2003/09/30掲載(Last Update:08/03/31 17:57)
「綺麗な指してたんだね/知らなかったよ・・・」〜「私にはスタートだったの/あなたにはゴールでも・・・」。今なお、胸に刺さるドラマチックな名詞で、バブル期の恋愛を彩った名曲「何も言えなくて・・・夏」が発売されたのが1991年の事でした。この空前の大ヒット曲を生んだのが、結成20周年を越える大ベテランのロックバンド
JAY WALKでございますが、良質なAORが堪能できると知りつつも、正直な話「何も言えなくて・・・夏」以外、あまり聴いた事が無いと言う方も多いのでは??
そこで今回、リード・ヴォーカルの
中村耕一氏が、デビュー23年目にして初のソロアルバム
『Dearest』(BVCR-11058 \3,059(税込))を10月29日に発表するのですが、これが、邦楽ファンなら見過ごせない凄い作品になってるそうなので、ここにご紹介する次第です。
本当に聴き所満載の本作、作詞のほとんどはヒットメーカー川村真澄のペンによるもので、プロデュースは日本一ギターが上手いデュオ、
山弦の佐橋佳幸氏が担当! この方、レコード・コレクターズに登場するほどの豊富な洋楽知識を生かした、生音志向の素晴らしいプロデュースワーク多数なので、これだけで信頼して間違い無しですが、ソロデビューを祝うべく楽曲提供したアーティストがこれまた多彩で素敵!
まず目を惹くのが
GREAT3の
片寄明人氏が、シングルの発売も予定されていた「行き先のない風」等、2曲の書き下ろし新曲を提供! 最近ではポストロック的なサウンドに傾倒しているGREAT3ですが、中村耕一という素材を得て、本作では久しぶりに井上睦都実に楽曲を提供していた頃の、ポップ・ソング・ライターとしての片寄節が堪能できるのでは? ロッテン・ハッツからのファンは必聴でしょう! そして新作『座頭市』が好評な世界の
ビートたけし(北野武)氏が作詞、メロディーの鬼、
玉置浩二が作曲した名曲「嘲笑」や、素敵なオジサマですからして、想像するだけでドンピシャにハマりそうなエリック・クラプトン「Change the World」などなど、カバー曲も秀逸! もちろん、山弦と共に新録したセルフカバー「何も言えなくて・・・夏」もバッチリ収録してるのも嬉しいですね。
ナイーブな大人のための切ないロックアルバムです! セクシーなクリスタルボイスに耳を委ねて、じっくり聴き込んでみては? 幸せな一時になりそうですね!