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『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』完全版OSTのために、加藤直之がνガンダムとサザビーを新たに描き下ろし

2014/04/25 15:18掲載
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『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』完全版OSTのために、加藤直之がνガンダムとサザビーを新たに描き下ろし
 オリジナル・アナログマスターからの最新リマスタリングとなり、初出時には未収録だった楽曲の収録に加え、初回生産限定盤には未発表の別テイク音源や、映画エディット・ヴァージョンなど貴重な音源も収録と、まさしく“完全版”の名にふさわしい豪華仕様で届けられるオリジナル・サウンドトラック・アルバム『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』完全版。

 その初回盤の、デジパック仕様3面透明トレイ下のために、1988年盤で「νガンダム」のジャケット・イラスト(写真)を描いたイラストレーターの加藤直之が、新たにイラストを描き下ろし! 作品は、1988年当時の幻のアクリル画「クェス・パラヤ」を中心に、2014年最新の描きおろしによる「νガンダム」、「サザビー」が左右に加わる、ハイブリッドなものとなるとか(現在、制作中)。また、このイラスト収録に際し、発売日が5月21日(水)から、6月11日(水)へと延期されることになりました。

 収録音源のリマスタリング作業も進行中。初回盤のDISC 2及び、通常盤ボーナストラックには“ニュータイプによる戦闘シーンに使用された楽曲”“コロニー「スウィート・ウォーター」からのネオ・ジオン艦隊進撃時の楽曲”“コロニー内の人々が歌う「我等が願い」のアコーディオンによる演奏音源”(歌唱は1988年当時のアフレコ収録によるため、サントラはインストゥルメンタルとなります。歌詞掲載予定)など、全10曲が映画劇中使用・オリジナル・アルバム未収録楽曲として収録予定。初回盤DISC 2には、さらに未発表の別テイクが10曲程度追加予定とか。

 初回同梱のブックレットは64ページとなり、膨大な設定資料の中から「νガンダム」「サザビー」に関する資料を完全掲載。こちらも音楽と共にたっぷりと楽しめるものとなりそう!

[加藤直之からのコメント]
仕事中にも気軽に音楽を楽しめるCDは僕の仕事に欠かせないアイテムだ。特に好きなのが映画音楽で、専用の手作りの棚に作曲家別に並んでいる。そんななか異彩を放っているのが26年前に発売された『逆襲のシャア』のサントラCDだ。

未開封のものまで含めて大量にある。それはジャケット(や特典ポスターの)絵を僕が担当したからなのだが、理由はそれだけではない。そのイラストを依頼されたとき、じつは僕はガンダムの無駄に大きな足や角ばった胴体を描きたくなくて、担当者を通して監督の富野さんに「描きたくないパーツは壊した状態で絵にしたいがかまわないか」と前もって確認してもらい、オーケーが出てから描き進めたのだ(僕は曲面を多用したザクのデザインのほうが好きなのだ)。
こうして描き上がった絵は、普段なら出てこないような珍しい構図になり、自分でもとても気に入っていたので、担当者にお願いしてCDの見本をたくさん貰ったのである。

今回、完全版の発売に合わせてむかし描いた絵をまた使いたいというお話がソニー・ミュージックからあり、自分が気に入っている絵をまた多くの人に見てもらえることがとても嬉しかったが、ただ昔の絵をそのまま再使用するだけでは芸が無いとも感じたのだった。

企画段階では3枚組のCDケースを水平に並べて収録した大きなボックスのアイデアもあったらしいが(これならジャケットは昔のLPレコードとほぼ同じ面積になる。昔は、LPジャケットはデザイナーやイラストレーターには格好の晴れ舞台だった)、最終的には今回の3枚を折り畳むようにしたCDトレイが採用されていて、そこに僕が目をつけたのである。

つまり今回のイラストのアイデアは、僕が自分から売り込んだものなのである。

映画音楽のCDを集めていることは最初にも書いたが、最近は毎日のように繰り返し聞いている『ゼロ・グラビティ』や『バトルスター・ギャラクティカ』のCDが、透明なトレイの下に上手く映画のシーンを配置してとても目立っていたことを思い出したのだ。

イラストの上にCDを固定する構造や、CDそのものが収まる円、CDを取り出すときに指をかける部分。それらの幾何学模様は、絵の上に置かれたとき特殊効果のような趣を持つに違いない。CDトレイのデザインと一体になったイラスト。制約があるほうが、普段なら描けないようなアイデアや構図、創作意欲を生むことが多い。これは楽しい仕事になるぞ。
こうしてアイデアを練りながらも、ひとつ心配なことがあった。面白い仕事は集中するもので、僕はそのとき『宇宙戦艦ヤマト2199』の画集発売に向けて必死にヤマトの絵を描きためているタイミングでもあった。しかしこんな機会や舞台はめったにないから多少スケジュールがキツくても、どうしても描きたい気持ちがあった。発売に向けてソニー・ミュージックのスタッフにはかなり迷惑をかけることになるかもという心配もあった。それなのにガンダムの絵に取りかかる前に、僕はまずヤマトの絵を一枚、仕上げねばならなかった。
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