フランス生まれのピアニスト、
ジャン=エフラム・バヴゼ(Jean-Efflam Bavouzet)が、2025年に生誕150周年を迎えた作曲家
ラヴェルのピアノ独奏曲を弾くCD2枚組『ラヴェル:ピアノ曲全集』を4月11日(金)に発表します。
ラヴェルは自己批判的で慎重な作曲家でしたが、発表された作品の完成度は非常に高く、その多くが現在も演奏・録音され続けています。彼自身はヴィルトゥオーゾ・ピアニストではなかったものの、高度な技術を要するとともにピアノの演奏効果や表現力を見事に活かした作品を作曲。バヴゼはこれを奇跡にたとえています。また、ラヴェルは自身のピアノ作品を管弦楽曲化することも多く、演奏家にとって多様な作品解釈の可能性を開いてきました。
このアルバムにも収められているラヴェルのピアノ曲の多くには、鐘の響き(「鐘の谷」「絞首台」)、水の流れ(「水の戯れ」「海原の小舟」)、スペインの影響(「グロテスクなセレナード」「道化師の朝の歌」)、そして彼がとくに好んだ、舞踏としてのメヌエット(5曲作曲)など、生涯を通じて彼を魅了したテーマが反映されており、バヴゼは、ラヴェルにスパイス感、シューベルトに通じる寂寥感、オーケストラのような色彩感を読み取ると語っています。