お笑い芸人“ぶらっくさむらい”として知られる武内剛の初監督作品、生き別れの父親を探す旅を記録したセルフ・ドキュメンタリー映画『パドレ・プロジェクト / 父の影を追って』が、8月31日(土)より東京・新宿K’s Cinemaほかにて全国ロードショー決定。あわせてポスター&予告編が公開され、
マシンガンズ滝沢、枡野浩一、矢野デイビッドら各界著名人からの全力応援コメントも公開されています。
本作の監督である武内は、日本人とカメルーン人の間に生まれ、“ハーフ”として日本で育ちました。イタリアで出会った両親は、彼が2歳になる頃に別れ、母は日本へ戻って女手一つで武内を育てることになりました。もちろん武内は父のことを何一つ覚えていません。「映画監督を目指していた」「DJをやっていた」……母の思い出話から浮かび上がるのはクリエイター気質の父の姿。その影を追うように、お笑い芸人・ぶらっくさむらいとしてエンターテインメントの世界で活動していた武内でしたが、2020年に予期しない契機が訪れます。「COVID-19」それは命を落とす可能性もある正体不明のウイルスの世界的なパンデミックでした。もしかすると、もう二度と父親に会えないかもしれない――そう思った武内は父を探すため、イタリアへ旅立つことを決意。さらには、その記録を自ら監督・プロデューサーとして映画にすることに。しかし緊急事態宣言の只中、渡航のハードルは高く、認知症の母から聞き出せる父の情報は驚くほど少なかったのです。手元にあるのは40年前の父の写真だけ。10日間という限られた滞在期間、イタリアの人口・約130万人の中から会ったこともない一人の肉親を探し出すのは予想以上の困難を極めました。自らの生い立ちにあらためて向き合いながら、異国の地で必死に捜索を続ける武内でしたが、ある日ついに父親の手がかりを掴んで……。
このたび公開となった予告編は、監督の武内がイタリア人の友人から「パドレは“父親”って意味よ」と教わるシーンから始まります。その後、イタリアのテレビ番組にビデオレターを送るため、武内は慣れないイタリア語で「僕の名前はタケウチゴウ。父親を探しています」とカメラに向かって語りかけます。「父を探す。自分を探す。」と挿入される言葉のとおり、“ハーフ”であることをコンプレックスに感じ、アフリカ人の父の影を遠ざけるように日本で生きてきた武内にとって、この〈父親探し〉はあらためて自分のルーツに向き合う旅でもあります。旅に出る決意をしたあと、花束を持っておとずれたのは老人ホームにいる母親の面会。今回の旅の目的を告げる武内と、それを穏やかな表情で聞く母の、2人の間に流れる優しい空気が印象的です。しかし、当然ながらイタリアでの父親探しは思うようには行きません。父をたずねる先々で、「父親を探していることは秘密にしろ」「どうしてここに入った?」と咎められる緊迫の場面もカメラは映し出されます。予告編のラストには、捜索が行き詰まった武内が思わず涙する様子も捉え、結末のわからない旅を見守りたくなるような映像となっています。
また、公開されたポスターは、胸に映画のタイトルが刻まれたTシャツを着てイタリアへ渡った武内の、これから始まる旅に対する期待と不安の入り混じった表情を切り取ったもの。手にしているのは、「この人を知っていますか?」とイタリア語で書かれた紙と父親の写真。「一度でいいから、会いたい。」と添えられたコピーからは、父の影を追い求める武内の切実な思いが感じられるヴィジュアルとなっています。
映画の制作の背景について、武内は「“パドレ・プロジェクト”は物心ついた頃から心の片隅にあった」と語ります。お笑い芸人としては、「日本人には見えない外見」を武器にしていた武内でしたが、10〜20代前半の頃は出自について笑われるようなことを受け入れる余裕は少しもなかったといいます。そんな武内が自らの旅を映画に撮った理由の一つは、ドキュメンタリー映画監督になるためにイタリアの映画学校に通っていたという父の夢を継ぐため。そして、もう一つには自分と似た境遇で悩みや問題を抱える人に届けたいという強い想いがあったといいます。しかし、制作にあたっては資金集めが必要となり、2022年にCAMPFIRE上でクラウドファンディングを行なうと、目標金額100万を上回る1,345,500円を集めることに成功。そして今回の全国公開にあたっては、配給・宣伝費を集めるために再びクラウドファンディングを実施し、目標金額200万を超える2,646,500円を集めました。
また、日本公開に先駆けては、2023年にニューアーク国際映画祭でワールドプレミアを果たし、デトロイト・トリニティ国際映画祭、ボルティモア国際黒人映画祭など、海外の映画祭でさまざまな賞を受賞。初監督作品にして、その意欲的な姿勢で異例の快挙を成し遂げました。その後、日本では座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルで初上映され、武内のまっすぐな人柄や行動力、映画のラストに待ち受ける結末が審査員や観客の心を揺さぶり、その評判からテレビや新聞などメディアで次々と取り沙汰されました。2024年には、唐津ライジングサン国際映画祭でゴールデンサン賞を受賞。そして今回、2024年8月31日(土)より新宿K’s Cinemaを皮切りに、満を持しての全国公開を迎えます。
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『パドレ・プロジェクト― 父の影を追って ―』2024年8月31日(土)より東京 新宿K's cinema ほか全国ロードショー
padreproject.jp配給: ミカタ・エンタテインメント