音楽評論家の佐藤英輔が、新刊『越境するギタリストと現代ジャズ進化論』をリットーミュージックから9月20日(金)に発表します。管楽器や鍵盤楽器が主流のジャズにおいて、ギターはジャズをどのように現代化させてきたのか。その過程を克明に描いた論考です。
60年代後期以降、ジャズという表現が多様化し指し示す意味が広がる過程において、エレクトリック・ギターはその変化を肯定する楽器として多用されてきました。本書では「ギターは王道ジャズにおいて傍系の楽器であった」という視点から出発し、他ジャンル語彙も抱えた越境するギタリストがジャズの現代化を図る過程を描かれます。米国ブラック・ミュージック史におけるジャズの再考、
マイルス・デイビスや
オーネット・コールマンら先駆者たちに重用されていく過程、オルガン・ジャズにおける位置付け、ECMレコードによる重用、
レディオヘッドからの影響などを通じて、これまでのジャズの正史では語られることのなかった視点で論じられます。