昨年、〈京都映画祭〉の伝統と志を引き継ぎながら、新たな映画文化の創造をはかるべく幕を開けた〈京都国際映画祭〉(
kiff.kyoto.jp)。「映画もアートもその他もぜんぶ」をテーマに、映像だけでなく、広くアート分野をもカヴァーする内容で好評を博した同映画祭が、今年も10月15日(木)〜18日(日)まで「よしもと祇園花月」をはじめ、京都市内の各所で開催されます。9月7日(月)には、お笑いコンビの
ピース(
又吉直樹 /
綾部祐二)とKBS京都アナウンサー・遠藤奈美を司会にプログラム発表会が行なわれ、上映・展示作品や各種イベントの詳細が発表されました。
今年は「京都は、変も乱も好き♥」というテーマを掲げる〈京都国際映画祭〉。「映画部門」では、上映作品の紹介に加え、
三船史郎、
中島貞夫、
木村祐一、そして2013年の〈沖縄国際映画祭〉でニュークリエイター賞を受賞して制作した初監督作『マンガ肉と僕』が上映される
杉野希妃がゲストとして登壇。三船敏郎賞の審査員をつとめる三船は、「父・敏郎が『赤ひげ』でベネツィア国際映画祭二度目の主演男優賞を受賞してちょうど50年。今年のベネツィアで作品が上映されますが、京都国際映画祭でも上映されるとのことなので、皆さん、楽しみにしていただきたい」と呼びかけました。
「アート部門」は、おかけんだを進行役に、
村上ショージ、吉川博規、八田誠司、ピース・又吉らゲストもまじえ、各会場で行なわれる展示やイベント、作品を紹介。墨絵が得意な村上ショージは、巨大な竹紙に京都をテーマにした作品を描いて誓願寺に展示するとのこと。また、又吉も同じく誓願寺で〈又吉直樹×「文学」の世界〉を開催。芥川賞受賞作『火花』の表紙を飾る西川美穂の作品「イマスカ」や、又吉が考えた奇想天外な四字熟語を書道家の田中象雨が描く「新・四字熟語」が、いずれも関西で初めて展示されます。
「クリエイターズ・ファクトリー部門」は、エンターテインメント映像部門とアート部門 / 子ども部門において、それぞれ新たな才能を発掘するためのコンペティションとなっており、ディレクター兼審査員の春日太一が挨拶に立ち、「今年からアートと一線を画す形でエンターテインメント映像部門となった。エンタメ性あふれる作品が集まれば、そして1本でも時代劇作品があれば」とコメント。アート部門 / 子ども部門審査員の串野真也は、「将来、素晴らしいアーティストになるきっかけになる作品が出てきてほしい。爆発的なパワーのあるものがあればうれしいです」と、まだ見ぬ新星の誕生に期待を寄せました。
映画祭のアンバサダーに選出された
桃井かおり、
板尾創路からもメッセージが届いており、本映画祭で脚本、演出、主演をつとめた『Hee〈メイキング〉』が上映される桃井は、映画を撮影中のラトビアからVTRで出演。現在、海外を拠点にさまざまな作品を出演、手がけている経験から、「スポンサーのついていない、お金のないインディーズの映画は、こういう国際映画祭にいい作品さえ作れば出品させていただけて、そこで皆さんに見てもらえる。賞をもらったり見てくださった方が気に入ってくだされば、その映画の運命が変わって行くというのを実感しているので、京都国際映画祭が成功して、いろんな新しい作品やいいアーティストたちがチャンスをつかむことを切に切に願っています」とコメント。「特に京都は世界に誇れる映画人が集まっている場所だと思っているので、いい映画祭になってくれるんじゃないかなと期待しています。何ができるかわかりませんが、一生懸命つとめさせていただきたいと思います」と決意を新たにしていました。
会見の最後には、京都出身の
今くるよがスペシャル・ゲストとして登壇し挨拶。京都と映画祭をつなぐ“架橋”との紹介を受け、「これからも文化と映画とお笑いと、架橋ガールでいきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします」と会見を締めくくりました。