90年代前半に活動し、パンク、ヒップホップ、ジャズ、ファンク、ノイズ等々を偶発的に昇華させた、東京のアンダーグラウンド・ロックの最高峰とも言えるJAZZY UPPER CUTが残した2作品がCD復刻されます。
80年代初頭、
麿赤兒率いる暗黒舞踏集団「
大駱駝艦」の舞踏手、映画『
闇のカーニバル』(
山本政志監督)の主演、
JUNGLE’Sのヴォーカリストであった桑原延享が、1990年、盟友・
江戸アケミ(
JAGATARA)の追悼コンサート出演をきっかけに結成したJAZZY UPPER CUT。
メンバーは桑原延享の他、ジャズに留まらず国内外で幅広く活動している
石渡明廣、
早川岳晴、つの犬こと
角田健、
THE FOOLSの川田良、ジャズ評論家としても知られる寒川光一郎、
メルツバウの坂井原哲生、そして、世界的ターンテーブル奏者である
DJ KRUSHなどツワモノ揃いの11人。
当時はヒップホップに感化された大編成バンドとして
ビブラストーンと比較されることもありましたが、奇跡的なラインナップによる強靭な演奏と生々しく先鋭的な言葉は人脈的にも音楽的にも、暗黒大陸じゃがたら『
南蛮渡来』(1982年)やTHE FOOLS『
WEED WAR』(1984年)の潮流にあるものです。
彼等が残した全作品である、1stアルバム『JAZZY UPPER CUT』(92年5月発売)、92年12月の渋谷クラブクアトロ公演を収録したライヴ・アルバム『QUIET NIGHT』(93年4月発売)を復刻、2枚組CD『1992 Revisited』として5月22日(水)にリリース。マスタリング・エンジニアは中村宗一郎が手掛けています。
4月7日(日)には東京・新宿ロフトで発売記念ライヴを開催、CDの先行販売も予定しています。