ジャズ・ピアニストの
高田ひろ子が、初のピアノ・ソロ・アルバム『Crystallize』を〈D-musica〉より2月26日(水)にリリースします。
高田ひろ子は大阪府出身。5歳からピアノを学び、ジャズ奏法を
高瀬アキに、作曲法を二橋潤一、
松平頼暁に、現代音楽ピアノ奏法を
平尾はるなに師事しています。1995年に高田ひろ子カルテットを結成、98年に『a song for someone』でアルバム・デビューし、近年は、
小美濃悠太(b)、
岩瀬立飛(ds)とのトリオや
安ヵ川大樹(b)、
橋本学(ds)とのトリオ、
Noriko Suzukiや
類家心平らとの“Be-spell”、
さがゆき(vo)とのユニット“
Peaceful Dreams”などを中心に活動。2023年にはPeaceful Dreamsで『
Try your wings』をリリースしています。
「空間と時間を、思うまま扱う楽しさがある」と本人が語る本ピアノ・ソロ・アルバムは、ピアノ調律を息子である大矢恵琉馬が担当。録音、マスタリングは岩瀬と小美とのトリオで2022年に発表した『
秋音』に引き続き、五島昭彦を迎えています。ジャズスタンダードやオリジナル楽曲を横浜市・長浜ホールの静謐な空間で録音しました。“録音の中で最もjazzy”というスタンダード「It's Easy to Remember」をはじめ、シジュウカラを題材に、『秋音』に収録された「1003」に続くオルゴールのような曲「Parus Major Minor」、エヴァンスの美しい曲「Turn Out the Stars」、トリオでもカルテットでも演奏した「もうすぐ海」のソロ・ヴァージョン、
ポール・マッカートニー「My Love」などを収録。心の琴線に触れる、奥行きと潤いのある高田ひろ子の世界が見事に結晶化された、9つの珠玉の楽曲が揃っています。
[高田ひろ子セルフライナーノート]Solo Pianoでは、空間と時間を、思うまま扱う楽しさがあります。
孤独かといえば、そうでもないです。音が音を呼んで来るので、音と遊んでいます。それにすっかり委ねることができれば、とても幸せな時になります。
1.It's Easy to Remember・・・好きなバラードの1曲。今回の録音の中で最もjazzyになりました。
2.Es muss sein・・・Noriko Suzukiをリーダーとして集まったミランクンデラの小節「存在の耐えられない軽さ」音楽化計画の中で12曲書いたうちの1曲。It must be〜そうでなくてはならない、とベートーヴェンが楽譜に走り書きを残していたと、小説の中にある。何度も出てくる印象的な言葉。
3.Parus Major Minor・・・シジュウカラのこと。庭のひまわり食堂にやって来る。部屋の中から双眼鏡でバードウォッチングも幸せの時。1003に続くオルゴールのような曲。ピアノをぽろぽろ弾いているとこのようになる。
4.Quiet Now・・・大好きなDenny Zeitlinは、写真家でワイン収集家で精神科医。いつピアノを練習するのでしょうか。この曲は長年よく弾いている。まったく飽きません。
5.Clystalize・・・「結晶化する」液体と固体の境目。核ができてそこから結晶化が始まる。自然の想像を超える現象に感動する。
6.Turn Out the Stars・・・エヴァンスの美しい曲。お父さんが亡くなったときに書いたという。悲しみがあふれているよう。
7.I Fall in Love too Easily・・・よく演奏する大好きなバラード。すぐに惚れてしまう、もう学ばないとなあ、なんて反省しているふりの歌詞が付いている。
8.もうすぐ海・・・カルテットとトリオのアルバムにも収録している。もうすぐ海だ!のうきうきそのままの曲。一人でもやってみた。
9.My Love・・・Paul MacCartneyの曲。4度のmajor7thからふわーっと始まるなんて!