていますが、HALCALIが歌うとこんなにもキュートな楽曲になるんだっていう。
YUCALI「まぁ、テンポは速いですよね(笑)。それでキラキラ感が増したのかなって思います。あと、この曲は
YOUR SONG IS GOODが演奏に参加してくれたんですけど、彼らも“こんなに速い曲を弾いたの初めてだ”って言ってて」
HALCA「確かに完成してみると、私たちがイメージしてたユアソン(YOUR SONG IS GOOD)とはまた違う感じで。でも、なんだかこういう楽しげな感じを表現するにはユアソンがピッタリだなって思います。もともと友達ではあったんですが、いいタイミングで素敵なコラボレーションができて良かったですね」
――他にも、今作には
野宮真貴さん作詞のM-2「Girl!Girl!Girl!」や、
ヨースケ@HOMEさんと共作のM-3「ギリチョコ」、
いしわたり淳治さん作詞のM-4「SUPERSTITIONS」など、幅広いアーティストとのコラボが。とてもバリエーション豊かな聴き応えですね。
HALCA&YUCALI「ありがとうございます」
――今回のいろいろなコラボや制作を通して、何か新しく感じたことはありましたか?
HALCA「今までのアルバムは、やっぱり制作に時間がかかってたんですよね。いろんな人と一緒にやりたいし、いろんなこともやりたいから、私たちも“気付けばこんなに時間が経ってた!”ってことが多くて。でも今回の作品を作り始めたのって、つい最近な感じなんです。時間に追われる気持ちや焦りもなく楽しく作れたアルバムで、どれも時間はかけたんですが、かかったなっていう感覚じゃないのがすごいですね」
YUCALI「作ってるときから、すごい自然だったんですよ。毎日のように、そのコラボするアーティストのハウススタジオとかに遊びに行って、歌って……っていう生活で。その時間が思ったより作業作業してなかったから、楽しく過ぎたんだと思います。それこそ、自転車でふらーっと遊びに行くっていう感じでしたから(笑)」
HALCA「無駄話の延長がそのまま歌詞になったりってこともあったしね。で、そうやって私たちに付き合ってくれた人たちっていうのが、今回のタイトルの“CONNECTION”だなっていうところに繋がって」
YUCALI「やっぱり私たち二人だけじゃ何もできないし、HALCALIというプロジェクト自体が本当にいろいろな方との“CONNECTION”なんですよ」
HALCA「そう。だから、今回はまさにそういう繋がりがにじみ出たアルバムになったと思いますね」
取材・文/川倉由紀子(2011年1月)