新垣結衣を主演に、
アンジェラ・アキの名曲「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」をモチーフにしたベストセラー小説『くちびるに歌を』が待望の映画化。7月中旬に長崎県・五島でクランクイン、オール長崎ロケで8月下旬にクランクアップを予定しており、来年の2月より全国ロードショーとなります。
原作『くちびるに歌を』(小学館刊)は、2008年に〈NHK全国学校音楽コンクール〉の課題曲となった「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」の作者アンジェラ・アキが、全国の中学生に会いに行き直接対話をするというTVドキュメンタリーのエピソードをもとに書き下ろされたもの。ペンネーム“
乙一”としても活躍する
中田永一による本作は、2011年に出版されるや、青春小説の決定版として読者や書店員から熱烈な支持を受け〈第61回小学館児童出版文化賞〉を受賞、現在モリタイシによるコミカライズも『ゲッサン』で連載中の話題作です。
そして主人公“柏木先生”を演じるのは、映画、ドラマ、CMと幅広いジャンルで活躍する新垣結衣。田舎には似つかわしくないとびきりの美人なのに、愛車はぼろぼろのトラックで性格は教師とは思えないほどぶっきらぼう。中学の同級生だった音楽教師の代わりとして生まれ故郷の五島へ戻ってくる、天才ピアニストの臨時教員という役柄。
また、柏木先生と並んで重要な役割を担うのが、合唱部の生徒たち。全員が本作のためのオーディションで選ばれ、撮影前には半年間に及ぶ合唱練習を積み、この夏オール長崎ロケの合宿生活に挑みます!
さらに、柏木の親友で彼女を教員として呼び戻す産休間近の音楽教師“ハルコ”に
木村文乃、柏木に思いを寄せる同僚“塚本”役に
桐谷健太、合唱部員“サトル”の兄に
黒猫チェルシーのヴォーカリスト
渡辺大知、また
木村多江、
小木茂光、
眞島秀和、
石田ひかり、
角替和枝、
井川比佐志など、実力派キャストが脇を固めます。
監督には、『ソラニン』『僕等がいた』『陽だまりの彼女』と手がける作品が連続で大ヒット、今年は『ホットロード』『アオハライド』などの話題作の公開も控える
三木孝浩。温かく懐かしい抒情的な映像美と、繊細な演出力に定評がある当代随一の恋愛映画の名手が、青春の瑞々しさはそのままに、初めてラブ・ストーリーではない本格的な人間ドラマに挑みます。
エンディングを彩る主題歌は、この原作と映画が生まれるきっかけとなったアンジェラ・アキ本人による「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」。中学生たちによる数々の合唱シーンでは「手紙」はもちろん、「マイ・バラード」などの合唱の有名曲が聴けるのも見どころです!
[三木孝浩]今思えば、たわいのない悩みを抱えながら光ある場所を探して息を止めて必死でもがいていた10代の頃。アンジェラ・アキさんの「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」をモチーフにしたこの原作を初めて読んだとき、当時の自分の日記を見返しているような、こそばゆくて、ほろ苦くて、でもあたたかい不思議な気持ちが溢れて涙が止まりませんでした。舞台である五島列島の島々を渡る風に乗って届く、中学生達の瑞々しい合唱の歌声をイメージした時、ふっと心が軽くなりました。10代の痛みや悩みは誰もが避けて通れないものだけど、結局その答えを見つけられるのは自分だけなんだと思います。大人になった自分だからこそ、あの頃の自分へ伝えられるメッセージがある。手紙のかわりに、僕はこの映画をつくります。[中田永一]普通の小説は、作家がひとりで頭のなかで組み立ててゆきますが、『くちびるに歌を』は複数人で立ち上がったプロジェクトでした。この小説自体がまるで合唱のようにできあがっていきました。僕ひとりだったらそもそも執筆すらしていなかったでしょう。『手紙』や合唱という文化を映画にしたいという熱意を持った担当編集者や映画プロデューサーにより、僕は背中を押され、突き動かされました。だからまずは、担当編集者と映画プロデューサーにお疲れ様を言いたいです。この合唱に、新垣結衣さんが参加してしてくださるなんて、だれが想像したでしょう。完成がとてもたのしみです。[新垣結衣]今までは私が生徒として先生や先輩方に見守られる役だったのが、今回初めての先生側ということで、そんな年齢になったんだなぁということを改めて実感しています。ただ実際は、自分がイメージしていたよりもずっと中身は子供で、どんなに年齢を重ねようがその時その時で困難にぶつかることはあって、そんな心境や状況は柏木ユリやアンジェラ・アキさんの「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」という曲の歌詞にとてもリンクするなと思います。そんなわけで大事に撮影期間を過ごして行けたらなと思います。がんばります。[アンジェラ・アキ]「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」は、合唱コンクールで歌う中学生たちのために書き下ろした楽曲です。そして、色んな方々に歌っていただいたことによって、大きな翼が生え私から飛び立っていったような思いがする特別な楽曲です。コンクールを通して交流した若松島の中学生たちとのエピソードが、「くちびるに歌を」として小説化され、そして今度は映画化されると聞き、大変光栄な気持ちでいっぱいです。6年前、私は若松島に降り立った日のことを鮮明に思い出しました。その長崎・五島列島の美しい風景や、そこに暮らす大らかであたたかい人たちの姿が、映画になって心から嬉しく思います。この作品が一人でも多くの人に届くことを願います。(C)2015『くちびるに歌を』製作委員会(C)2011 中田永一 / 小学館