独特のアイディアと視点で、ワイルドなロックンロールからメロディアスなナンバーなど、さまざまなサウンドを聴き手に投げかけてくる
毛皮のマリーズ。今年1月に発表したメジャー2ndアルバム
『ティン・パン・アレイ』は、ヴォーカルでソングライターの志磨遼平がひとりで作り上げたマジカルなポップ作品だった。あれからわずか7ヵ月半で、ニュー・アルバム
『毛皮のマリーズのハロー!ロンドン(仮)』がリリースされる。前作とはまたひと味違うポップ感、4人のバンド感と、そして悲哀と希望をテーマにした歌詞の世界が繰り広げられる新作について話を訊いていこう。
――新作『毛皮のマリーズのハロー!ロンドン(仮)』は、前作『ティン・パン・アレイ』からさらに広がった世界観の作品、という印象を受けたんですが、元々はどんなアルバムを目指したんですか。
志磨遼平(以下同) 「『ティン・パン・アレイ』はものすごく素晴らしい作品でありながら、毛皮のマリーズの一部の側面でしかないんですよね。僕ひとりで作った、愛、希望、輝かしくあるべき未来を歌う非常にポジティヴな作品だった。でも、それだけでは成立しないのがロックンロール。ロックンローラーであるなら、『ティン・パン・アレイ』と真逆の作品を出すべきだというのは『ティン・パン・アレイ』を作ってるときから思ってたんです」
――陰陽(いんやん)みたいな関係性の、対になる作品を作りたかったと。
「そうです。できるだけ早く、『ティン・パン・アレイ』への、毛皮のマリーズからのレスポンスを表明したいなと。なので必然的にアルバムのテーマは、“ラヴ&ピース”とは反対にある、悲哀、絶望を歌うべきだ、そして、それを4人で演奏するべきだというコンセプトが最初の構想としてあったんです」
――悲哀という点では、この作品には震災の影響もすごくあるように感じるんですが。
「それはもちろんありますね。これはツアーの話にもなりますが、『ティン・パン・アレイ』は独立した作品であると同時に、バンドへの問いかけでもあるんですよ。これを認めたら、ひとりで音楽を作ればいいということになってしまう。なのでアルバム発表後のツアー(<MARIES MANIA>)は、“毛皮のマリーズとは何ぞや”ということを定義付けする、ある意味、『ティン・パン・アレイ』を否定するようなものにしたかったんです」
――『ティン・パン・アレイ』を否定するというのは?
「ものすごく確かなものと、ものすごく不確かなものの拮抗というか。『ティン・パン・アレイ』っていうのは完成された世界。僕ら人間は、ずっと変わらないものも望むし、停滞も嫌うし、でもどちらも本当の状態なわけですよ。一体どちらが勝つんやってことをしたかったんです」
――『ティン・パン・アレイ』が理想郷だとすると、バンドというのはうごめく共同体というか。
「そう、ユートピアに対する不確かな人間という対決です。でも僕らは最終的には勝ちたいんです。それがツアーのテーマだった。で、僕が明確に毛皮のマリーズの1/4だった時代というのが過去にあって。それがデビュー・アルバム『戦争をしよう』から
『Faust C.D.』ってミニ・アルバムまでなんです。ツアーでは、その時代の曲をやって、新曲ができたらどんどん追加しようと思ってた。昔のナンバーをプレイすることで起るケミストリーだとか、ツアー中のセッションで曲ができちゃうのがカッコいいなと。ツアーの終わる頃にはたぶんアルバムもできて、それを一発録りしようと考えてたんです」
――バンドを改めて振り返りつつ、新しいものが生まれればと思っていたんですね。
「そうなんですよ。ただ、震災以降、ツアーの意義が変わるんですよね。
写真集『夜明け』のあとがきにも詳しく書いたんですが、僕の創作の礎となるべきツアーが、“必ず行く、今動く”ということが最優先のツアーに図らずも変わってしまった。話がちょっと反れますが、僕ら昔って、欲求のまま活動していたので、よくライヴをすっぽかしてたんですよ(笑)」
――それは鬼ですね(笑)。
「ハイ(笑)。前の日のスタジオが最悪ならやらない方がいいとか、ライヴ中にダメだと“やってられん”って途中で帰ったり。そういうのを久しぶりにやってしまうのも、面白いんじゃないかと思ってたんです」
――えぇ! そんな企みを持ってツアーに臨んだんですか(笑)。
「ものすごく軽薄な感じで臨んだんですよ(笑)。例えば、僕がステージから帰るとか、ステージ上でメンバーが殴り合いのケンカをして壊れた楽器が残り、お客さん呆然、そして金返せの暴動が起きるとかね(笑)」
