「UN-APEX」は、現在数々の動画配信サービスで1位にランクインする人気TVアニメ『俺だけレベルアップな件 Season 2 -Arise from the Shadow-』のエンディング・テーマ。期間限定通常盤(Anime盤)はアニメ描き下ろしのLPジャケット仕様で、English ver.も収録。初回生産限定盤(Leveling盤)は7インチ紙ジャケ仕様で、収録曲「UN-APEX」のTKをはじめ、ベースの吉田一郎不可触世界、ドラムのBOBOの音量レベルが“S級”まで謎にブーストされた「TK Leveling ver.」「吉田一郎不可触世界 Leveling ver.」「BOBO Leveling ver.」、そしてTKが単身でロンドンへ制作に行った合間にMetropolis studiosで録音された「誰我為 (Acoustic version at Metropolis studios)」が収録されます。
あわせて、Season1&2で音楽を担当している澤野弘之と、Season1のエンディングで楽曲プロデュースも行なったTK from 凛として時雨の夢の対談が実現し、YouTubeにて公開。国内外から高い評価を受けるふたりの、コンポーザーとしての楽曲制作に対する考え方や実践などをうかがい知ることができる貴重な対談となっています。
[澤野弘之×TK from 凛として時雨 対談記事 (ライター:金子厚武)] >>>お互いの印象・共通するルーツ
TK:澤野さんは楽曲提供でもご自分のプロジェクトでも特徴的なリズムを使う印象が強くあって、澤野マジックみたいなのがずっと地鳴りのように鳴ってるんですけど、その中にいろんな個性のあるボーカリストが並んでいても、ちゃんとその人の個性がブーストされていて、その人たちが自由に泳いでるみたいな感覚があって。僕も自分のプロジェクトだけじゃなく、楽曲提供とかをやっていく流れで、自分の味を出しながらもプロデュースさせていただくボーカルの方がどういうふうに変化していくかは常に考えている部分でもあるので、そこの生かし方はやっぱりすごいなって。しかも本当にいろんなタイプのアーティストさんをゲストに迎えていて、最終的にASKAさんまで行っちゃってるわけじゃないですか(笑)。CHAGE and ASKAは自分の音楽人生の中でものすごく大きいんですよ。一時期、凛として時雨のSEがずっと「SAY YES」だったんです。
澤野:そうなんですか!
TK:CHAGE and ASKAは新曲が出たらすぐ8センチCDを借りに行くみたいな感じだったので、あのASAKさんとのコラボレーションは凄まじいなって。澤野さんの軸がちゃんとあるんですけど、ASKAさんほどの歌になってくると、それを飲み込もうとしてくるというか(笑)、大きな うねりみたいな感じになっていて、こういうコラボレーションは面白いなって、すごく勉強になりました。
>>>澤野弘之とK-POPアーティストのコラボレーション ――Season 1のオープニングテーマ「LEveL」ではSawanoHiroyuki[nZk]名義で韓国の5人組ボーイズグループのTOMORROW X TOGETHERとのコラボレーションが話題を呼びました。
澤野:前情報として、『俺レベ』が世界で注目されているのは感じていたので、海外の方たちが聴いてもかっこいいと思ってもらえるサウンドを作りたいなと思いました。そういう中でTOMORROW X TOGETHERとコラボすることになって、彼らは世界で活躍しているボーイズグループなので、アニメに寄せて曲を作ることも重要かもしれないですけど、TOMORROW X TOGETHERと一緒にやるっていうことをちゃんと意識して作りたいと思ったので、ダンサブルなアプローチで制作していけたらいいのかなと。ただ普通のダンスミュージックになっちゃうと今度は作品と離れすぎちゃうかもしれないので、バトルの勢いをどうやって出そうかと思ったときに、自分はサウンドトラックでもわりとパーカッションを多用してオーケストラっぽい曲を作ってたりするので、この曲にもパーカッシブなアレンジを加えることで、作品のバトル要素とか、オープニングの勢いみたいなものに繋がっていけばいいのかなと思いました。
TK:実はたまたま制作に入る前に先に澤野さんのデモを聴かせていただいて、多分それは歌詞を書いてる方が仮歌を歌ってるものだったと思うんですけど、このデモがどういうふうになっていくのか、TOMORROW X TOGETHERの声がどう乗っかってくるのか、すごく気になってたんですよね。K-POPのサウンド感は独特なので、日本のアーティストにゲストで入ってもらうのとは仕上がりが結構違うのかなと思って。で、出来上がったものを聴いたときに、声の太さや華やかさで、こんなに世界観が変わるんだなって、すごくびっくりしたんです。
澤野:自分は最初に曲を作っているときはそこまでボーカリストのことは考えてないんですけど、でもここにTOMORROW X TOGETHERの声が乗っかったら、エッジもあるけどちょっと爽やかに感じる部分が出てくるだろうなっていうのは想定した部分です。サビはヒュニンカイさんとテヒョンさんが歌われているんですけど、テヒョンさんは結構がなって歌ってくださっていて、ヒュニンカイさんもエッジを立てて歌ってくださってて、そのアプローチは自分が求めていたものでもあるけど、まさかこんな感じで返ってくるんだっていう、嬉しさもありました。
TK:Season 2の澤野さんの楽曲(LiSA「ReawakeR (feat. Felix of Stray Kids)」。澤野が作曲・編曲を担当)にしても、LiSAさんはもちろん、僕もともとフィリックスさんの声すごいなと思ってたんですけど、歌がこんな風に入って来るのかって、結構びっくりして。LiSAさんのあの突き抜けるハイトーンに対して、下がドンと入ってくることによって、楽曲のレンジ感がものすごくワイドに感じる。もともと澤野さんのオケはワイドレンジで作られてる印象があるんですけど、下を声で埋めるっていうのは僕的にはすごく斬新で、LiSAさんとのコントラストの付け方も、ものすごい秀逸だなと思いながら聴かせてもらいました。