2007/03/01掲載(Last Update:08/03/31 17:57)
1971年8月に成田空港建設反対闘争の“現場”三里塚で行なわれ、熱狂を巻き起こしたプロテスト・コンサート“幻野祭”。
ロスト・アラーフ(
灰野敬二)、
頭脳警察、
ブルース・クリエイションといった日本のロック重要人物たちに加え、
高柳昌行、
高木元輝、落合俊ら先鋭的フリー・ジャズ・アーティストも出演し、日本のロック/前衛ジャズ史に大きな足跡を残したといえるイベントです。その“幻野祭”での高柳昌行、森剣治、
山崎弘による“高柳昌行 ニュー・ディレクション・フォー・ジ・アート”の名演奏
『ラ・グリマ(涙)』(写真・dmh-113 \2,310(税込))が音源化、3月11日に発売されます。2003年に
『幻野・幻の野は現出したか〜'71日本幻野祭』というタイトルの実録DVD+2CDとして発売されましたが、その作品では演奏の冒頭部分(6分間)のみが収録されたという音源の完全版です。
この音源には“ニュー・ジャズ”に対し、拒否反応をしめす当時の観客からの冷やかし、野次、嘲笑、ブーイングも収録。演奏中もさまざまな物がステージへと投げ込まれたという、血気盛んで生々しい現場の空気も残されています。そんな状況を無視し、切断するかのように激しく披露されていく高柳らによるおよそ42分にわたる演奏……“集団投射”の模様が収録されています。“ニュー・ジャズ”幻の名演奏というだけでなく、70年代日本の記録としても大きな意味を持つこの1枚、お見逃しなきよう。