ハンク・ジョーンズや
ジミー・コブなどのレジェンドに愛され、
ロイ・ハーグローヴ・クインテットで日本人初、最後のレギュラー・メンバーだった、米ニューヨークを拠点に活動する実力派ピアニストの
海野雅威が、ニュー・アルバム『I Am, Because You Are』を5月24日(水)にリリースします。
2020年9月に新型コロナウイルス蔓延によるアジア人ヘイトクライムの犠牲となり、NYの地下鉄構内で集団暴行に遭遇。ピアニストにとって致命的と言える右肩骨折などの重傷に見舞われたものの、不屈の精神と懸命なリハビリで奇跡の復活。2022年3月に発表された復帰作『
Get My Mojo Back』は、故・
坂本龍一も「抒情的でありグルーヴィーでもある。何と言っても過酷な状況を乗り越えて、真に演奏する喜びに溢れているアルバムだ」とのコメントを寄せるなど、生命力と歓びに満ちた内容で、ジャンルを超えて幅広いリスナーにアピールしました。
復帰第2弾となる本作は、大ケガの際に支援のためのクラウドファンディングを立ち上げるなど、多大なサポートをしてくれた
ダントン・ボーラー(b)と
ジェローム・ジェニングス(ds)とのレギュラー・トリオによる作品。前作同様、全曲、海野雅威のオリジナル曲で構成。深い信頼関係に基づいたレギュラー・トリオならではの以心伝心のインタープレイが大きな魅力となっています。
また本作は、数多くのジャズの歴史的名盤が生まれた聖地、ニュージャージーのヴァン・ゲルダー・スタジオにて録音。海野は名匠
ルディ・ヴァン・ゲルダーが生涯最後(2016年)に録音したピアニスト。今回はルディ唯一の弟子であるモーリーン・シックラーが録音を担当。ブースに入らず同じ部屋で編集のきかないライヴ感を大切に録音。トリオの一体感や天井の高いスタジオの自然な響きを捉えています。さらに、これまでにグラミー賞を11回獲得している名エンジニアのジム・アンダーソンがミックスを手がけています。
前作に続き本作も、海野にとってジャズと出会うきっかけとなったピアニスト、
オスカー・ピーターソンもかつて在籍したヴァーヴ・レーベルからのリリースとなり、アルバムに先がけて5月10日(水)には「アフター・ザ・レイン」が先行デジタル・リリースされます。
なお、海野雅威は、5月に開催される新世代ジャズ・フェスティバル〈LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL JAPAN 2023〉への出演が決定。シンガー・ソングライターの
藤原さくらをスペシャル・ゲストに迎えたステージを披露します。さらに、6月にはピアニストの
林正樹との初のコラボ・ライヴが神奈川・ビルボードライブ横浜で決定しています。
©John Abbott