西寺郷太をプロデューサーに迎えたbump.yの新機軸、「COSMOの瞳」!

bump.y   2013/01/15掲載
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 bump.yのこういうテイストの曲を待ち望んでいた人は多いのではないだろうか。ノーナ・リーヴス西寺郷太がプロデュースを手掛けた新曲「COSMOの瞳」は、80'sテイストがふんだんに盛り込まれた、由緒正しきアイドル・ポップスの現在進化形と言っていいだろう。彼女たちの穏やかなキャラクターにピタリと寄り添い、あまつさえダンサブルという胸踊る名曲の誕生である。


――「COSMOの瞳」は最近の傾向とは全然違う曲ですよね。率直にどう思ったか聞かせてください。
宮武祭(以下、祭) 「〈ガラゲッチャ〜GOTTA GETCHA〜〉とは、また印象が違って。bump.yは〈ガラゲッチャ〉みたいな激しい曲もやるし、こういうゆったりしてるような曲も歌う。違うbump.yが見せられるかなと思いました。曲を初めてもらったときは、また違うbump.yが見せられるんじゃないかなと思いました」
桜庭ななみ(以下、桜庭) 「二回同じこと言ってるよ」
一同 「あははは!」
――みなさんで感想を言ったりするんですか?
宮武美桜(以下、美桜) 「みんな好きって意見が一致した曲でした」
松山メアリ(以下、松山) 「聴いた後に鼻歌で歌ってみたりしたんですけど、耳に残ったフレーズがたくさんあって。すごい歌だなと思いました」
――冒頭の、ビートが入ってくる前のソロ回しは緊張感高いんじゃないですか?
 「もう、めっちゃ緊張!」
美桜 「祭、トップバッターだもんね」
 「絶対外せないなって常に思ってます」
――昨年11月に行なわれた〈帰ってきた!bump.yナイト2〉で初披露したときに思いました。
松山 「すごい緊張してるのが伝わりましたよね(笑)!」
――あのとき、振り付けをお客さんに覚えてもらうゲームとかあったじゃないですか。すごく皆さんが溌剌としていたのが印象的で。
高月彩良(以下、高月) 「明るくないって思ってました?」
――というより、もうちょっとおとなしいのかなと思ってました。
松山 「あはは!」
高月 「〈COSMOの瞳〉は、メロディと歌詞がすごくいいなと思って。メロディ聴くだけでもすごく耳に残ると思いました」
――ちょっと古風だなとは思わなかったですか?
高月 「はい、昔っぽいなと思いました。私、80年代ポップスが好きなので」
美桜 「うちはお父さんがよく80年代の音楽を聴いてて、車とかでよく流れてました。〈COSMOの瞳〉はそのなかで流れてても違和感を感じないというか」
――そんなお父さんは「COSMOの瞳」をもう聴かれましたか?
美桜 「はい、すごく喜んでました!」
――それにしても前作から大きく変化したなと思うんです。
桜庭 「でも、いろんなbump.yを見てもらえることはすごく嬉しいので。これからも“こんな歌を歌うんだ”というのをやっていけたらなと思います」
――桜庭さんは台詞があるじゃないですか。短いですけど、演技力を要しますよね。
桜庭 「ふふっ(笑)。でも、歌詞の内容を考えて言いましたね」
――皆さんは普段から演技の仕事をされているから、歌の表現をどう捉えているのかなと。
高月 「お芝居するときと歌を歌うときは同じ気持ちでやってます。歌っているときに、お芝居やっていてよかったなと思ったんです。感情の作り方も同じだし」
 「〈COSMOの瞳〉のミュージック・ビデオは表情も意識しながらやりました。MVの後半が特に面白いんです。ななみさんの台詞の後が、“おお!”ってなります」
桜庭 「“おお!”っていうより、“ちゅるる”って感じ」
――“おお!”っていうより、“ちゅるる”ですか。わかりづらい(笑)。
松山 「あはは! でもそれわかる!」
桜庭 「好きな人の目を宇宙に例えてるんですけど、その目に吸い込まれていくような」
 「そうそう!」


――演技と歌って違いはありますか?
桜庭 「気持ちの作り方は似てるなとは思うんですけど、歌は歌の難しさがあるので勉強していきたいです」
――演技と歌、どっちが好き?
桜庭 「どっちも好きです。でも、みんなと集まると心が落ち着くというか。歌も5人で集まってチャレンジさせてもらえてるけど、一人だったら大変ですよね……」
松山メアリ


松山 「ひとりだったら多分逃げ出してると思う(笑)。多分、1曲歌えない。歌うのは好きですけど、人前で何かやるのなんてどっちかと言うと苦手な方だったので。でも5人でやれば勇気も出ます」
美桜 「お仕事でひとりで歌う機会が増えたんですけど、そういうときにメンバーがいてほしいなって思います。舞台の本番を観にきてくれると、メンバーの顔を見たりします、安心するので(笑)」
――松山さんは歌の表現についてはいかがですか?


