今、世間から熱い注目を集めている日本人ピアニストといえば、14歳の才女、小林愛実。彼女が演奏するモーツァルト:ピアノ協奏曲第26番の映像はYouTubeで115万ビュー越えを果たし、カーネギーホールで3度の公演、また今年8月にワルシャワで行われたショパン・フェスティヴァルでは、あのアルゲリッチよりも先にチケットが完売となるなど、まだ14歳にもかかわらず、日本、及び世界中で話題の存在に!
そんな彼女のメジャー・デビュー決定記念コンサート〈小林愛実 日本デビュー・プレミア・コンサート〉が、12月14日(月)東京・赤坂のサントリーホールで行われ、その確かなテクニックと表現力でマスコミ関係者や観客を大いに魅了しました。
来年2月10日にクラシックの名門レーベル、EMIクラシックスからアルバム
『小林愛実デビュー!』でメジャー・デビューを果たす小林愛実。その実力を是非確かめようと集まった満員の聴衆の中で行われたこの日のコンサート。1曲目となったベートーヴェン:ピアノソナタ第21番ハ長調作品53「ワルトシュタイン」では情緒豊かな世界を展開。ショパン:エチュード作品10−4、ショパン:マズルカ作品63−3、ショパン:スケルツォ第1番ロ短調作品20、そしてアンコールのショパン:嬰ハ短調遺作まで、大胆なタッチと繊細さをあわせ持った豊かな音の表現力と、全身を使って曲を表現するその演奏スタイルで聴衆に大きな感銘を与えました。
演奏が終了したあとは、司会に音楽評論家の伊熊よし子と、小林愛実の現在のピアノの師匠である二宮裕子を交えてのQ&Aも実施。アルバム・レコーディングの苦労話などを語り、また、好きな作曲家は?という質問には、「ショパンの楽曲は、自分が表現したいことをさせてくれる」「ベートーヴェンは、弾いているとその情熱を感じて、熱くなる」と、その優れた表現力の源は音楽の本質を感じ取れるすごさにあることを窺わせています。
その一方で、クラシック以外では
安室奈美恵や
東方神起が好きなことや、学校の教科では社会が好きで数学が苦手、また音楽以外で幸せを感じるのは食べている時と、寝ている時……などなど、14歳の中学生らしいエピソードも披露。さらには「ピアノの練習は嫌いだけどしなきゃいけない。(先生が)怖いし…」など、師匠である二宮裕子とのトークでは、掛け合い漫才のような会話も! 師弟の絆の強さを垣間見せつつも、会場を笑いの渦に巻き込んでいました。
ショパン生誕200年にあたる2010年、「ショパンが大好き」と語る小林愛実も、来年のクラシック界に大きな旋風を巻き起こすのでは。注目!