ECMの元プロデューサーとして数々の作品に携わってきたサン・チョンが主宰するRED HOOK LIMITEDから、2つのニュー・アルバムが9月中旬に発売されます。ひとつは、レーベルからの第4弾となるBlankFor.ms（エレクトロニクスほか）、ジェイソン・モラン（p）、マーカス・ギルモア（ds）という異色トリオのアルバム『Refract』。もうひとつは、レーベルが始動させる新シリーズ「LIBELLULE EDITIONS」からの第1弾、ジョン・レイモンド（tp ほか）とショーン・キャリー（vo ほか）によるプロジェクトのアルバム『Shadowlands』です。

　デジタルとアナログを融合し、アンビエント×フリー・ジャズの幽玄な世界へ誘う『Refract』は、電子音楽家でテープ・ループのスペシャリストであるBlankFor.msと、マッカーサー・フェローのピアニスト、ジェイソン・モラン、そしてドラマーのマーカス・ギルモアの奇才を組み合わせて作り上げられた環境音楽集。ピアノやドラムとリアルタイムでエレクトロニクスを作用させ、その場で録音したループをさまざまなエフェクトでリズムの中に再注入することで、これまでにほとんど聴いたことのないサウンドとエネルギーを生み出しています。

　『Shadowlands』はトランペット奏者のジョン・レイモンドと、ボン・イヴェールでジャスティン・ヴァーノンの片腕として活躍するション・キャリーが、アーロン・パークス（p）、Gordiことソフィー・ペイテン（vo ほか）、デイヴ・デヴァイン（g）、ベン・レスター（ペダルスティール ほか）、ジェレミー・イルビサーカー（g）、クリス・モリッシー（b）、ジェレミー・ベッチャー（b）、クリス・トムソン（クラリネット ほか）を迎えて制作したアルバム。2019年から実験を重ねて、緻密に作られ、キャリーの美学が持つ温かさと美しさ、レイモンドの即興的で自然発生的な性質が融合した、多彩な楽曲集となっています。