ドイツ音楽シーンの最重要人物のひとり、フェリックス・クービン(Felix Kubin)の初期作品2作品が、日本独占で再発リリース決定。早熟すぎた鬼才の12〜16歳の記録をまとめた『ザ・テッチー・ティーネイジ・テープス・オブ (The Tetchy Teenage Tapes Of)』と、フェリックス・クービンが12才で結成した伝説のエレクトロ・バンド、ディー・エゴツェントリッシェン2による『科学者たちの反乱(Der Aufstand der Chemiker)』が、「SUEZAN STUDIO」より2023年度版最新デジタル・リマスターを使用した完全限定プレス盤として11月30日(木)に同時発売となります。
1969年生まれ、本名フェリックス・クノート(Felix Knoth)。まだローティーンだった1980年代初頭から音楽活動を始め、若干12歳で友人と“ディー・エゴツェントリッシェン2”を結成。1990年代には伝説ともいえる未来派ノイズ・ユニット“クラングクリーク(Krangkrieg)”の片割れとしてアルバム・デビュー。1998年に自身のレーベル、ガガーリン・レコードからリリースされた1stソロ・アルバム『フィルムムジーク(Filmmusik)』が注目を浴び、国内外でその名をとどろかせることとなったフェリックス・クービン。SFポップ、ノイズ、アニメーション映画、ラジオ劇、ノイズ、過去作品のコンピレーション企画など、作品は多岐にわたり、ドイツ音楽シーンの現在を語るうえで不可欠な重要人物として知られています。
そんな鬼才の黎明期(1981〜85年)に残した音源を収めた『ザ・テッチー・ティーネイジ・テープス・オブ (The Tetchy Teenage Tapes Of)』は、まだ12歳でシンセサイザーを手にした幼気(いたいけ)なフェリックス少年による試行錯誤と悪ふざけ、そこに実験精神と幼児性がない交ぜになった初期衝動の歴史的記録。TVゲーム風のチープなサウンドからカトゥーン・テイストな世界観、同郷ハンブルクのパンク・バンド“アプヴェルツ (Abwärts)”のカヴァー・ヴァージョンなど、驚くほど多様なチャイルドフッド・エレクトロ作品集が日本初登場となりました。これらの音源は当時発売には至らず、2003年になって初めてアルバムとして編纂され、各方面から高く評価されました。さらに本作は過去にCD、LP、再編集盤LPの3種類のフォーマットが存在し、毎回収録曲が差し替えられていましたが、今回はクービン本人の監修のもと全26曲を補完した完全版でのCD再発となっています。
一方、クービンが12歳のときに、友人のシュテファン・モーア(Stefan Mohr)と結成した伝説のエレクトロ・バンド、ディー・エゴツェントリッシェン2の音源集『科学者たちの反乱』も日本初登場。ローティーンならではの無邪気さと残虐性がむき出しになった彼らのサウンドは当時から注目され、若干15歳にして行なわれた、クラウディア・シュナイダー・エスレーベン(
クラフトワークのフローリアン・シュナイダーの実妹)がハンブルクで 運営するギャラリー〈Möbel Perdú〉でのライヴは今も語り草に。当時、彼らの作品は公にリリースはされておらず個人的なカセット録音しか存在しなかったそうですが、2005年にオブスキュア・パンクやニュー・ウェイヴの再版で定評のあるレーベル「Was Soll Das?」から LPで初めてリリース。その驚愕の内容とリリース数の少なさから現在ではLPは高額な価格で取引されています。今回はLP未収録曲が追加収録され、LPの意匠を継承して蛍光色印刷でのCD再発となります。