ヴィジュアル系バンドに出会って、自分自身と葛藤しながらも成長していく姿を描いた青春ストーリー『V. MARIA』(読み : ヴィイマリア)の映画制作に加え、モデルで俳優の菊地姫奈が主演を務め、
宮崎大祐が監督することが決定しました。
本作『V. MARIA』は、創立30周年を迎えた制作プロダクションのメディアミックス・ジャパン(MMJ)の新たなるチャレンジとして、20〜30代の若手写真を対象に劇場用映画企画のプロデュースの機会を与えるプロジェクト「M CINEMA」の第1弾。昔からヴィジュアル系バンドが大好きだった小澤プロデューサーが、「現在元気のないヴィジュアル系シーンを盛り上げたい!」との熱い想いから発案。普段はバラエティー番組の制作を担当し、ドラマ・映画の制作経験がないにもかかわらず、誰よりも早く企画書を提出し、プレゼンでもヴィジュアル系の魅力を熱弁する姿が映画化決定に繋がったといいます。小澤プロデューサーは、「私にとって“ヴィジュアル系カルチャー”は、“痛みや悩みを共有して癒してくれる、背景関係なくみんなが1つになれる”場所でした。人生の節目で寄り添ってくれる“Visual Rock”リスナーの1人として、そんな“場所”を増やしたい、無くしたくないという思いで、今回この映画を立案させて頂きました」と本作に込めた想いを明かします。
主人公の女子高生・マリアが、亡き母がヴィジュアル系バンドが好きなバンギャルだったと知り、母が残した遺品からヴィジュアル系バンドという存在に出会い、楽曲やヴィジュアル系カルチャーに興味を持っていく中で、亡き母の軌跡をたどりながら自己を見つめ、成長していく姿が描かれます。懐かしの90年代ヴィジュアル系バンドのCDやポスター、グッズ、バンギャルたちの姿、実在する伝説のライヴハウスなども劇中には登場する予定で、ヴィジュアル系バンドへのリスペクトと愛が詰まった作品を目指しています。
メガフォンをとるのは、米軍基地の町を舞台にした新世代音楽青春映画『大和(カリフォルニア)』やリベンジ・ポルノの被害にあった在日韓国人女性の悲劇を描いた『VIDEOPHOBIA』などを手掛けてきた宮崎大祐監督。宮崎監督は「放課後のチャペルで出会ったきらびやかで凶暴な音楽は、わたしを瞬く間に表現の世界へといざなった。そこで出会ったアーティストたちが教えてくれた美学や哲学はわたしを広い世界へと導いてくれた。あの日から30年間重ねた想いをどうにか90分の歌にして、世界中に届けられたらと思う」とコメントを寄せています。
映画単独初主演を務めるのは、モデル・俳優として活躍の場を広げている菊地姫奈。映画『遺書、公開。』や実写ドラマ・シリーズ『【推しの子】』のアザミマコ役、ドラマ『ウイングマン』など話題作への出演が続き、注目度急上昇中の若手俳優。本作の撮影に向け、菊地は「今回、初主演のお話を頂き、マリアと言う大切な役を演じさせて頂ける事を大変嬉しく思います。今では自分のプレイリストに入れてしまうほど“ヴィジュアル系バンド”の虜になっています」と語り、「“ヴィジュアル系ロック”が大好きな方にはもちろん、今日までなじみのなかった方にも是非1度観て頂きたい、そんな作品です。マリアの1番の理解者になりながら、マリアに寄り添い、作中での細かな心情の変化など一つ一つ丁寧に考え、最高の作品にできたらと思います」と、11月上旬からのクランクインに向けて意気込みを見せています。
[コメント]今回、初主演のお話を頂き、マリアと言う大切な役を演じさせて頂ける事を大変嬉しく思います。
物語のカギとなっている「ヴィジュアル系バンド」は私自身、今まで深く触れた事がなかったジャンルでした。
この台本を初めて読み、「ヴィジュアル系」に強い興味を持ちました。
