今週のジャズチャート、すごい事になってます！　まず昨年から洋楽チャートでも上位をキープし、ジャズチャートでは数ヶ月間1位を独占していたノラ・ジョーンズ(写真)が、何とここで4位にランクダウン！！　いやはや長かったけど、遂にノラの一党支配もここまで！　では代わりに1位に登場したのが、何とパット・メセニーの『ワン・クワイエット・ナイト』（初登場です！）。が、しかし！タダでは逝かぬよ！　パットのこのアルバム、ノラ・ジョーンズのカバー「ドント・ノウ・ホワイ」が収録されてるではありませんか！　こんな所にもノラの幻影が・・・。やはり恐るべしノラ・ジョーンズ効果！ちなみに、パットのギターで静かに奏でられるノラのカバー、切なくって良いのですが、今回のこのアルバムはバリトンギター1本のみのソロアルバムですよ！？　こんな特殊な作品が1位になるほど売れちゃうんだからパット・メセニーも凄いね！

　そして今週は初登場も多数で、その顔ぶれの多彩さに驚かされます！　2位にスタンダーズ・トリオ結成20周年を記念したキース・ジャレットのライブ盤！　3位はアルトサックスの王様、デヴィッド・サンボーンの3年ぶりの最新オリジナル・アルバム『タイムアゲイン』、そして4位に『ディレクション・ミュージック』に参加して高い評価を受けたロイ・ハーグローブの新ユニット“RHファクター”による強烈なダンス・アルバム『ハード・グルーブ』など、これがみんな初登場！　なんでドカッとまとめて出しますかね？　それぞれ1位になってしかるべきネームバリューと、それに恥じない内容の豊かな作品だけに、バッティングしたのが残念。さらに、さらに、来日も決まったハイラム・ブロックの新譜や、今は亡きリチャード・ティーの遺作『リアル・タイム』のまさかの再発！　そしてジョー・サンプルの『ピーカン・トゥリー』で人気を得た若手R&Bシンガー、リズ・ライトなど、11位まででも初登場がこれだけ多彩！　買う方もお金が持ちません！

　そして下層にはジョンスコが20位、意外にも地味な出足“ヒノテル”の次男、日野賢二の満を持してのデヴュー作『ワンダー・ランド』が19位、そして個人的にイチオシの松原正樹の『ヒューマリズム・ライブ』が16位でそれぞれ初登場！　さあ、来週はどうなりますか？　しかし、本当にフュージョン・ワンダーランドですな。