――前作『ザ・フォール』から2年半ぶりのアルバムになりますが、その間にもあなたは数多くのプロジェクトに参加していました。特に印象に残っているものは? 「この2〜3年でもっともエキサイティングだったプロジェクトは何かといったら、やっぱりブライアン(=デンジャー・マウス)と一緒にやった今回のアルバム。今までとは違うプロセスを踏んで作ったからね。今までのように家で曲を書きあげ、それを持ってレコーディングに入るのではなく、今回は何も準備せずにブライアンとふたりでスタジオに入って一から曲を作るやり方をしたから。それから
リトル・ウィリーズのレコーディングも楽しかったわよ。古い友人たちとまた一緒に作れたのは、なかなか感慨深いところもあったわ。あとはブライアンと初めて一緒に仕事をした
『ローマ』(2011年作品。デンジャー・マウスとイタリアの作曲家ダニエル・ルッピの共同制作盤で、ノラが3曲歌っていた)のプロジェクトも、もちろん」
――『ローマ』で初めてデンジャー・マウスと仕事をして、どんなことを感じました?
「ブライアンはプロデューサーとしてよく知られているけど、私はまずソングライターとしての彼の才能に感動したの。引き出しが広くて、なんでも対応できる人だけど、私は特に彼の書くアコースティック系の曲が好きなのね。『ローマ』もエレクトリック系の音はほとんど使ってないでしょ? いろんな音を入れなくても素晴らしい世界観を作っていける人なのよ。たとえば私はゴリラズやナールズ・バークレイも聴いていたけど、何より彼が
スパークルホースと作った
『ダーク・ナイト・オブ・ザ・ソウル』が大好きだったのね。で、『ローマ』をやったときに友だちにもなれたから、私のほうから“また何か一緒にできない?”って言って、“じゃあ、一緒に曲を作るところから始めよう”という彼の提案によって今回のプロジェクトが始まったわけ。彼は、やるからには全部関わろうとするタイプなの」
――曲作りも音作りも、ほとんどあなたとデンジャー・マウスのふたりでやられているんですよね?
「ええ。ふたりでやれる限りのところまでやったわ。“こういうサウンドにしたい”って思ったら、ふたりともそれを楽器の音として出すくらいの技術はもっていたからね。ブライアンがドラムを叩いて、私はギターやキーボードを弾いたりして、ときにはふたりの担当楽器を交換したりもして。で、レコーディングの段階で、“さすがにこれは弾けない”っていうところに関してはほかのミュージシャンに弾いてもらったの。ブライアンは今までの私なら考えつかないようなアイディアをいろいろ出してくるから、すごく刺激的だったわ」
――「セイ・グッバイ」という曲のリフがとりわけ耳に残るんですが、あれは誰のアイディアですか?
「たしかブライアン。楽しいわよね、あれ。ブライアンがドラムを叩いて、私がベースを弾いて録ったのよ」
――「ミリアム」という曲も印象に残ります。美しい曲ですが、ダークで、歌詞はちょっとホラー映画っぽい感覚もあって。
「そう、たしかにホラーっぽいわよね(笑)。そこが気にいってるの。はじめはもっとダークな歌詞だったんだけど、ブライアンが“これじゃダークすぎる”って言うから、これでも書き直したのよ。でも、レコーディングのときにはギタリストに“怖くなるようなギターを弾いて”って頼んだの。面白い雰囲気が出せたと思うわ」
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