今年から米ABCにて放送がスタートした新TVシリーズ「よみがえり 〜レザレクション〜」(原題: Resurrection)。本国ではすでに第2シーズンの製作が決定している同作が、9月6日(土)より完全無料のBSテレビ局「Dlife」(
www.dlife.jp)にて日本での独占初放送がスタート。
“亡くなったはずの最愛の人が、ある日突然生きて戻ってきたら?”というテーマを軸に、普遍的な感情を描くヒューマン・ミステリー・ドラマとなっている「よみがえり 〜レザレクション〜」。ブラッド・ピット率いる「PLAN B」が製作を手がけていることや、日本語版エンディング曲に
GLAY「You」が起用されていることでも話題となっている同作。『キリング / 26日間』『ダメージ』などの緻密なストーリーテリングに定評あるアーロン・ゼルマンが監督を務めているだけに、初回から引き込まれること必至の内容となっています。
[主演 オマー・エップス インタビュー]――この番組のどういったところに惹かれましたか?また、エップスさんが考えるに、生き返った人々はどこから来たのでしょうか?宗教的なものでしょうか?それとも、エイリアン的なものが要因でしょうか? 「間違いなくエイリアンじゃないよ(笑)」――あなたの直感ではいかがですか? 「まず、この番組に惹かれた理由だけど、誰もが反応することだと思うけど、“生と死”を扱っているというところだよ。パイロット版におけるストーリーの構成の仕方や、アイディアがどこへ進んでいくのか、ということがとてもユニークだと思ったんだ。“生と死”という要素が、僕たちを本当に繋げているように感じたんだ。今までそういうことについて、今回の脚本を読むまで考えたことがなかった。どういうところから来た人かとか、何を信じているかとか、そういったことはまったく関係ないんだ。唯一言えることは、この部屋にいる僕たちはみんな今を生きていて、少なくとも肉体的には、いつかみんなここにはいなくなる、ということだよ。この考えは、とてもユニークで、うまく(番組を)作ることが出来れば、どの国で放送されても受け入れてもらえるものになるだろうと思ったんだ。これから世界中の人々の反応を見るのが楽しみだよ。
なぜ、何が、どのようにして起きたのか、という僕の理論だけど、正直に言って、これというものはないんだ。僕はそれについて、パイロットの脚本を書いたアーロン(・ゼルマン)やタラ(・バターズ)、ミシェル(・フェイゼカス)と話し合ったけど、それについての正しい答えはなかったんだ。アーロンたちが、その答えを(観客に)与えないように意識しているのは明らかだね。なぜなら、この番組では全員をハッピーにするストーリーには出来ないからだよ。たとえば、“こうすればこのグループの人々を怒らせることになり、ああすれば、あのグループの人を怒らせることになる”といったように、全ての人にとって都合の良いストーリーにはならないからね。だから、これから何が起きるか、僕も興味深く見守っているんだ」――この番組は、本を基にしています。原作を読んで、今後の展開を予想しようとしたりしましたか? 「『The Returned』というのは素晴らしい本だ。でも僕たちは、ストーリーを作っていくためのとっかかりとして原作を使ったんだ。この番組は、独自のものだよ。原作では、“よみがえり”が世界的な現象として始まり、いたるところで起きているんだ。だから、原作で起きていることは、(番組とは)まったく違う。でも、著者のジェイソン・モットが雄弁に語った最大のテーマは、家族についてであり、それはこの番組でも同じだと思う。原作から大まかなコンセプトをヒントにして、独自のものを作ったんだよ」――この番組の題材は、見方によってはかなり重たいものですが、この役を演じたことで何かを得たということはありますか? 「個人的にこの番組から得たものの一つは、すべての瞬間を大切に生きる、ということだ。毎日、仕事をしながら、“生と死”というテーマについて考え続けていると、命というのがいかに大切なものかに気づかされるね。8歳の男の子であろうと、大人の男性であろうと、女性であろうと、ただ、それぞれの瞬間を精一杯生きるということさ。僕にとって最悪な時間は、月曜日の朝起きて、金曜日のことを考えることだ。それは、完全にその瞬間から離れてしまっているということだろ?重要なのは、小さなことを大事にするということ。この番組の仕事を通して、そういうことを再認識したよ」――ストーリーが進むにつれて、どうなっていくかはっきりわからない役柄を演じているわけですが、とても難しい挑戦だったのではと想像しています。 「 確かに難しい仕事の一つだったね。今回の役を演じるにあたってのアプローチとしては、現実世界での自分の経験や、誰か他の人の経験に基づいてキャラクターを演じるんだ。一つの役を、体験したことの無い出来事に基づいて演じることはできない。だから、そのキャラクターが置かれている状況と、これからどこへ向かっていくか、というところからアプローチを始めて、見つけ出していくんだ。(どういうキャラクターかということを)把握しようとするんじゃなく、自分の頭の中で発見していくんだよ。この挑戦は本当にやりがいを感じたね。
