この度、監督・杉本大地、主演・
金子大地、出演・
村上虹郎、
河合優実、藤江琢磨らによるオリジナル映画『モダンかアナーキー』が、7月1日(土)に東京・シアターイメージフォーラムにて2週間限定上映で劇場公開が決定。
2019年夏、コロナ禍前に撮影された本作は、険しい道のりを経てついに今年の夏に劇場公開が決定しました。監督とかねてより交流のあった俳優仲間たちが筆頭になり、「商業作品の真似事ではない感性に訴える映画を作りたい」という目標を掲げ、『モダンかアナーキー』の映画製作は始まりました。今話題の俳優たちが当時、スケジュールの合間を縫い監督の元に集い、夜な夜な撮影を敢行。監督と同世代の俳優たちとで登場人物のキャラクター造形や撮影のアイデアなどを互いに出し合うなどディスカッションを重ね、共に作品を模索していく中でこの映画が完成しました。
本作の監督を務める杉本大地は、『あるみち』(2015)で第37回PFFぴあフィルムフェスティバルのグランプリを審査員満場一致で受賞。その後、第28回東京国際映画祭を経て、当時史上最年少で第66回ベルリン国際映画祭フォーラム部門へ出品を果たし話題を呼んだ新進気鋭の若手映画監督です。
また、本作の主演・コウ役を務めたのは、『猿楽町で会いましょう』(2021)で映画初主演を務め、同年には第13回TAMA映画賞で最優秀新進男優賞を受賞、近年ではNHK大河ドラマ『
鎌倉殿の13人』(2022)で源頼家を演じ、その圧巻の演技で絶賛を浴びた金子大地。金子が演じるコウ役の冷淡な言動をする一方で繊細さも内包するような難しい役柄を見事に演じきっています。そして、この映画の要となる、謎の転落死を遂げたスケボー少年の新垣(あらがき)役を務めたのは、『
孤狼の血 LEVEL2』(2021)で第45回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞し、Netflixドラマ『今際の国のアリス』シリーズ(2020-2022)、NHK連続テレビ小説『
カムカムエヴリバディ』(2021)や現在公開中の『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』(2023)の羽宮一虎役など話題の作品に出演中の村上虹郎です。本作で村上が演じる新垣役は地元のスケボー仲間から一目置かれる破天荒で危険な存在。村上が演じる新垣の狂気を孕んだ演技には目が離せません。そんな新垣に恋をする少女・ハナ役には『
サマーフィルムにのって』(2021)、『由宇子の天秤』(2021)で数々の映画祭で新人賞を総なめにし、今年初主演を飾った『
少女は卒業しない』(2023)や『
PLAN 75』(2022)、『ちょっと思い出しただけ』(2022)など話題作に引っ張りだこの、業界最注目の俳優、河合優実が抜擢されました。河合は持ち前の抜群のセンスと身体能力を活かし、劇中で芯を食った細やかな演技とダイナミックな身体表現を見せ、素朴なハナ役にも鮮烈な印象を残しました。そして、新垣に憧れるスケボー仲間でもあり、密かにハナに想いを寄せるフジ役を務めたのが藤江琢磨です。ストリートカルチャー雑誌『Ollie』の表紙や、ラッパーの
田我流の楽曲「Changes」のミュージック・ビデオなどで主演を務め、今年公開予定の主演作『PLASTIC』、『LONESOME VACATION』なども控えています。藤江は普段からスケートボードで遊んでおり、そのスケートボード・シーンは一層説得力があります。特に彼の鍛え抜かれた肉体で全力疾走をするシーンに注目です。
本作では、謎の転落死を遂げたスケボー少年の死をめぐる、どこか冷たく、刹那的な少年少女の日常が生々しく描かれます。過剰な演出を省いた俳優たちの迫真の演技と監督独自の世界観に是非ご注目ください。
[コメント]3年前に撮影したモダンかアナーキー、この度やっと公開が叶い、感無量です。
監督キャストほぼ同世代で作りました。
若さとエネルギーが迸る作品になったのではないかと思います。
是非その熱量を体感しに劇場へ足をお運びください。――金子大地撮影から4年を経て完成した今作を見て、皮膚を直に触ってくるような生々しい映像を一片ずつ削りとった跡に、必死に物語の姿を浮かび上がらせようとする試みに再び胸が熱くなりました。
杉本さんの鋭い感覚に確かに魅せられながら、夜な夜な皆で集まって撮影をしていました。私にとって、身体と頭と心と言葉を使って、人と一緒に映像で何かを語ろうとするという、映画という遊びの原風景だった気がします。
劇場で公開する機会をとても嬉しく思います!多くの人に届けば良いなと思います。――河合優実まずは皆さんにお披露目できること、大変嬉しく、ありがたく思います。
監督と役者、みんなで話し合いながら、遊びながら、一緒に時間を過ごして作ったのを覚えています。
色んなことを欲しがる役でした。
好きな人、憧れの存在のそばにいること。
青春のせいにして、やっておくべきことはやっぱりあるなと思いました。
今の時代を生きる人たちが、この作品を観てどんな風に感じるのか?気になるところです。――藤江琢磨何の志もなく、心も体もどこへも持って行き場のなかった10代の頃の気持ちや、出来事を元にこの作品の構想をはじめました。あの時の負のエネルギーとでもいうのでしょうか。
容赦なく湧き出てきて、与えられているのか、それとも奪われているのかさえわからない。
ある意味、俗に言う黒歴史の類であり、一番不毛な時代だったとも言えるのですが、僕はまだそれと共生しているように思えるのです。
何か一つでも、感覚的に受け取って頂けたら光栄です。――監督: 杉本大地©2023 Daichi Sugimoto