「そうそう(笑)。そんなツアーに(カメラマンの)有賀幹夫さんが“同行したいんだけど”と仰ってくださって。やはり天才は嗅覚が違うなと思いました。“途中で終わっちゃってもいいや”というツアーをあえて有賀さんに撮っていただこうと思ったんです。でも、震災が起こったことによって、“絶対に行く”ツアーにコンセプトが変わった。日程的にも北から南に降りてくツアーだったので、物理的には大丈夫だったので、あとはやるかやらないかで」
毛皮のマリーズ写真集『夜明け』より
――自粛するバンドもいましたが、それはそれで間違いではないですからね。ただ毛皮のマリーズというロックン・ロールバンドは、ショー・マスト・ゴー・オンだったと。
「そうです。我々は絶対にやめない。何がなんでもステージに立つと。それは成し遂げられた。で、ツアーが終わって、ふと“あれ? アルバムのこと忘れてた、何も進んでへん”って(笑)。できてると思ってレコーディング・スケジュールは決まってたんですよ。しかもこの時期に悲しみをテーマに歌うって、正直難しいと思いましたね。悲しみ、絶望とは一体なんだろう、それを歌うことにがっぷり四つで組み合うとこから始まったんです。で、最初のイメージは、ものすごくラウドなものになると想像してましたね、自分の中で。単純に『ティン・パン・アレイ』の真逆だから」
――自分もそう思ってました。ガツンとしたロックなアルバムになるのかなって。
「ね、ノイジーなギターで悲しみってものをガーッと表現するような。でも、そういうものができないんですよね。自分から出てこない。曲はできるけど、どれもが静かなというか、穏やかな曲ばかり。これは一体なんなんだと思いましたよ。でも、そういうのって、僕の思考よりも、 できあがってくる音楽の方がよく分かってるんですよね。悲しみとは何ぞや、絶望を歌うことを僕はどう捉えてるのか、それに対してできるこの曲はなんだ?って僕が振り回されてた。しかも、バンド・サウンドよりも、プラス・アルファの音を求めてる。“え? それは『ティン・パン・アレイ』でもうやったやん”って。それが自分の中で不可解でね。僕はどこに向かうんだろうって、ずっと考えながら制作を進めてたんです」
――テーマは正反対なのに、音は自然と『ティン・パン・アレイ』に繋がってしまったと。
「そうそう。僕は今でもロックンローラーになりたいんですよ。あくまでもシンガーソングライターじゃなくバンドマンなんで。甘えちゃイカンと」
――甘えというのは?
「ハッキリいうと、『ティン・パン・アレイ』で歌った、“愛と平和”って、
ジョン・レノンも言ってますけど、イージーなんですよ。愛し合うことは簡単。何かを許せばいいだけだし、誰もが望むものだから。そうじゃなくて、僕らのもっと奥にある“この悲しみは何や”ってことへの答えを出したい。でも、音楽はどんどん『ティン・パン・アレイ』に僕を向かわせる。ただ、曲には答えが出てたんですよね。最後に書いたのが<JUBILEE>って曲で、原型は結構前からあったんです。仮歌の段階でハナモゲラ語で“♪ジュビリ〜”ってなんとなく歌ってたんですよね。<JUBILEE>って“祝祭”って意味。正反対のことやろうとしてるのに歌詞は僕を引っ張るんです。でも<JUBILEE>ができた時点で、この曲がこのアルバムのシンボルだろうなとは感じたんです。“悲しみというのはこれじゃないか?”と思いつつ、でも確信が持てないあやふやなまま、ロンドンのアビーロード・スタジオに向かったんです」
――アビー・ロードでは何曲録ったんですか。
「3曲です。アルバムの1曲目から7曲目が東京で録ったもので。どっちも4人で演奏したものです」
――スキット的な「毛皮のマリーズのハロー!ロンドン」以降の後半3曲ですね。
「そうです。曲順は、大体レコーディングの時系列順ですね。<The End Of The World>から始まり、ずっと僕の悲しみの過程を歌っていくってアルバムですね。で、話を戻すと、アールズコートという場所にあるホテルに泊まって、毎朝1週間アビーロード・スタジオのあるセントジョーンズってところに電車で通ってたんです。その路線が偶然にも“ジュビリー・ライン”という名前だったんですよ(笑)。そのあと、レコーディングが終わって最後1日あって、飛び込みでパブでギグをやったんです。ロンドンで6〜7年活動してる棒人間というバンドが友だちの友だちで、彼らにブッキングしてもらって。その場所に行ったら、今度は“ジュビリー・ストリート”って書いてあったんです(笑)」
――お〜、ゴッドアングル続々勃発ですね。
「はい。悲しみの果て、底の底に行き着きたい、それを歌いたいアルバムだったんですけど、最初は悲しみを簡単に、ラウドにドカーンとやりたかった。でも、そういうのは悲しみの表層だったんですよね。例えば、人に言えるくらいの悲しみっていうのは薄いもんで、本当に深い悲しみは人には言えない」
