英・サウス・ロンドン出身のR&Bアーティスト、ジェイムス・ヴィッカリー(James Vickery)が、Red Bull Recordsとの契約後初となるシングル「Hotel Lobby」を3月14日にリリースしました。
米・ロサンゼルスで制作され、Malik 95とMosaicがプロデュースを手がけた「Hotel Lobby」は、ボサ・ノヴァのリズムを取り入れ、彼の音楽性を形つくった感情をありのまま表現した作品。
ダニエル・シーザーや
サブリナ・カーペンターといったアーティストに影響を受けているというサウンドは、自由で軽やかな雰囲気を放ちながらも、愛、憧れ、自己受容といった内省的なテーマを描いています。また、この楽曲では自身の内に新たに見いだした自信が、卓越したヴォーカル、パフォーマンスとともに表現されてます。
ジェイムスは楽曲について「自分のコンフォート・ゾーンを抜け出し、普段なら歌わないような楽曲に挑戦したかった」と語り、「Malik 95とMosaicが作り上げた、不思議で素晴らしいギター・ループを聴いたとき、ずっと温めていたコンセプトを思い出しました。それは、あまりにも情熱的な一夜を過ごし、その熱がホテルのロビー階にまで響き渡るというアイデア。最終的にはChloe Angelides と一緒に書きあげたのですが、驚くほど自然にできていた。こういうプロセスでできた楽曲は、本当にいい音楽なのだと思う」とコメントしています。
また、Olivia Lifungulaがディレクションしたミュージック・ビデオは、楽曲の歌詞にこめられた生々しい感情とベッドルームの情熱を余すことなく映しだした、美しい映像に仕上がっています。
ジェイムスは、8歳のときに命に関わるコレステアトーマ(真珠腫性中耳炎)と診断され、片耳の聴力を完全に失いましたが、発話をサポートするために招かれたヴォーカル・コーチが、彼の驚くべき歌唱力を発見し、音楽の道へ進むことになりました。ジェイムス・ヴィッカリーのYouTubeチャンネルに公開されているドキュメンタリー『Louder』では、その壮絶な人生や経験が赤裸々に語られています。また、ウェールズ人の父と南アフリカ人の母を持つ彼のルーツにもスポットライトを当て、彼のアイデンティティに対する理解を深める作品に。ジェイムスは「少し前に気づいたことですが、多くの人が僕の音楽がどこから来るのかを必ずしも理解していないって。僕にはずっと少し恥ずかしく感じていた過去があった。それは悲しいことでもありますが、音楽業界には僕のような症状を持つ人がほかにみあたらなかったからかもしれませんね」とコメントしています。
Olivia Artwork