また、どうなっていくか知らずに演じることについては、エキサイティングな経験だった。キャストとしての僕たちを新鮮な気持ちにしてくれる。脚本を読むたびに、僕たちキャストはお互いに電話をかけあったり、台本読みの時に“27ページ目は読んだ?あそこは奥深いよね?”と言い合ったりする。だから、僕たちを生き生きさせてくれるんだ」――このキャラクターの役作りは、これまでにあなたが演じた他の役とは違うものでしたか? 「まったく違うものだったよ。僕のクリエイティブ・プロセスは、キャラクターから始まらないんだ。僕がプロジェクトに惹かれる時の要因は、キャラクターではなく、プロジェクトやストーリー全体なんだ。だから、もしそれに共感出来れば、“オッケー。このキャラクターが僕をこのストーリーに導いてくれるんだな”となり、そこから僕のプロセスが始まる。今回のベラミーという役は、とても興味深いね。第1シーズンで、僕は彼のことを“観客の目”と呼んでいるんだけど、僕が考えるに、彼は観察者であり、目撃者だと思うんだ。番組の中で何かが起きた時に、視聴者がそれを見ると同時に、彼もそれを目撃する事になる。人々がよみがえり、それらの出来事をひたすら黙諾する。彼がやった最大のことは、少年のために留まったことだよ。でも、第2シーズンでは、まったく変わってしまう。第1シーズンがどういうふうに終わるかによってね」――街で出会う人々の反応はいかがですか? 「みんな、この番組のことが大好きなんだ。そして、彼らの反応はとても情熱的で、とても感動させられたよ。大人になった男女が“あの登場人物が話したことは、亡くなる前に母が話してくれたことや、兄弟が話してくれたことを思い出したよ”とか言ってくれたんだ。その言葉を聞いて胸が熱くなったりもしたね。そういうことが起きるとは思っていなかった。さっき言ったように、ストーリーはどこでも受け入れられると思っていたけど、この番組の存在が視聴者の個人的な感情を揺さぶることができるなんて想像もしていなかったし、素晴らしい事だよね」――あなたが個人的に失った人で、また会いたい人は誰ですか?また、映画スターとか、歴史上の人物で会って話してみたい人は誰ですか? 「 個人的には、曾祖母だよ。僕が16歳の時に亡くなったんだ。僕が人生で何をやって来たかとか、僕の子供たちを見せたり出来ればとても最高だね。また、公の人では、一日ここにすわっていろんな人の名前を言えるよ。ボブ・マーリーから始めようか(笑)。それから、マーティン・ルーサー・キング。フランク・シナトラ。サミー(デイビス・ジュニア)とディーン(・マーティン)。(笑)すごい夜になるよ。他にもいくらでも名前が出てくるよ」――亡くなったのによみがえってくる人たちが出てきますが、そういう人たちのことを私たちは理解できません。だから、彼らを隔離して、コントロールしたがります。理解できないものにどう反応するか、ということは、人間について何を物語っていると思いますか? 「それは素晴らしい質問だね。今、あなたが言ったことは、その通りだよ。それは、僕たち人間についての真実だ。テレビであろうと、映画であろうと、優れたクリエイティビティというのは、人間に対して鏡を掲げるものなんだ。そして、その鏡に、自分たちが一体何者なのかを、そのまま映し出すんだ。“征服出来ないものを憎む”という言葉がある。または恐れるものを憎むんだ。その多くは、身勝手さにある。保安官のフレッドはその良い例だよ。第1シーズンのはじめ、彼はよみがえりを信じられない。たとえ身近な人でもね。その後も、フレッドは他の人たちのよみがえりを目の当たりにする。彼は、妻を失ったけど、今も彼女を愛しているから、ずっと悲しみに打ちひしがれているんだ。そして、ある事をきっかけに彼は変わり始める」――人々がよみがえるのは、愛している人のものに帰りたいからだと思いますか?それとも、何かやり終えないといけないことがあるからだと思いますか? 「そのことについて、プロデューサーたちと話をしたよ。僕はこの番組のファンだから、知りたかったんだ(笑)。あまり哲学的になりたくはないけどね。どうしてそうなるのって。間違いなくエイリアンじゃない。水なのか?川なのか?何か他の要因なのか?そうすると今度は科学的な理由を考えることになり、少し頭がクラクラしてくる。もし仮にスピリチュアルなことなら、それは何をほのめかしているのか?となる。何か大きなことが起きかけているのか?わからないよ。だから、文字通りそういうことを想像し始めると、わけがわからなくなってきて、考え続けることになり、終わりがなくなるんだ。それで“そういうことを考えるのはやめなくちゃいけない”ってなるんだよ」――撮影現場の雰囲気はいかがですか? 「とてもいいよ。(題材のように)重苦しいことはない。ずっと感情的でいるわけにはいかないからね。プロフェッショナルな現場で、それぞれ自分たちがやるべきことをやっている。でも、撮影現場の雰囲気は明るいんだ。みんな笑うのが好きだからね。ジェイコブ役のランドン・ヒメネスと遊んだりするよ。彼は9歳の男の子だから、面白いよね。すごく感情的なシーンをやっていても、彼が気になっていることは、演技中に食べているお菓子だったりするんだ(笑)。そういうのは、現場を明るくしてくれるよ」(c)ABC Studios