――確かにそうですね。
「悲しみというのは、耐え忍ぶ、どんどん深いとこに沈んでいく、どんどん澄んでいく孤高なもの。静かな忍ぶ感情だったんですよね。それが<JUBILEE>なんじゃないだろうかと。つまり、悲しみを皿まで食って尽きた底は、もうこれ以上悪くならないように、誰かが悲しまないようになっている。悲しみの底は祈りになる。例えば、夜の終わりがあるとしたら夜明け、それは朝。絶望の果てがあるとするなら、次には希望しか待ってないわけで」
――確かに、悲しみと希望がひとつの輪になっている感覚はありますね。
「そう。悲しみや絶望の果てを歌うっていうのが、『ティン・パン・アレイ』で歌ったようなものに回帰していく、なるほどなって思いました。<JUBILEE>ができて、ロンドンでメッセージのように、いろんなキーワードを見せられた。あ、これは僕はもう一度、希望を歌ってもいいんだって、最終的に自分の中で納得できた。それが今回のアルバムの答えだったんじゃないかなと、今は思ってます」
――ロンドンに行ったのも導かれたようなものですね。そう考えると鳥肌立ちますよ。では楽曲に触れていくと、1曲目の「The End Of The World」はスキータ・デイヴィスの60'sヒット曲のカバー で、すごくいいメロディの美しい曲ですよね。ただ、歌詞を改めて見たらメチャ悲しい。“愛を失ったときが世界の終わり”っていう。
「“あなたがいないのになぜ朝は来て、鳥は鳴いて、波はさざめき”っていうね。この曲メッチャ好きなんですよ。これを選んでる時点で、最初から答えは出てたんだなって、あとで感じましたけど(笑)。この曲は、単にいつかやりたいと思っていて、今回のアルバムにぴったりだなと思って1 曲目にしたんです。ヒロティ(栗本ヒロコ)とのデュエットで、世界の終わりをイメージして作ろうと思ったんです」
「そうですね。ちなみに<上海姑娘>という曲は
スージー&ザ・バンシーズの<香港庭園(ホンコンガーデン)>ですよ。ニューウェイヴのつもりなんです。あと
ロキシー・ミュージックもちょっと入ってますね。元ネタ ありきは、僕らいつものことですね。<The Ballad Of Saturday Night>のタイトルは、モット・ザ・フープルの<Ballad of Mott>と<Saturday Gigs>を足しただけ。最低ですね(笑)」
――(笑)。サウンドは、バンド感とメロディが立った楽曲が多いですね。歌詞にしても、いなくなった人への思い、愛する人への気持ち、戻ってこないものへの郷愁が詰まっています。それでいて希望感があるんですよね。
「別離、お別れだったり、悲しみを歌ってるんです。ちゃんと歌詞は最初から書けてるのに、自分で分かってなかったんですよね」
――あと、曲によって声の表情でいろんな悲しみの場面を表現してます。今回も新しいトライを試せたんじゃないですか。
「そうですね。音にしても、やっぱりファズの嵐みたいなものはすでにやってるし、結局そうじゃないものをやりたかったんですよ。“自分らこんなのできるのか”って驚きがないとね」
――「The Ballad Of Saturday Night」の終わりの
ビートルズ「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」感のあるピアノのダーンって響きで一区切りあって、アルバムはロンドン編に突入するわけですが、「となりにいてね」は、まさにマージ・ビートなナンバーです。
「アビーロードでの作業は1週間だったので、3曲なら録れるだろうと思って、ビートルズの初期・中期・後期でいこうと思ったんです。前からあった<ダンデライオン>は<ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・ マイ・フレンズ>の雰囲気。で、<JUBILEE>は、僕の中では意外と
デヴィッド・ボウイのイメージがあったんです。でもせっかくだし、後期ビートルズ的なアビーロードっぽいアレンジにしまして。で、足りないのは初期やなって、<となりにいてね>をさらりと作りましたね」
――ホント、これまでとはまた違う、素晴らしいストーリーのあるアルバムになりましたね。あと、タイトルが『毛皮のマリーズのハロー!ロンドン(仮)』となっているんですが。
「これは仮タイトルで、正式タイトルは、発売日にお店に行って驚いてもらうことにしたんです。乞うご期待です(笑)」
――相変わらずハプニング性のあるバンドですね(笑)。新作は、『ティン・パン・アレイ』ありきの作品でもあるし、独立した世界観の作品ともいえます。バンドとして次のステージに行けた充実感も高いのでは?
