映画会社・大映のプロデューサーとして活躍した加賀四郎が独立プロを興し、昭和11年に製作した映画『舗道の囁き』のDVD化を記念したイベントが11月9日に銀座・十字屋ホールで行なわれます。
フレッド・アステアと
ジンジャー・ロジャースのミュージカル映画に憧れた加賀は、当時絶大な人気を誇ったタップ・ダンサーの中川三郎とジャズ・シンガーのベティ稲田を主演に迎えて映画を撮影しましたが、諸事情により上映されませんでした。その後、戦時中の空襲によりフィルムと資料が全焼。一度も上映されることのないまま、映画は歴史の闇に消えたと思われていましたが、20年ほど前にカリフォルニアのUCLAの倉庫からフィルムが発見されました。
これまでに数回上映しただけのこの幻の映画がついにDVD化。それを記念した今回のイベントは、第1部で『舗道の囁き』のダイジェストを上映するほか、ジャズ評論家の瀬川昌久さんの作品紹介や、瀬川さん、加賀四郎さんのご子息で演劇プロデューサーの加賀祥夫、中川三郎さんの長女の中川弘子さんのトークショー。第2部でジャズ・ライヴとタップダンスが披露される予定です。
幻というだけでなく、日本モダン・ダンス黎明期を支えた中川三郎のダンスや、
服部良一が手がけた音楽を、芦田満や小畑益男といった一流のミュージシャンを従えて歌うベティ稲田など、見所は満載。劇中に登場する十字屋での貴重なイベントをお見逃しなく!