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劇画と刺青の革命児“凡天太郎”初の回顧展〈凡天太郎の宇宙〉が開催

2015/07/15掲載(Last Update:15/07/21 09:56)
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劇画と刺青の革命児“凡天太郎”初の回顧展〈凡天太郎の宇宙〉が開催
 現代和彫りの基礎を築いた革命児として名を残し、紙芝居界の首領・加太こうじをして「紙芝居出身で成功した劇画家は水木しげる、白土三平、小島剛夕、そして凡天太郎」と言わしめた幻の作家、凡天太郎の初となる回顧展〈凡天太郎の宇宙〉が、東京・阿佐ヶ谷「ギャラリー白線」(hakusen.jp)にて8月8日(土)より開催されます(8月30日まで)。なお今回、「Black Hook Press」より展覧会記念誌の刊行も予定されており、2014年5月に劇画作品集『SEX & FURY』を刊行したフランス「Le'zard Noir」による限定オリジナル・スクリーンプリントや、歌手としても活躍した凡天の復刻ソノシート(凡天劇画会がイベント用に極少数製作)も販売されるとのこと。

 本展では、鬼気迫る描画、犯罪と差別と死が至るところに存在する不条理だけどリアルな社会、救いのない世界を彩る美女たちが繰り広げるエロとグロを持ち味とした劇画作品をはじめ、本領である刺青を題材にし、和彫りのモチーフや色彩感覚を反映したイラストレーションやファッション画、晩年沖縄へ移住後、琉球文化をモチーフに描いた美人画作品などを展示。

 また、絵画作品のみならず、自らの技法を“肌絵”と名付け、多色彫りや機械彫りの技術導入による合理化など、それまでの和彫りとは一線を画した刺青における作品と功績も紹介。制作の二本柱であった“劇画”と“刺青”を中心とした、凡天太郎の作家人生におけるそれぞれの活動時期での作品や画風の変遷を紹介します。

 なお、7月21日(火)には、東京・代官山「山羊に、聞く?」(yagiii.com/wp)にて〈-Night of the Fringe-〉と題した飲み放題・ビュッフェ付パーティが開催(料金5,000円)。当日は、Le'zard Noir社&AthanorレーベルのオーナーであるStephane Lezard Noirのトークショーや、Athanorレーベルからアルバムもリリースしている日本人アンビエント音楽家“Shinkiro”こと平本 学のライヴも予定されています。

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凡天太郎(初代梵天)
刺青師 / 画家 / 劇画家 / デザイナー

[Profile]
特攻隊の生残りから紙芝居作家、赤本作家、少女漫画家を経て、刺青修行の旅へ。「右手に針、左手にギター」を持ち、全国津々浦々、博徒、テキヤの間を放浪し、刺青師・流しとして生計が立てられる腕前を身につけ、5年間の放浪の果てに抱えたドロドロした人間の闇の部分を「劇画」で表現しはじめる。刺青界では日本で最初に多色彫り・トレース転写・機械彫りを導入し、革命児と呼ばれ現代和彫りのパイオニアであった他、紙芝居、少年・少女漫画、劇画、挿絵、和洋の絵画、服飾デザイン等をプロとしてこなし、その他、小説家、舞台演出家、映画監督、俳優、歌手等、多方面に才能を発揮した。晩年は沖縄に移住し、「凡天肌絵塾」を開塾、後進の育成に務めた。
劇画家として活躍した7年間の総作品数は150以上と壮絶な執筆量にも関わらず、凡天作品は日本でも商業流通単行本が発行されたことがなく、雑誌の総集編が存在するのみであったが、近年、内容の過激さから、現在の日本では事実上出版不可能と言われていた代表作である伝説のバイオレンス巨編「混血児リカ」(集英社「週刊明星」連載) が絶版マンガ図書館(旧Jコミ)にて無料公開され、ファンサークル凡天劇画会が4冊の自主制作本を発行。仏Le Le'zard Noirより全編フランス語翻訳による単行本『SEX&FURY』が刊行され、第42回アングレーム国際漫画フェスティバル遺産賞にノミネートされるなど、にわかに国際的な注目を集めている。


凡天太郎回顧展
『凡天太郎の宇宙』

2015年8月8日(土)〜8月30日(日)
東京 阿佐ヶ谷 ギャラリー白線
13:00 〜 20:00(月曜休廊)
hakusen.jp
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