稀代の映像作家、
アンドレイ・タルコフスキーが残した名作『サクリファイス』、『ストーカー』へ最新HDリマスターを施し、初のBlu-ray化が実現。6月10日(水)に発売されます(DVD同時発売)。
“水”“火”“夢”などをモチーフに、独特の感性と世界観で54年の短い生涯に遺したわずか7本の長編がいずれも高い評価を得ている鬼才、アンドレイ・タルコフスキー。20世紀を代表する映画監督のひとりである、あの
イングマール・ベルイマンも彼の作品に惜しみない賛辞を送り、作曲家の武満 徹ら多くの
芸術家から尊敬される存在でもあります。
今回Blu-ray化される『サクリファイス』(写真)は、スウェーデンの島を舞台に、大学教授・アレクサンデルの誕生日となる一日を描き、1986年の〈カンヌ映画祭〉で史上初の4賞受賞に輝いたタルコフスキーの遺作。――平和だった島を襲う突然の轟音に、TVニュースが伝える核戦争勃発。穏やかだった日常が、一瞬にして地獄となり、極限状態の中で人々は絶望し、それまで隠れていた人間の感情がむき出しになっていく――。なお劇中では、主人公が前世は日本人と信じているなど、日本を愛したタルコフスキーの思いが表れている場面も。
『ストーカー』は、『惑星ソラリス』に続くSF映画の名作。地上に忽然と出現した不可解な空間“ゾーン”に、警備隊の厳重な警備をかいくぐり、命がけで侵入するストーカー(案内人)、教授、作家の3人の物語。雨、水、火などのタルコフスキー映画に欠かせない要素を駆使し、そこに生きる人々の苦悩と未来への希望を圧倒的な世界観で描いています。また本作は、2002年にDVD発売されて以来、13年ぶりのリリースとなります。