クラシック音楽の音源にライムを乗せてパフォーマンスするクラシックとヒップホップのコラボレーション〈交響ラップ〜 クラシックとラップが挑む未知の領域 〜〉が、7月17日(水)に東京・サントリーホールにて開催されます。
〈交響ラップ〜 クラシックとラップが挑む未知の領域 〜〉は、およそ接点がなく、交わりが考えられない2つの音楽ジャンルがまさかの融合を果たすコンサート・ライヴ。参加するラッパーは、フル・オーケストラの生演奏“トラック”をバックにライムを刻んでいきます。
かつて
ベートーヴェンは
シラーの詩を元に第九の歓喜の歌を、
ドビュッシーはマラルメの詩をモチーフに多くの曲を制作。ラッパーはいわば現代の詩人。本イベントではクラシックの曲から、ラッパーたちが言葉を掘り起こし、紡ぎ出していく、という刺激的な試みとなります。企画・プロデュースは、クラシック音楽の新しい聴き方を提案するプロジェクト「爆クラ」を主宰する著述家、プロデューサー、おしゃべりカルチャー・モンスターの
湯山玲子が務めます。
第1弾出演者発表では、
呂布カルマ、
菊地成孔、
志人の参加が決定。これに対峙するクラシック音楽界からは、世界的に活躍する若手指揮者の代表格、
原田慶太楼。演奏はパシフィックフィルハーモニア東京が担当します。志人によるベートーヴェンの「ベートーヴェン / 交響曲第7番 イ長調 作品92 より 第2楽章」、菊地成孔による
林光による映画『
秋津温泉』より「ラストシーン・新子の死」が決定しています。
ラッパーにとっては超アウェイ環境のクラシック音楽界の殿堂、サントリーホールで、クラシックとヒップ・ホップという、いわば“混ぜるなキケン!”の両者の融合がどんな化学反応を起こすのか、今年度最大の注目イベント。
チケットは一般発売に先駆け、4月23日(火)より先行受付(抽選)がスタート。詳しくはオフィシャル・サイトをご確認ください。
[レコメンド・コメント]オペラ歌手がオーケストラをバックに歌うソロ・コンサートの歌唱部分が、ラップにすげ変わったようなスタイルを想像してみてください。ライム(詩)の世界観によっては、モノ・オペラのような表現が成立していくことでしょう。世界的に活躍し、オペラに定評がある指揮者の原田慶太楼が、そのタクトで二つのジャンルを切り結んでいきます。
言葉を持たないクラシック音楽が、時代のセンスに従って、ラッパーたちの言葉から、新たな響きを獲得する、刺激的な音楽の現場が、『交響ラップ』なのです。――湯山玲子