2006/12/08掲載(Last Update:08/03/31 17:57)
以前にも
お伝えした
大友良英が音楽を担当し、
田口トモロヲ主演により、
足立正生が35年ぶりに手がけている新作映画『幽閉者・テロリスト』。この映画が来春にロードショーが決定し、大友良英、
ジム・オルーク、
PANTA、
パードン木村らによる
オリジナル・サウンドトラック(HEADZ-88 \2,500(税込)も来年1月10日にHEADZよりリリースされることになりました。
映画『幽閉者・テロリスト』は1972年に起こったリッダ空港(テルアビブ空港)事件の主犯格、岡本公三をモデルに、“死んでオリオンの三連星”になれなかったテロリストMの孤独な闘いを克明に描いた作品。実際に日本赤軍に共鳴し、革命に参加した経験を持っている足立監督。日本映画界では60年代の生ける伝説と称される監督が35年ぶりに世に放つ衝撃の新作です。物語は“林檎の花”をモチーフにひっそりと詩的とも言える映像が、大友良英、ジム・オルーク、
秋山徹次らによる繊細なギターの調べを伴って紡がれていきます。
アナーキーの
仲野茂や
流山児祥が演じる、保安隊長らによる拷問、Mの独房を“訪れる”革命家の“肖像”のPANTA、重信房子をモデルにしたと思われる長姉・女性リーダー役には
荻野目慶子。その荻野目の妖艶な魅力が、田口トモロヲならではといえる閉塞感や圧迫感、狂気と正気の狭間で何かが崩壊していく演技がぶつかりあう、美しい問題作。
大友良英のもと、前述のアーティスト以外にも伝説の劇団“東京グランギニョル”の飴屋法水やラディカルなサンプラー奏者として世界的に活躍するSachikoM、現代音楽/実験音楽の刀根康尚が参加し、映画全編でフィーチャーされる音楽は映画と同様に美しく、心のどこかを逆なでする気配を余韻を残します。その一方、ほのかなぬくもりをも感じさせており、素晴らしい完成度となっているのですが、なんと映画完成後に改めてエンディング・テーマまでも差し替え、より映像と音楽が共鳴する作品にヴァージョン・アップしているとのことです。
■映画『幽閉者・テロリスト』
2007年お正月第2弾、ユーロスペースにてロードショー
■2007年1月10日発売
『幽閉者・テロリスト』OST
HEADZ-88 \2,500(税込)