2003/11/25掲載(Last Update:16/04/11 19:39)
70年代〜80年代を中心とした都市型ポップスにスポットをあてたコンピレーション『CITY POP』。現在では入手困難な音源を多数収録した、大手レコード会社4社合同企画の画期的なコンピレーションで、本日は
先にお伝えしたBMG編、コロムビア編に続いて、11月27日に発売されるワーナー編
『JAPANESE CITY POP』(WPCL-10052 \\2,520(税込))、ソニー編
『CITY POP SONY MUSIC edition』(MHCL-322 \\2,520(税込))(写真)の聴き所をご紹介します!
まずはワーナー編ですが、何と言ってもシティ・ポップス番長とも言える
山下達郎を抱えるワーナーだけに、山下達郎ファミリーのコアな音源にハァハァしてしまいます! とにもかくにも目玉は17曲目に収録された「潮騒」! この1曲だけに2,520円を払ってもいい!! 原曲は昨年発売された『レアリティーズ』に心揺さぶる素敵なライヴ・ヴァージョンで収録された、達郎の珠玉の名バラードですが、こちらは達郎の秘蔵ッ子、
村田和人によるカヴァーで、フジ・パシフィック音楽出版の創立25周年を記念して業界内だけに配布された非売品アルバムに収録された激レア音源! コーラスに
安部恭弘、木戸やすひろを迎えた豪華な共演で、ハートに突き刺さる泣きの名唱、名演に仕上がっています。
他にも、村田和人の音源はもちろん、その村田とデビュー前の
平松愛理(!)、
山本圭右などによる異色のヴォーカル・ユニット、
ハニー&ビーボーイズによる
シュガー・ベイブの人気曲「雨は手のひらにいっぱい」のカヴァーや、
坂本龍一プロデュースの『ROSE』で有名な
飯島真理からは「ガイ・ベネットの肖像」などなど玄人向けなナイスメロウがズラリ!
「やっぱりシティポップはワーナーだよなぁ〜」と思った矢先に、遅れてやって来た最後の大物、ソニー編! これがまた大手の名の恥じない素晴らし過ぎる選曲に当方慌てて前言撤回!
大滝詠一「君は天然色」、
ハイ・ファイ・セット「中央フリーウェイ」など、「何を今さら〜」的な大定番をあえて収録しといて、
桐ヶ谷仁、
五十嵐浩晃といった渋い80年代を入れてくるからたまりません! ADブギのテーマ「ほっとけないよ」や、
郷ひろみの「もぉ〜おぉ〜いやだよぉ〜」でお馴染みの天才ソングライター
楠瀬誠志郎が、こんなにもシティ・ポップだったなんて!と気づく「冒険者たち」。そして、これは嬉しい!今やソムリエに転職してしまった
野田幹子のキュートなリゾート・チューン「Travelin Heart」は、
ジミー・ウェッブの「UP UP & AWAY」を思わせる展開系極上ポップスだし、
ティン・パン・アレー/キャラメルママのオリジナル・アルバムに収録された
細野晴臣のとんでもない名曲「YELLOW MAGIC CARNIVAL」も、知らなかった
マナのカヴァー・ヴァージョンで収録してある!スゴイ!! 18曲目の
須藤薫と言えば、ユーミン&
筒美京平の最強タッグが提供した「やさしい都会」が有名なんですが、これには作曲/
杉真理、堀口和男、編曲/
マンタによる「涙のステップ」を収録! 他にも
金延幸子の名盤『み空』収録の名曲「あなたから遠くへ」の
渡辺満里奈による素敵なカヴァーなどなど。
・・・駄目だ、とても書ききれませぬ。これだけ字数を尽くしてもなお語りきれないシティ・ポップの魔力。ぜひぜひ聴いてみて下さい!