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米ミシシッピの家族バンド“アニー&ザ・コールドウェルズ”、魂を揺さぶるディスコ・ゴスペル作を発表

2025/04/28 14:36掲載
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米ミシシッピの家族バンド“アニー&ザ・コールドウェルズ”、魂を揺さぶるディスコ・ゴスペル作を発表
 アメリカ南部ミシシッピ州ウェスト・ポイントにて、元ステイプルズ・ジュニア・シンガーズの母・アニーを中心に結成された家族バンド“アニー&ザ・コールドウェルズ”(Annie & The Caldwells)が、約20年の歳月をかけて完成させたアルバム『Can’t Lose My (Soul)』を、デヴィッド・バーンのレーベル「Luaka Bop」より6月13日(金)にリリースします。

 本作の録音の舞台となったのは、彼女たちの地元教会。家族全員が揃い、生演奏一発録りで吹き込まれたその音は、まさに“生きたゴスペル”と呼ぶにふさわしい仕上がりです。

 アニー&ザ・コールドウェルズのルーツは、1970年代にアニーが兄たちと共に活動していたティーン・バンド“ステイプルズ・ジュニア・シンガーズ”にさかのぼります。ある教会イベントでその歌声に衝撃を受けたギタリスト、ウィリー・ジョー・コールドウェル・シニアと運命的に出会い、2人は結婚。やがて子どもたちや教子たちも巻き込みながら、音楽と人生を重ねる家族バンドを築き上げていくことに。アニーが「私の家族が私のバンドなの」と語るように、彼女たちの歌には誕生、病、裏切り、赦しといった、日々の現実がそのまま映し出されています。

 また、本作を象徴するのが、娘・デボラが書いた楽曲「Wrong」。結婚生活での葛藤と赦しを赤裸々に描いたこの曲には、母アニーと妹アンジェシカが「間違ってた!」と呼応し声を重ねる場面も。そこには、家族のリアルなダイナミズムと、女性たちが人生と信仰を通じて語る真実が表現されており、アニーのファッションブランド「Caldwell Fashions」や、デボラによるステージ前のヘアメイクも、音楽と一体となった“女性の力のヴィジョン”として本作に色濃く反映されています。

 アルバムをプロデュースしたのは、アーティスト、シンケイン(Sinkane)としても知られるアフマド・ガラブ。ナッシュビルから機材を運び込み、教会の裏部屋を即席スタジオに改装して録音は行なわれました。フェラ・クティやファミリー・ストーンを彷彿とさせるファンク・グルーヴ、カーティス・メイフィールドを思わせるスロー・ジャムなど、曲ごとに表情を変えながらも、どこまでも一本筋が通った作品に仕上げています。

 ガラブは「まるで、自分が存在するずっと前からここにあった自然の力の前にいるような感じだった。彼女の声は身体的で、まるで彼女の魂から来ているかのようだ。彼女の人生のあらゆる部分、旅の小さな片鱗が、彼女が奏でる一音一音に感じ取れる。それは純粋な才能で、努力も気取りもなく、ただただ本物で、あるがままなんだよ」と録音を振り返っています。

 アニー&ザ・コールドウェルズの音楽は、日々の祈り、家族の会話、そして南部の生活の中から育まれたもの。ベースは長男ウィリー・ジュニア(フォークリフト運転手)、ドラムは末っ子アベル(病院送迎ドライバー)。保険会社勤務のアンジェシカ、美容師のデボラ、小学校教師のトニ――昼間は別の顔を持ちながら、夜になると音楽で一つになる家族。彼女たちが奏でるのは、“暮らし”そのものと言えます。作られた“ヴィンテージ感”ではない。生きている音楽、現場の温度、そして声なき声の力。聴き手の心にそっと火を灯す、今だからこそ鳴らされるべきサウンドを是非体感していただきたいところです。

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■2025年6月13日(金)リリース
アニー&ザ・コールドウェルズ
『Can’t Lose My (Soul)』

beatink.com/products/detail.php?product_id=15012

[収録曲]
01. Wrong (feat. Deborah Caldwell Moore)
02. Can't Lose My Soul
03. I Made It
04. Don't You Hear Me Calling
05. I'm Going To Rise
06. Dear Lord
07. I Made It *Bonus Tracks
08. Wrong *Bonus Tracks
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