“合歓ポピュラーフェスティバル”は、1969〜71年にかけて3回にわたって開催された音楽コンテスト。“作曲家”にスポットを当て、作曲家が作詞家と歌手を指名して新曲を披露するというスタイルで、日本から世界の若者たちにアピールする楽曲を生み出そうという気概に満ちたイベントでした。
このイベントではのべ94人の作曲家により119曲が発表され、「
翼をください」(作曲:
村井邦彦 / 歌:
赤い鳥)、「涙をこえて」(作曲:
中村八大 / 歌:
シング・アウト)、「出発の歌」(作曲:
小室等 / 歌:
上條恒彦+
六文銭)、「片想い」(作曲:
川口真 / 歌: 槇みちる)、「
地球は回るよ」(作曲:
東海林修 / 歌:
トワ・エ・モワ)など、現在でも広く親しまれている数多くのスタンダードソングが生み出されました。
そんな今や伝説となっている“合歓ポピュラーフェスティバル”参加曲より40曲をセレクトしたコンピレーションCD『涙をこえて/翼をください NEW POPS IN NEMU』が、1月25日(木)に発売。このCDには、今回マスターテープの発掘によりイベントの活気が伝わる貴重なライヴ音源が13曲収録されています。初CD化は14曲。日本のポップスの黎明期である50年以上前に誕生して今もなお古さを感じさせない斬新なメロディ、生演奏による迫力のあるグルーブ感を是非この機会に若い世代にも聴いていただきたいところです。
このCDは、ソニーミュージックショップのオーダーメイドファクトリーでの販売となります。
[3回連続参加された作曲家村井邦彦のコメント]合歓の郷では普段は忙しくてなかなか会えない作曲家同士が一堂に会して過ごす時間が楽しかった。当時僕はまだ20代半ばで若かったが、すぎやまこういちさん、服部克久さん、東海林修さん、鈴木邦彦さんなどの先輩作曲家たちに混ざってホテルで一緒に食事をしたり、酒を飲んだりしながら音楽談義を楽しんだ。
大先輩の中村八大さんとはゴルフをした。二人だけだったせいもあり、八大さんは自分の音楽人生をしみじみと語ってくれた。中学生の頃から憧れていた天才ジャズピアニストの八大さんの話は心に染みるものだった。
作曲家同士が互選する「参加作曲家賞」を僕と山上路夫さんが書いた「窓に明りがとも灯る時」がいただいたのだが、僕にとってこの賞はとても大事な賞で、今でもこの賞をとても誇りに思っている。