「それはありますね。今までコンセプトを先に決めて作るものって、予想を上回るとこを目指すんで、大体青写真があるんですけど、今回はそれがまったく分からなかった。それは初めてだったので、みなさんがこのアルバムを聴いて“こうなったか”と思うのと、まったく同じ感情が僕にもありましたね。それはおいても、美しい、いいアルバムですわ(笑)」
――確かに(笑)。さて、8月24日には、1度きりの『ティン・パン・アレイ』の完全再現ライヴの模様を収めたDVD 『CONCERT FOR “TIN PAN ALLEY”』もリリースされました。10月8日からは全国ツアー『Who Killed Marie?』がスタートします。しかも12月5日のファイナルは、遂に日本武道館ですね。
「もう武道館に失礼のないライブをやるだけですね。ものすごいものにしたいんで、超力んでガチガチでいきますよ。喜怒哀楽って感情を全部歌おうと思ってます。それはこのアルバムができたからこそできるんですよね。喜びの『ティン・パン・アレイ』的なもの、血涙を流す勢いの怒りの『Gloomy』、で、今回、初めて悲しみってものを歌えた。人間って、矛盾まみれのよく分からん生き物じゃないですか。それを武道館という舞台で全部歌いますよ」
取材・文/土屋恵介(2011年8月)
【ツアー情報】<毛皮のマリーズ TOUR 2011 "Who Killed Marie?">チケット一般発売日 9月10日(土) *日本武道館のみ 10月1日(土)
*すべて単独公演
前売:3,300円(税込・別途1ドリンク*新潟以外)
当日:3,800円(税込・別途1ドリンク*新潟以外)
*日本武道館
前売:4,500円(税込) 当日:5,000円(税込)
●日時:10月8日(土)
●会場:水戸 LIGHTHOUSE
●時間:開場17:30 / 開演18:00
※問い合わせ:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
●日時:10月10日(月・祝)
●会場:HEAVEN'S ROCK 宇都宮
●時間:開場17:30 / 開演18:00
※問い合わせ:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
●日時:10月11日(火)
●会場:盛岡 Change WAVE
●時間:開場18:30 / 開演19:00
※問い合わせ:GIP 022-222-9999
●日時:10月13日(木)
●会場:札幌 PENNY LANE 24
●時間:開場18:30 / 開演19:00
※問い合わせ:マウントアライブ 011-211-5600
●日時:10月15日(土)
●会場:仙台 Rensa
●時間:開場17:30 / 開演18:00
※問い合わせ:GIP 022-222-9999
●日時:10月22日(土)
●会場:名古屋 ボトムライン
●時間:開場17:30 / 開演18:30
※問い合わせ:JAILHOUSE 052-936-6041
●日時:10月23日(日)
●会場:長野 JUNK BOX
●時間:開場17:30 / 開演18:00
※問い合わせ:キョードー北陸チケットセンター 025-245-5100
●日時:10月27日(木)
●会場:金沢 van van V4
●時間:開場18:30 / 開演19:00
※問い合わせ:キョードー北陸チケットセンター 025-245-5100
●日時:10月28日(金)
●会場:新潟 LOTS
●時間:開場18:30 / 開演19:00
※問い合わせ:キョードー北陸チケットセンター 025-245-5100
●日時:11月2日(水)
●会場:高崎 FLEEZ
●時間:開場18:30 / 開演19:00
※問い合わせ:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
●日時:11月5日(土)
●会場:高松 DIME
●時間:開場18:00 / 開演18:30
※問い合わせ:デューク高松 087-822-2520
●日時:11月6日(日)
●会場:広島 CLUB QUATTRO
●時間:開場17:00 / 開演18:00
※問い合わせ:夢番地広島 082-249-3571
●日時:11月8日(火)
●会場:高知 X-pt.
●時間:開場18:30 / 開演19:00
※問い合わせ:デューク高知 088-822-4488
●日時:11月9日(水)
●会場:岡山 IMAGE
●時間:開場18:30 / 開演19:00
※問い合わせ:夢番地岡山 086-231-3531
●日時:11月11日(金)
●会場:福岡 DRUM Be-1
●時間:開場18:30 / 開演19:00
※問い合わせ:TSUKUSU 092-771-9009
●日時:11月12日(土)
●会場:熊本 DRUM Be-9 V1
●時間:開場17:30 / 開演18:00
※問い合わせ:TSUKUSU 092-771-9009
●日時:11月18日(金)
●会場:浜松 窓枠
●時間:開場18:30 / 開演19:00
※問い合わせ:JAILHOUSE 052-936-6041
●日時:11月20日(日)
●会場:大阪 なんばHatch
●時間:開場17:15 / 開演18:00
※問い合わせ:清水音泉 06-6357-3666
●日時:12月5日(月)
●会場:日本武道館
●時間:開場18:00 / 開演19:00
※問い合わせ:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999