geek sleep sheep 2012/11/12掲載(Last Update:13/08/20 11:52)
今夏、川崎クラブチッタで行なわれた
acid android主催ライヴ・イベント〈acid android in an alcove vol.5〉にてその姿を現した、
百々和宏(
MO'SOME TONEBENDER)、345(
凛として時雨)、そして
yukihiro(
L'Arc〜en〜Ciel)によって結成された新バンド
“geek sleep sheep(ギーク スリープ シープ)”。11月5日(月)に梅田クラブクアトロで開催された、彼らの大阪での初ライヴをレポートします!
geek sleep sheep
2012. 11. 5 Umeda CLUB QUATTRO
〜 オフィシャル・レポート 〜 ギター&ボーカルにMO'SOME TONEBENDERの百々和宏、ベース&ヴォーカルに凛として時雨の345、そしてL'Arc〜en〜Cielのyukihiroがドラムを担う、異色にして最強の布陣といえる3ピース・バンド、geek sleep sheepが、梅田クラブクアトロにて実質的な初ライヴを敢行した。“実質的”というのは、今年8月16日に行なわれたオールナイト・イベント〈acid android in an alcove vol.5〉ですでにゲリラ的ショート・ライヴを披露していたから。深夜の川崎クラブチッタを沸騰させたあの衝撃的ステージから約3ヵ月、今度は約50分のフルセットで再びオーディエンスを熱狂の渦に巻き込むこととなった。
定刻の19:00を少し回ったころ、揃いの白パジャマをまとったgeek sleep sheepが登場。すでにフロアは満杯で(中には物販でゲットしたと思われる「三匹の羊Tシャツ」を着込んだファンの姿も!)、SEをかき消すほどの大歓声がバンドを迎える。高まる高揚感のなか、百々のギター・ストロークを筆頭にグルーヴィなセッションがスタート。yukihiroの軽快なドラミングが心地よく観衆を揺らし、一転、重厚かつ狂気じみた3コードのグランジ・ナンバーが勢いフロアを加熱。続くMy Bloody Valentineのカヴァー「When you sleep」では、桃源郷へと誘うようなドラッギィかつドリーミィな景色を広げる。始動間もないとはいえ、さすがは歴戦のキャリアを積んだ猛者たち。そのアンサンブルは強固にして切れ味鋭く、百々と345のツイン・ヴォーカルも鮮やかなコントラストを描いて観る者を魅了する。また、3人の間にはバンドを無邪気に楽しんでいるような初々しいムードもあって、yukihiroが曲を勘違いして仕切り直すなど、微笑ましいシーンも見られた。
この夜プレイされた10曲のうち過半数がオリジナル曲で、いずれも80〜90'sオルタナティヴ・ロックからの影響を独自に昇華させたもの。中でも鋭角的なギターとトリッキーなリズムが印象的なナンバーと、ラストに披露された幻想的かつ躍動感に満ちた楽曲は、このバンドの無尽蔵のポテンシャルを感じさせた。「まだまだひよっこバンドなんで」と百々が謙遜気味に話していたが、あるいは今後とんでもないモンスターに化けるかもしれない――そんな胸の高鳴る予感すら抱かせて3人はステージを後にしたのだった。
geek sleep sheepのネクスト、次なるライヴ出演は、年末12月27日に日本武道館で行なわれるイベント〈DECEMBER'S CHILDREN〉。凛として時雨、
TK from 凛として時雨、
9mm Parabellum Bullet、
MUCCなど錚々たる共演者の中で3人がどんなステージを見せるのか、ぜひその目で目撃してほしい。(Text By 奥村明裕、Photo By 岡田貴之)