2006年(第75回)の日本音楽コンクール優勝者で、2003年より10年にわたってドイツで研鑽を積んできたトランペット奏者、高見信行が、2月17日(火)の東京オペラシティ リサイタルシリーズ〈B→C〉に登場します!東京公演に先立ち、2月14日(土)には岡山・ルネスホールでの岡山公演も予定されています。
〈B→C(ビートゥーシー):バッハからコンテンポラリーヘ〉は、1998年に始まって以来、大好評を博す名物シリーズ。バッハ作品と現代作品を軸とし、演奏家が自由にプログラムを組むことによって、さまざまな〈B→C〉を聴くことのできるリサイタルシリーズです。
今回のリサイタルを“ドイツ生活10年の集大成”と位置づける高見。かの地で磨きあげた、ドイツ仕込みの音色・独特のニュアンス・音楽的なエッセンスをたっぷり聴いてほしいと意気込み、さまざまなトランペットの音色、旧東欧エリアにちなんだ作曲家の音楽(
バッハ、
ヘンツェ、ツィーナー)、としてトランペットという楽器の発展と可能性を意識した選曲でプログラムを構成しました。加えて、ドイツやオーストリア圏を中心に盛んに用いられ、弦楽器やほかの管楽器とともに響きあう柔らかで深い音が特徴のロータリー式のトランペットと、華やかな音色のピストン式(アメリカ式)トランペットとの音色の違いも聴きどころです。
今回演奏するJ.S.バッハ作品は、高見がドイツにいた10年間でいちばん演奏し、多いときには年に20回以上奏でてきたとのこと。「主よ人の望みの喜びよ」の別名でも知られるカンタータ第147番のコラールをはじめ、4曲のバッハ作品は、コルノ・ダ・カッチャ(第140番)、ロータリー式B管(第23番)&同C管(第147番)、ロータリー式ピッコロ・トランペット(クリスマス・オラトリオ)をそれぞれ用い、バッハ作品だけとってもそれぞれの音色の違いや魅力まで楽しめることでしょう。18世紀前半のドイツ・バロック音楽においてバッハや
ヘンデル以上に人気を博した作曲家
テレマンの協奏曲は、ピストン式ピッコロ・トランペットで。なんとも柔らかく、しかし堂々としたサウンドが魅力のJ.B.G.ネルダの作品は、コルノ・ダ・カッチャを使用。
サン=サーンスはフランスの作曲家ですが、「ファンタジー」は高見がドイツ各地の教会で何度も演奏した思い出の作品(ピストン式B管)。現代曲は世界的作曲家ヘンツェの無伴奏曲(ピストン式C管)、18歳のトランペット奏者 / 作曲家であるツィーナーの「雨の一雫の物語」(ロータリー式B管)、そしてファンファーレあり、リリックなメロディありのピルス作品(ロータリー式B管)の3曲です。
共演は、ピアノの白石光隆とバリトンの青山貴。ドイツの響きにこだわった珠玉の音色、そしてロータリー式とピストン式それぞれのトランペットの音色の違いを、ぜひお楽しみください。
■B→C バッハからコンテンポラリーへ
169 高見信行(トランペット)
・東京公演
2015年2月17日(火)
東京オペラシティ リサイタルホール
開演 19:00
・岡山公演
2015年2月14日(土)
ルネスホール
開演 14:00
[出演]
トランペット: 高見信行
ピアノ: 白石光隆
バリトン: 青山 貴
[曲目]
テレマン: トランペット協奏曲 ニ長調
J.B.G.ネルダ: トランペット協奏曲 変ホ長調
ヘンツェ: ソナチネ(1974)
サン=サーンス: ファンタジー変ホ長調(原曲:オルガンのためのファンタジー)
ピルス: トランペットとピアノのためのソナタ
J.S.バッハ: カンタータ第140番『目覚めよと呼ぶ声が聞こえ』BWV140から「シオンは見張の歌を聞く」
J.S.バッハ: カンタータ第23番『汝まことの神にしてダヴィデの子』BWV23から「キリストよ、神の小羊よ」
J.S.バッハ: カンタータ第147番『心と口と行いと生活で』BWV147から「イエスはわが喜び」
ツィーナー: 雨の一雫の物語(2012、日本初演)
J.S.バッハ: 『クリスマス・オラトリオ』BWV248から「大いなる主よ、おお、強き王よ」