2008年に、
Weezerなどを手がけるクリス・ショウをプロデュースに迎えた1stアルバム
『YEAH』をリリース。そして同年、Weezerの日本ツアーの前座に抜擢されるまでとなった。“和製Weezer”という異名で知られている
HOLIDAYS OF SEVENTEENが、待望の2ndアルバム
『LET THERE BE POP』をリリースした。1年ぶりのオリジナル・フル・アルバムとなる今作で表現したかった彼らの想いとはどのようなものなのか? そして昨年末より拠点を福岡から東京に移し、一軒家で同居生活をはじめたという彼らの実態を、三浦太郎(vo&g)に訊くことができた。
――バンド名の由来を教えてください。
三浦太郎(以下、同) 「実は最初、某メーカーのお菓子からとった“しっとりクッキー”という名前のバンドで活動していたんですよ。ですが、ライヴのオファーを受けるようになって、もっとちゃんとしたバンドをやらなきゃって思うようになって(笑)。新しいバンド名を付けるにあたって、“永遠の17歳”ってテーマは外せないなっていう意見はメンバー内で一致してました。と言うのも、たまたま僕らメンバー全員、初めて彼女ができたとか、恋愛にまつわる甘酸っぱい経験をしたのが17歳の頃だったんです(照)。いろんな意味で初動の年となったというか、凝縮された年だったと思います。しかもホリデー(休日)って、その年頃にとっては好きなことや、いろいろな経験をできる限られた貴重な時間だったわけで」
――大学のサークル仲間で結成したそうですが、現メンバーになったきっかけは何ですか?
「サークルでは、バンドやってる連中が150人くらいいたんですけど、結局メンバーになったのは、気が合っていつも飲みに行ってるメンツでしたね。実力ももちろん大事だけど、僕らの場合は人間性が重要でした」
――昨年末に福岡から東京に引っ越してメンバー全員で一軒家に住んでいるとか。長い付き合いとはいえ東京での同居生活はいかがですか?
「まだ東京の生活には慣れません。外出するときはiphoneに搭載されているマップを見ながら迷わないよう必死だったり、何かと体力を使いますね……。でも音楽をやる上では最高じゃないかな。ツアーにも出やすいし友達のバンドも近くに住んでいたりするし」
――同居生活によって音楽活動においての影響はありましたか?
「福岡では週2回スタジオに集まって、曲のアイディアを出し合っていたんですけど、今は思いついたらすぐにメンバーに聴かせて、ジャッジをもらえるんでいいですね。ジャッジまでの時間が短い分、ボツっても傷が浅いですし(笑)。あとは、ライヴの方向性だったり、メンバーそれぞれの意見をすり合わせていく作業がしやすくなりました」
――ケンカとか、意見がぶつかったりすることはないですか?
「今まで長い時間を共有してきたので、お互いの大体のことは分かってきてるんで、ケンカとかはないですね。ただ、“トイレの使い方が汚い”とか、そういった生活面での指摘はしますけど」
――生活感が溢れてますね(笑)。曲はどうやって作っているのですか?
「アイディアを出すのは僕が多いですけど、影響受けやすいので、その時々でいろんなテイストの曲を作るんです。バンドのカラーにハマらない曲を作ってボツになることもよくあります。今回に関しても20曲以上作って採用されたのは5曲くらいです。コンセプトにあてはまらないって理由で……」
――(笑)。では今回のコンセプトはどういったものだったんですか?
「シンプルで誰にでも理解しやすいもので、ノリのいい“イカした(笑)”音楽。誰でも歌えるような分かりやすいメロディはもちろん、コーラスにも皆がノりやすいフレーズを持ってきたり。今までツアーを行なってきて、お客さんと僕らの音楽を共有したいって強く思うようになったので、必然的にそうなりました」
――とは言いつつも、多彩なアプローチをされてますよね。
「その時々で影響された、いろいろなサウンドとかリズムを取り入れたくなっちゃうんですよね。それをメンバーのフィルターにかけていくので、最初の思惑とは違うようになってしまう曲もありますが、そのフィルターのおかげで、何かのパクリみたいなものにならなくてすんでいるっていうか。結果として、自分たちの音楽としてまとまっているので満足できるものにはなっています」
――“和製weezer”と呼ばれたり、クリス・ショウ氏にプロデュースしてもらったことについて、どのように感じていますか?
「世界的なビッグ・バンドだし、僕らの目標でもあったバンドなので単純に嬉しいです。日本では他にそう呼べるバンドもいないと思いますし。だけど、そのことに対して、プレッシャーとは考えていませんが、そこに限定されたくはないという気持ちもあります。そういう意味では今回のアルバムは、今までのそういった概念を覆すような違ったサウンドになったと思います」
――それでは今後の展望を教えてください。
「このバンドを長く続けていきたいし、続けていかなきゃっていう使命感があるので、今までとは違った客層にも受け入れてもらえるように、受け口を広くしていきたいというか、フィールドを広げていきたいという想いはありますね。僕らがやりたい音楽をやっていきたいし、常に面白いことをやっていきたい。ライヴではそれをみんなに楽しんでもらえるような空間、新しいものを“こういう楽しみ方もあるんだよ”って提示していけるような、予定調和にならないようなフィールドを作っていきたいですね」
取材・文/濱安紹子(キャプテン・アンド・ミー・インク)(2011年3月)
【ツアー情報】
<LET THERE BE POP release tour>
4月22日(金)札幌 COLONY
4月30日(土)福山 Cable
5月1日(日)福岡 KIETH FLACK(ワンマン)
5月4日(水・祝)大分 Bitts Hall
5月5日(木・祝)宮崎 SR-BOX
5月21日(土)仙台 MACANA
5月22日(日)宇都宮 HELLO DOLLY
5月27日(金)神戸 太陽と虎
5月28日(土)松山 SALONKITTY
5月29日(日)岡山 CRAZYMAMA 2nd Room
6月11日(土)新潟 Live Hall GOLDEN PIGS -RED STAGE-
6月12日(日)名古屋 CLUB ROCK'N'ROLL
6月18日(土)大阪 LIVE SQUARE 2nd LINE
6月19日(日)静岡 mescaline drive
7月23日(土)渋谷 O-nest(ワンマン)