アジアン映画祭ロサンゼルス2022で主演男優賞・主演女優賞など5部門にノミネート。主演に若手実力派の
奥野瑛太、ヒロイン役に唐
田えりかを迎え、草苅勲監督がメガフォンをとるハートフルな人間ドラマ『死体の人』が、2023年3月17日(金)東京・渋谷シネクイントほか全国順次公開となることが決定。あわせて、ティザー・ヴィジュアルとメイン・スチールが公開されています。
『死体の人』は、“まだ存在しない映画の予告編”で審査するユニークな映像コンテスト「未完成映画予告編大賞MI-CAN」の敗者復活戦「MI-CAN3.5復活祭」から誕生した作品。演じることにかける想いは人一倍強いものの、“死体役”ばかりの売れない役者の不器用な生き方を通して、理想と現実の折り合いをつけることの難しさを、そして“生きることと死ぬこと”という普遍的なテーマを草苅監督自身の俳優経験を活かして絶妙なバランスのユーモアとペーソスで描いたハートフルな人間ドラマです。
主人公の“死体の人”吉田広志を演じるのは、『
アルキメデスの大戦』(2019年)や『プリテンダーズ』(2021年)、『グッバイ・クルエル・ワールド』(2022年)などに出演し注目を浴びる若手俳優の奥野瑛太。作品のジャンルも規模も問わず幅広い活動を展開し、ドラマ『
最愛』(2021年 / TBS系)での好演も記憶に新しい演技巧者が、ひとりの人間の“生き様”をスクリーンに刻みます。そんな“死体の人”が、運命の出会いを果たすヒロインの加奈役を務めるのは、『
寝ても覚めても』(2018年)や『の方へ、流れる』(2022年)の唐田えりか。奥野を相手にした大胆かつ繊細な彼女の演技は観る者を魅了します。
このたび公開されたティザー・ヴィジュアルは、湖でボートに乗ったデート中のカップルに忍び寄る、溺死した“死体の人”を収めたコミカルな1枚。メイン・スチールは、頭に草刈り機を刺したまま、カメラが回るタイミングをじっと待つ“死体の人”を収めた1枚。どちらも死体役のプロとして、現場をまっとうしようとする主人公のおかしみが際立つヴィジュアルに。主人公は“死体役”というユーモアとペーソスのバランスが絶妙な人間ドラマに期待がふくらむ仕上がりとなっています。
[コメント]『俳優ってなんなんだろう』
僕自身何度も立ち返ってはぼんやりと考えます。
決して明確な答えを出すわけでもなく、漠然と「これはきっと楽しいはず」と自らに言い聞かせながら。
死ぬ事に似ているような気がしたり、それが生きる事に繋がっているような気がしたり。
その瞬間瞬間を生きる為に必死に死のうと全細胞を総動員させます。まるで死体の人のように。
この作品に出会って、たくさん反省しました。
もっとユーモアと愛情の眼差しを養うべきだったと、俳優としても人間としても。
草苅監督の不屈の温かい眼差しに、完敗でした。
たぶん、監督が僕の役を演じた方が100倍面白いし素敵です。笑
この作品を観て俳優業をやってみたいと思った稀有な人が現れたら、ちょっと嬉しいです。――奥野瑛太(“死体の人”吉田広志役)死体の人のオーディションを受けたのは、昨年の夏で、撮影は秋頃でした。
オーディションからの日々はあっという間でしたが、とても濃い時間でした。
主演の奥野さんのお芝居に圧倒されながら、
必死に、もがいて、全力で挑んだ現場です。
クスッと笑えて、泣けて、あたたかい、草苅監督の映画。
是非楽しみにしていてください。――唐田えりか(加奈役)がむしゃらに夢を追い続け、自分を信じて目の前の事に向かって過ごした日々。
いつの間にか月日は流れ、立ち止まって見てみたら、周りの人との差に気づき、何者にもなっていない自分がそこにいた。
人生は思い通りにはいかない。
それでも、勇気を持って次の一歩を踏み出す瞬間がある。その瞬間を描きたくて、この物語を書き出しました。
なぜだかとても温かくて笑えるものにできあがってしまいました。
真面目に生きるからこそ面白い。
そんな死体の人の生き様を、ぜひ観てやって下さい。――草苅勲(本作監督)©2022オフィスクレッシェンド