渋川清彦が教頭先生役で主演、『
教誨師』『
夜を走る』の
佐向大監督の最新作『中山教頭の人生テスト』が、6月20日(金)より東京・新宿武蔵野館、東京・YEBISU GARDEN CINEMAほかにて劇場公開決定。あわせて、メイン・ヴィジュアル&特報が公開されました。
本映画は、山梨県のとある小学校を舞台に、校長になるための昇進試験を控えるごく平凡な教頭先生が、さまざまな個性を持った児童や教師、保護者、そして自身の家族との関わり合いの中で、少しずつ成長していくさまを描くヒューマン・ドラマ。教頭の中山晴彦が、ひょんなことから5年1組の臨時担任を務めることから物語は始まります。かつては熱血教師だった彼がクラスを受け持つのは、ずいぶんと久しぶりのこと。しかし、どこにでもあるような小学校の、どこにでもあるようなクラスは、じつは問題ばかり。そんな児童たちの日常に寄り添っていくうち、晴彦にもささやかな変化が訪れます。
主人公の教頭先生・中山晴彦を演じるのは、1998年に『
ポルノスター』で俳優デビューを果たして以降、日本映画界を支え、牽引し続けてきた渋川清彦。『
夜明けのすべて』や『
箱男』での妙演も記憶に新しい彼が本作では、真面目な性格で周囲に流されやすく、校長には頭が上がらず、愛娘にも邪険に扱われる、そんなどこか頼りない教頭先生を好演。渋川が体現する等身大の中年男性像は、この社会で他者と共生する私たちにとってある種の象徴的な存在としても映るかもしれません。
純真無垢なように見える子供たちが作り上げる“小学校”とは、ひとつの社会。その外側から眺める景色と、内側に入り込んで触れる実態には大きな差があります。人間というのは、そんなに分かりやすい単純なものではないし、それは子供も大人も同じ。誰だってときには間違いを犯してしまうこの社会において、聖人君子なんているのか――。
大杉漣の最後の主演映画『教誨師』が数々の映画賞を受賞し、続く『夜を走る』が多くの映画ファンに衝撃を与えた佐向大監督が見つめる“人間”の姿、そして中山教頭が「人生テスト」の中で導き出す言葉たちは、観る者の心を優しく揺さぶることでしょう。
[コメント]「先生や大人がこうしなさいって言うことは全部まちがってる」
っていうこの強烈なセリフがあらわす佐向監督の想いというか眼差し。
中山晴彦として言えたような気もしてます。
なにが本当か嘘かよくわからない情報の多い現代。
流されず流れてゆく。心は自由だ。
佐向監督の映画が多くの人に届いてほしい。
是非、映画館でよろしくお願いします!――渋川清彦誰もがお世話になったはずなのに、いったい何をする人なのかよく知らない教頭先生。
かく言う私自身、顔もまったく覚えてません。この映画はそんな、なんだか影の薄い教頭先生を主人公に、子供たち、親たち、先生たちが繰り広げる人間ドラマです。
あたりまえですが、子供は純粋なんかじゃないし、汚れきっただけの大人もいません。
皆、生きるのに精一杯で、だからこそ嘘をついたり励まし合ったり、何かを必死に信じたり捜したりするんだと思います。なにが正しいのかさっぱり分からなくなった今、この映画が皆さん一人一人にそっと寄り添う存在になればうれしいです。――佐向大©2025映画『中山教頭の人生テスト』製作委員会