2003年にリリースされたm-flo loves Crystal Kayの
「REEEWIND!」からスタートしたm-floの第二期を象徴するプロジェクト〈Loves〉。5年間という音楽プロジェクトとしては長期にわたった〈Loves〉だが、ベスト・アルバム『Award SuperNova -Loves Best-』、および新録曲「love comes and goes」(loves 日之内エミ & Ryohei & Emyli & YOSHIKA & LISA)で終止符が打たれることとなった。
「5年という年数だけ考えると長いかもしれないけど、その間に41組のアーティストとlovesを生んで、3枚のアルバムをあの濃度で出せたっていうのは僕たちとしてはすごく満足してます。〈Loves〉はすごくエネルギーのあるプロジェクトだって最初から確信できていたし、一曲作るたびに常に“より良いもの”を目指してました。とにかく突っ走ってた充実した時間でしたね」(VERBAL)
では、この〈Loves〉が、41組ものアーティストと〈Loves〉するほどの大きなプロジェクトに発展したのはなぜなのだろうか。
「“楽しいからやる”だね。我々人間は行動になにかしら意味を持たせてしまうけど、Lovesに関しては意味合いよりも“この形が面白かった”っていうのが根本にあると思う」(☆Taku)
それを考えると、いわゆる“フィーチャリング”と“Loves”は、彼らにとってどのような違いがあったのだろうか。
「僕たちは貪欲だから、スタジオに一緒に入って、“ああでもない、こうでもない”ってじっくりお互いに組み合いながらいい作品を作りたいんですよね。でも、悪いことではないんだけど、データの受け渡しで客演って場合も今は存在していて。そうではなくて、最初からアーティストを迎えて、お互いを知って、そこから出てくるアイディアやエネルギーを形にしたかったんですよね。それが〈Loves〉だと思います」(VERBAL)
その上で、彼らが〈Loves〉してきたアーティストは、ジャンルや方法論を超えた多様な広がりを見せたわけだ。それでは、〈Loves〉するアーティストの基準とはどのようなものだったのか。
「やっぱりアーティストとして魅力があるのが第一だけど、“一緒に作れば面白いものが作れる”っていうシンプルなものだったと思う。コラボって“誰と誰が一緒に”ってところが注目されるけど、本質としては“曲が主役”であって。その部分に“化学反応を起こすことのできる”って思わせるアーティストが決め手だと思うね」(☆Taku)
では、lovesシリーズが終了した今、m-floの先を見る目線は、いったいどの方向にあるのだろうか。
「5年後も“これからどうされるんですか”って訊かれるアーティストではいたいね(笑)。具体的には、m-floは次にいつ活動するか分からないし、なにも約束はしません。ただ、アイディアがすぐ浮かんでリリースがあるかもしれないし。そうじゃなくても、VERBALとなにか違った形で動くかもしれない。ただ、活動を始めてからの10年でm-floの楽曲のハードルはかなり高くなってるから、次を作るときは、必ずそれを越えるものになると思うよ」(☆Taku)
取材・文/高木晋一郎(2008年1月)