2017年にリリースされたデビュー・アルバム『
Landmark 』が日本でも高く評価された、米・ミネソタ出身のインディー・ポップ・バンド、
ヒッポー・キャンパス (Hippo Campus)が、米のレーベル「Psychic Hotline」より新作アルバム『Flood』を9月20日(金)にリリース。アルバムより先行トラック「Paranoid」を公開しています。
アルバムが完成するまでの間、4人の幼なじみグループはさまざまな困難と向きあい、すべてを最初からやり直す必要がありました。アルバム『Flood』は、バンドがここ5年間に制作したものを放棄し、昨年秋にテキサス州との国境であるSonic Ranchにて長年のプロデューサーであるCaleb Wright(
チャーリー・ブリス 、
サミア )とブラッド・クック(
ボン・イヴェール 、
ワクサハッチー )と共に、わずか10日間、13曲を制作したものを収録。これらは、彼らの再生の記録でもあります。
実は、前作『
LP3 』の完成を祝った夜、彼らは愛する人が突然亡くなったことを知らされたとのこと。落胆や不安に打ちのめされ、人生を変えるような何かを創りださなければという使命感を持った彼らは、一緒に断酒し、グループ・セラピーを受け、100曲以上のデモを制作したのでした。
これまで10億以上の再生数を誇り、Red Rocksなどさまざまな会場をソールドアウトさせ、世界各地のフェス出演でも人気を高めてきたヒッポー・キャンパスですが、今回はこれまでのエクスペリメンタル・ポップや、力強いロックを追求しても、決して満足いかないものになるという懸念があったそう。そこで、プロデューサーとともに、バンドは今後どうあるべきかを試行錯誤し、先入観をすべて捨て、無理に傑作を作ることをやめ、純粋に自分たち全員が一番好きなものを追求することに。それからおよそ2週間の時間を経て、Jake Luppen、ギタリストのNathan Stocke、ドラマーのWhistler Allen、ベーシストのZach Suttonは、新作『Flood』を完成させました。
リリースから1ヵ月で各100万ストリーミングを獲得したシングル「Tooth Fairy」と「Everything at Once」に続く先行トラック「Paranoid」について、バンドは「これは野外で目を閉じた瞬間、まぶたに張り付いた太陽フレアのような楽曲だ。あまりにも長い間、無意識に自分に鞭を打ち続けた結果、何が残ったのか。わかったことは、すべての質問に答えがあるわけではないということだった」とコメント。
『Flood』はこれら楽曲を含め、自己批判からの赦し、扇動と裏切り、失敗した人間関係からどう立ち直っていくかなどを、彼らなりの視点で生々しく、無防備に、かつ微妙なキーやテンポで展開させていきます。これらを華麗かつ繊細に表現できるのは、彼らの唯一無二の音楽センスの為せる業でしょう。本作は、実存的な問い、そしてとどまることのない推進力を感じる「Paranoid」を筆頭に、脆弱性と強さが絶妙に交差した仕上がり。これは、子供の頃から同じ音楽、感情な言語を共有し続けてきた友人のグループだからこそ表現できる世界。長い間親密につながっていた4人が、一緒に音楽を作り続けられることができる特別感を持ちながらも、個人としてどう進化できるかを示した、壮大な作品となっています。
また、本作より既存のレコード・レーベルのシステムから抜け出し、
シルヴァン・エッソ の仲間らが設立した「Psychic Hotline」へ移籍した彼ら。今後は、〈ロラパルーザ・フェスティヴァル〉でのヘッドライナー・セット、HinterlandとMinnesota Yacht Clubでの公演、さらにキャリア史上最大規模のツアーを展開する予定です。
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