あまりなじみのなかった音楽のジャンルでしたが、そこには深い歴史があり、最高の音楽がありました。
そして、今では自分のプレイリストに入れてしまうほど「ヴィジュアル系バンド」の虜になっています。
今回の作品は「ヴィジュアル系ロック」を通して、家族愛や友情、学生ならではの悩みや葛藤など、登場人物一人ひとりの細かな心情の変化を丁寧に描いています。なので、「ヴィジュアル系ロック」が大好きな方にはもちろん、今日までなじみのなかった方にも是非1度観て頂きたい、そんな作品です。
この作品を観た後には、どこか懐かしさを感じながらも前向きな気持ちになって頂ける、そんな物語になっていると思います。
クランクイン前でありながら、既に緊張しておりますがこの緊張を糧に、より良い作品を皆様に届けられるように精一杯向き合い、頑張りたいと思います。
マリアの1番の理解者になりながら、マリアに寄り添い、作中での細かな心情の変化など一つ一つ丁寧に考え、最高の作品にできたらと思います。是非、ご覧ください。――菊地姫奈「ヴィジュアル系」と呼ばれる音楽シーンが全盛期を迎えてからおよそ30年。日本発の文化として根強い海外人気はありますが、国内においては時代の変化と共に少しずつ影を潜めている印象があります。老舗のライブハウスが続々と閉店し、CDでしか聴けない往年の名曲や名盤はネットの片隅にその居場所を移し、新しい世代のアーティストやリスナーも生まれづらくなっています。一方で、LUNA SEAやX JAPANをはじめ、その文化の礎を築き、独自のロックを奏でて活躍されているアーティストたちに憧れ、入口として「ヴィジュアル系カルチャー」に触れる若者や、新たな表現へと昇華している方々もいます。形を変えながらも歴史を積み重ね、若者の「青春」をいまだ紡いでおり、私もその音楽に魅了され青春時代を過ごした一人でした。私にとって「ヴィジュアル系カルチャー」は、「痛みや悩みを共有して癒してくれる、背景関係なくみんなが1つになれる」場所でした。人生の節目で寄り添ってくれる「Visual Rock」リスナーの1人として、そんな「場所」を増やしたい、無くしたくないという思いで、今回この映画を立案させて頂きました。監督をはじめ、「Visual Rock」シーンを愛する様々なご関係者のみなさまのご協力を得て、映画というエンタメを通じて、ヴィジュアル系カルチャー、バンドを愛するファンの皆さん共に、音楽だけが持つワクワクやトキメキを届けられればと思っております。――小澤友美 プロデューサーすべての大切なもののなかでも、どうして好きかわからないものが一番大切だ。どうして好きかわかるものはたやすく人と共有できる。だがどうして好きかわからないものの好きな理由は、わたしにしかわからない。だから、どうして好きかわからないものは、わたしの存在を規定していると言ってもいい。そんなことを考えていたある日、この企画のお話をいただいた。
さかのぼること30年ほど前、放課後のチャペルで出会ったきらびやかで凶暴な音楽は、わたしを瞬く間に表現の世界へといざなった。そこで出会ったアーティストたちが教えてくれた美学や哲学はわたしを広い世界へと導いてくれた。芸術は果てしない。表現は狂おしい。だから命を賭してでも打ち込む価値がある。例え今はその尖り方ゆえに理解してくれる人がいなくても、世界のどこかにはかならず耳をすませてくれている人がいる。
そのときわたしに降り注いだ音楽がなぜ好きなのかはいまだに説明ができない。だがなんだかわからないけれど大好きなあの音楽とともに今日も生きているという点において、宮崎大祐は今日も宮崎大祐であり、表現をつづけられている。あの日から30年間重ねた想いをどうにか90分の歌にして、世界中に届けられたらと思う。――宮崎大祐 監督