松山 「今回、一番最初に西寺(郷太)さんと谷口(尚久)さんにお会いして、仮レコーディングでちょっと歌ってみたときは、今と少しオケが違ったんですね。本番のレコーディングの日にビートが強い感じに変わってたので、聞いてみたら、“みんなのイメージに合わせてそうした”とおっしゃっていて。そういう音のイメージに頼ったりしながら、考えてレコーディングに臨みました」
――会ってみてからビートが強くなったということは、みなさんが落ち着いたイメージというよりも、意外と元気だなと思ったということですかね。
松山 「だから、最初のときは〈COSMOの瞳〉って落ち着いた感じかなと思ってたんですけど、案外バラードっていう感じでもないなって」
――すごくダンサブルなんですよね。西寺さんの歌のディレクションはいかがでした?
松山 「“ここは台詞っぽくしてみたら?”とか、“ここは現在形でこっちは過去形”とか、わかりやすく説明してくれました」
一同 「わかりやすかった」
――カップリング曲の話を聞かせてください。「エスケープ」は中高生っぽい歌だなと思いました。
桜庭ななみ


桜庭 「まさに」
美桜 「共感できる歌詞が多くて」
――歌詞に出てくるように、テスト前は眠くなったりとか?
美桜 「本当に眠くなるので!」
 「ここわかるって思ったり。まさに自分だなと」
高月 「この歌詞は本当に共感しまくりで。メロディが繰り返しじゃないですか。bump.yのなかではカラオケで一番歌いやすい曲だと思うので、皆さんにも歌ってほしいな」
――「Be Mine〜code of flowers〜」はライヴでもやってましたね。
桜庭 「はい。失恋ソングですね。ドラマの脚本家の渡辺千穂さんが歌詞を書いてくださったんですけど、私たちとか同世代の女の子の恋愛話を聞いたりして、歌詞を作ってくださって。すごくリアルで、頭に映像が浮かぶような歌詞になっているので一番気持ちを込めて歌うことができました」
――“鳴らないメール待ち続け 夜が長いと知った”とか、いい歌詞ですよね。
宮武美桜


松山 「そこ、私が歌わせてもらったんですけど、本当に共感して、本当に歌いたくて、“歌わせて下さい”ってお願いしました(笑)。スタッフさんが歌割りを考えてるときに、“めっちゃ歌いたいんですけど”って横でボソボソと言い続けたら、思いが通じました」
――歌詞をすごく読み込んでいるんですね。
桜庭 「私たちはそんなに歌が得意なほうではなかったし、小さい頃からレッスンを積んできたわけではないので、上手い歌を伝えるのが難しくて。だから気持ちを伝えるということを成長させていきたいなと思ってます」
――そういう意味で、bump.yさんはいつもちゃんと歌の世界にはまった上手い歌い方をしているなと思ってます。
一同 「本当ですか!? ありがとうございます!」
――ラストが「サンデー」です。意外な曲でした。
桜庭 「まさかの犬が死んじゃう話で」
松山 「日曜日かと思って歌詞を読んだら、犬の名前だったという」
桜庭 「斬新!」
松山 「予想外すぎて、どうやって歌おうと思って。レコーディングの時も“サンデーに呼びかけるように歌って”って言われて、どうしようか考えた結果、歌詞カードに絵をいっぱい書いて、絵本を読んでるイメージで歌いました」
高月彩良
美桜 「国語の授業で犬が死んじゃう話があったんですよ。本当に大好きな犬が死んじゃうんですけど、その犬に子供がいて、結局幸せになるっていう話なんですけど、それに似てるなと思って。私はその国語のことを思い出して歌いました(笑)」
 「レコーディングのときに、スタッフさんが私より大きなクマのぬいぐるみを置いておいてくださって。それを椅子に乗せて、私の前に置いて歌いました」
松山 「ずっといたよね、レコーディングのとき」
美桜 「自分が見て、気持ちが入れやすいようにクマを置くんですけど、みんなバラバラで」
松山 「私、チラッと視界に入るくらい」
桜庭 「私はソファーの上でダラーっと(笑)」
松山 「性格出るよね!」
――犬を飼ってる人は?
宮武祭
美桜・祭 「飼ってました」
――じゃあ、悲しくなったりは?
美桜 「若干。でもサンデーがどういう犬なのか決まってないので、みんなが思うサンデーはそれぞれじゃないですか。自分が飼ってた犬をサンデーと思うと切なくなります」
高月 「私は飼ってきたものがクワガタとか金魚とかハムスターなので、最初はあんまり想像つかなくて。愛情はありますけど、犬みたいに感情が伝わってこない生き物ばかりで。唯一伝わりそうなのがハムスターなんですけど、レコーディングの少し前に死んじゃって」
桜庭 「え!?」
松山 「嘘でしょ?」
高月 「三匹飼ってたんですけど、一匹亡くなって。そのハムスターのことを考えてたら、サンデーの気持ちもわかって、レコーディングに挑みました」
――それはよかったというかなんというか……。
高月 「だから、気持ちが入ってます(笑)!」
――心して聴くしかないですね(笑)。
桜庭 「でも悲しい歌ですけど、心がほっこりする歌だなって思います。サンデーに対して愛情があったりとか、いつか会える日が来るからっていう歌詞が入っているので、家族愛がある。悲しいけど……うーん、好きな歌ですね」
――好きな歌って急にザックリまとめましたね(笑)。
桜庭 「はい、好きな歌です(笑)。よろしくお願いします」
取材・文/南波一海(2012年12月)
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