人気アーティスト“
MOROHA”の
アフロが初主演を務め、家族の再生を描いた映画『さよなら ほやマン』が、11月3日(金・祝)より東京・新宿ピカデリーほかで全国ロードショー。このたび、オールキャスト情報とあわせて、ポスター・ヴィジュアル、場面写真、特報予告映像が一斉公開されています。
人気バンドのMC、フレッシュな次世代のスター、ベテラン名優陣、そして日本のカルチャー界を代表する豪華な布陣が名を連ねる本作。主人公のアキラを演じるのはバンド“MOROHA”のMCとして知られるアフロ。音楽好きの若者から絶大な支持を得るMOROHAには著名人の熱烈なファンも多く、これまでドラマ・シリーズ『
宮本から君へ』(
真利子哲也監督)のエンディング・テーマ(ミュージック・ビデオは
行定勲監督)や、映画『
アイスと雨音』(
松居大悟監督)では、劇中に登場する形で熱のこもったパフォーマンスを繰り広げたことも記憶に新しいです。
制作側からの熱烈オファーと、映画の熱いメッセージ性に深く共鳴し、自分がやらねばと運命を感じて『さよなら ほやマン』で映画初主演を決心。そして、このたび発表されたオール・キャスト。本作のヒロインで、都会から石巻の島にやってくるワケありの漫画家・美晴を演じるのは
呉城久美。NHK連続テレビ小説や大河ドラマに数々出演し、舞台「裏切りの街」や
櫻井翔主演のドラマ『
大病院占拠』などで注目される若手実力派が、初のヒロイン役に挑んだことについて「大切な作品に出会うことができました」と語る通り、充実の一作だったことを窺わせます。
主人公のアキラの弟のシゲルを演じるのは、本作が俳優デビューとなる黒崎煌代。2022年に実施された役者オーディション〈レプロエンタテインメント30周年企画「主役オーディション」〉で合格を勝ち取り、
趣里主演の2023年度後期のNHK連続テレビ小説『ブキウギ』に大抜擢された、いま最も注目される新星です。本作では、生まれつき障がいを抱えながらも明るく生きるシゲルという難役に挑みます。黒崎は、本作が俳優デビュー、映画初出演となったことについて、「とても誇らしく、有り難いなという気持ちでいっぱい」と語ります。
さらに、フレッシュな次世代のスターたちに加え、
津田寛治、
松金よね子といったベテラン名優陣が、若者たちを見守る島の住民に扮して作品世界に豊かな厚みを与えます。そして、NHK『
あまちゃん』『いだてん』の音楽を担当した
大友良英が劇伴を担当。さらに、エンディング・テーマは、日本の伝説的なバンドである
BO GUMBOSの名曲「あこがれの地へ」であることが発表されています。
本作が長編デビューとなる庄司輝秋監督は「ふるさとを育み、そして奪った美しい宮城の海に、この映画を思いっきりぶつけたい」とコメントで語る通り、故郷・石巻への熱い想いを胸に、宮城県石巻市網地島オールロケ撮影で挑んだ本作。撮影が終わる頃には「登場人物たち同様に、監督である私も自分の人生を取り戻せた気がした」と語ります。
製作を手掛けたのは、『
ぐるりのこと。』(
橋口亮輔監督)『
だれかの木琴』(
東陽一監督)『
蝶の眠り』(
チョン・ジェウン監督)などのシグロと、『
岸辺の旅』(
黒沢清監督)『
子供はわかってあげない』(
沖田修一監督)『
土を喰らう十二ヵ月』(
中江裕司監督)などのオフィス・シロウズ。良質な映画を多く世に送り出してきた両社の初タッグにも注目です。
また、このたび公開となったポスター・ヴィジュアルは、ほや漁師の主人公アキラと弟のシゲルが大漁旗を持って跳ねているエネルギッシュな1枚。「ぼろっぼろだけど最高の愛」と書かれたコピーには、この兄弟と漫画家の出逢いがある奇跡を起こし、家族の再生を描いてゆく様が想像されます。デザインを手掛けたのは『
岬の兄妹』(
片山慎三監督)や、大ヒットを記録中の『リバー、流れないでよ』(
山口淳太監督)など、邦画作品のヴィジュアルにも定評のある三堀大介(Siren Inc.)。さらに、公開となる30秒の特報予告では、パソコンのモニターに向き合った兄弟が、何やら映像をアップしている様子が映し出され、大友良英の劇判音楽を背景に、島に現れた青髪の漫画家や謎の着ぐるみを纏ったキャラクターなど、断片的な映像が繋ぎ出されていきます。世界に届く「ほやマン」とは一体何なのか……。続報にご期待ください。
[コメント]昨年の夏、私はこの大切な作品に出会うことができました。映画に関われる喜びにみちみちた日々は、紛れもなく人生一番の幸せな時間で、なんだか生き返った気がしました。何度でもあの夏に戻りたくなって、いまだに寂しくなることもありますが、『さよなら ほやマン』があの時間をちゃんと残してくれてるんだろうと思うと、すごくほっとします。どうか沢山のひとに届きますように。――呉城久美(高橋美晴役)映画『さよなら ほやマン』阿部シゲル役の黒崎煌代と申します。本作は宮城県・網地島の方々の多大なるご協力のもと制作されました。約三週間の撮影期間ずっと島民の皆様の暖かさに感動していました。そんな暖かさで満ちた島の雰囲気がそのまま作品に投影されているように思います。また、本作は私の映画デビュー作であり、今後の活動の原点とも言える作品です。それが「さよなら ほやマン」だということがとても誇らしく、有り難いなという気持ちでいっぱいです。庄司監督の魂を先頭に色んな方々の魂が込もった作品となっています。私も込められる限り込めました。是非、劇場で観ていただきたいです。よろしくお願いします!――黒崎煌代(阿部シゲル役)もがくような熱量が、主演のアフロはじめ、今作のキャストとスタッフにはあった。その熱量が役柄と一体となってこの映画に魂を宿らせたのだと思う。3週間にわたる宮城・網地島での合宿生活は奇跡的なエネルギーと出会いに満ち、ラストシーンを撮り終えた際には、登場人物たち同様に、監督である私も自分の人生を取り戻せた気がした。とても晴れやかだった。「理屈に合わなくても、無茶苦茶でも、誰に何と言われても、まずは自分のやりたいことをやる」それこそが人生の輝きを取り戻すきっかけになると私は信じている。この映画が“もがいてみる勇気”を観た人に与えられたのなら最大の喜びである。最後に、ふるさとを育み、そして奪った美しい宮城の海に、この映画を思いっきりぶつけたい。感謝と畏怖を込めて。――庄司輝秋(監督・脚本)©2023 SIGLO/OFFICE SHIROUS/Rooftop/LONGRIDE