9月20日(金)より東京・新宿ピカデリー、東京・シネスイッチ銀座他にて全国順次公開する
呉美保監督、
吉沢亮主演の映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』。先月開催された第26回上海国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、6月21日にワールドプレミア上映を実施、現地でも高く評価された本作の本ポスター・ヴィジュアル、本予告編が公開されています。
2014年モントリオール世界映画祭ワールドコンペティション部門最優秀監督賞に輝き、第87回アカデミー賞外国語映画賞部門の日本代表作品に選出、そして2014年キネマ旬報ベスト・テン1位に輝く『
そこのみにて光輝く』の監督・呉美保が、9年ぶりの長編作品のテーマに選んだのは、コーダ(Children of Deaf Adults / きこえない、またはきこえにくい親を持つ聴者の子供という意味)という生い立ちを踏まえて、社会的マイノリティに焦点を当てた執筆活動をする作家・エッセイストの五十嵐大による自伝的エッセイ『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』。脚本を担当したのは『ゴールド・ボーイ』、『正欲』等を手掛ける港岳彦。そして、主演を務めるのは『
キングダム』シリーズ、『
東京リベンジャーズ』シリーズ等の話題作から、作家性の強い監督作等、幅広い作品に出演し、2025年には
吉田修一原作、
李相日監督『国宝』の公開が控える吉沢亮。本作では、耳のきこえない両親の元で育った息子・五十嵐大の心の軌跡を体現します。
さらに、吉沢亮演じる五十嵐大のろう者の両親を演じるのは、母・明子役に
忍足亜希子、父・陽介役に今井彰人。ろう者俳優として活躍する2人が溢れんばかりの息子への思いを見事に表現。そのほか
ユースケ・サンタマリア、
烏丸せつこ、
でんでんなど個性豊かな俳優陣が脇を固めます。
公開された本ポスター・ヴィジュアルは、主人公・五十嵐大(吉沢亮)が、故郷の宮城県に帰郷し、久しぶりに家族との時間を過ごした後、東京へ戻る前のひとときを切り取ったもの。本ポスターの撮影も、ティザー・ポスター同様、原作本の表紙を撮影した斎藤陽道が担当。「伝えられない想いが、あふれだす」というコピーとともに、数年ぶりに再会した母(忍足亜希子)との時間に少しぎこちなさを感じる息子と、息子と一緒にいることをうれしく思う母の表情が2人それぞれの想いを物語ります。
さらに、本予告編も公開。久しぶりに帰郷した息子・大(吉沢亮)を駅まで見送る、母・明子(忍足亜希子)。「親父とばあちゃんによろしく」「わかった」。きこえる息子ときこえない母が交わすのは手話での会話。2人にとっての日常も、子供のころの大にとっては「母のことが、恥ずかしかった」。母の話し方を友達から指摘され、「授業参観に来てほしくなかった」と手話で伝える小学生の大の姿や、高校受験期に自らの苛立ちのまま、「こんな家に生まれてきたくなかった」と思わず母にぶつけてしまう本当の気持ちと愕然とする母の表情などが点描のように映し出されていきます。そして「自分が何をしたいのか考える」と東京に行くことを家族に告げ、故郷から離れた大は、新たな出会いや違う環境の中で改めて“きこえる世界“と“きこえない世界”に生きる自分を見つめなおします。思い浮かぶのは少し年齢を重ねた母の後ろ姿、そして笑顔……母と息子、切なくも心に響く家族の物語が優しく伝わる予告編が完成しました。
©五十嵐大/幻冬舎 ©2024「ぼくが生きてる、ふたつの世界」製作委員会