短編小説的音楽に注目が集まる、美大出身のニュー・ウェイヴ・バンド、BOND LOST ACTが、年を跨いだ3ヵ月連続配信の第2弾「デフォルトモードネットワーク」を1月8日(水)にデジタル・リリース。本作は、HIP LAND MUSICのデジタルディストリビューション&プロモーションサービス「FRIENDSHIP.」がデジタル・リリースをサポートしています。
2024年12月にリリースされた彼らの新境地となるビート&ディストラクティブな「うしろのしょうめんだあれ」のひとつなぎの作品である今作「デフォルトモードネットワーク」。「今、僕は語ろうと思う。」と言わんばかりのシュプレヒコールのように鳴り響くオーセンティックなシンセサイザー。軽快なリズムたちに軽々しく誘われ、見えた光景は残酷で途方もなく続く地下街でした。
BOND LOST ACTはブルーピルとレッドピルの間のパープルピルを選んだ結果、地下街に迷い込んでしまったようです。地下街はまるで我々の脳神経のようにイタズラに、能動的に、無意識に、都会に血管をめぐらせていました。深淵を切り裂く電子音。乱立された音の粒は毛細血管を滲み伝って脳を拡張させました。彼らのシグネチャーであるニュー・ウェーブ的な様式を、歪に絡み合う和声とうすら明るいグルーヴが助長させ、永遠の散歩の足取りを軽くして、運びました。
この音はサイケではない、しかしサイコではあります。BOND LOST ACTは“裏返った世界”で自らのバルネラビリティと対峙しました。
より緻密に、全ての音を360度展開したWide versionを今回も提供します。
また、3ヵ月のリリース後にリリース・パーティを兼ねた自主企画を開催するとのこと。詳細はX、公式HPをフォローしチェックしてください。
[コメント]「いつか、何かを取り返しに東京のアンダーグラウンドに迷い込まなければいけないと思ってたから」
フロントマンの龍磨は繊細なトピックスだと感じさせるように、始めた。
「全ての異常は日常の延長線上にある。それを音で表すことにいつも四苦八苦しているのだけれども。本作では『正しさ』という漠然としたものを探し求めて地下鉄の入り口から地下街を歩き出し、何十年も抜け出せない男の話を描いています。連続した他の作品にも共通しますが、題名や固有名詞をある種の装置として置いています。僕はこれをみて逃げ出した日常や派生する惨劇、苦悩、そこから愚かなる答えを見出します。あなたは何が見えますか?」――BOND LOST ACT