2004/10/06掲載(Last Update:08/03/31 17:57)
数多くリリースされ、さまざまな取り合わせで聴き手を楽しませてくれるV.A.作品。今回ご紹介するのは、
VIVID SOUNDより10月20日にリリースされる
『アンファン〜21世紀の子供達に捧げるスタンダード集』(VSCD-3260 \2,625(税込))。1989年に制作されたポップスの名曲のインストゥルメンタル・カヴァー・アルバムなのですが、このタイトルにある通り、“21世紀の子供達に捧げるスタンダード”をコンセプトに集まったアーティストは、今ではもう実現しないのでは? というほどに楽しく豪華な取り合わせ。もちろん選曲も見ればみるほど、とくに洋楽ファンには興味深く、渋いラインナップ(下記参照)。
当時メジャー・デビュー前だった
オリジナル・ラヴによる
スタイリスティックスのカヴァー。元
ジューシィ・フルーツで現在はベースを中心にスタジオなどで幅広い活躍をみせる沖山優司が、初期
ロキシー・ミュージックらしいプラスティックな雰囲気がナイスだった「リ・メイク/リ・モデル」(オリジナルは
『ロキシー・ミュージック』(写真)に収録)をカヴァー。伝説のバンド、
ルースターズ脱退後だった井上富雄は
エルヴィス・コステロ得意の泣きのメロディによる名曲「アリソン」(オリジナルは『マイ・エイム・イズ・トゥルー』収録)。
ムーンライダース鈴木博文、
カーネーション直枝政広による
政風会は
スティーリー・ダン『プレッツェル・ロジック』に収録されたナンバー「リキの電話番号」。そして極めつけは
吾妻光良&ザ・スウィンギン・バッパーズによる「クリムゾン・キングの宮殿」(オリジナルは
キング・クリムゾン『クリムゾン・キングの宮殿』)! これが音源として収録されていたとは、というオドロキとともに、ついクスッとしてしまった方、いらっしゃるのでは……?
どの曲もインストゥルメンタルで、どちらかといえば涼しげな音楽なので、シンプルに聴いていても楽しめること請け合い。ただし知りすぎている人はかえって困ってしまう可能性あり? いずれにしても素敵な作品が甦りました!
収録曲 ※〜はオリジナル・アーティスト
(01)祈り(オリジナル・ラヴ)〜ザ・スタイリスティックス
(02)ディファレント・フォー・ガールズ(ナーヴ・カッツェ)〜ジョー・ジャクソン(03)ホエン・アイム・シックスティー・フォー(ケニー井上)〜ザ・ビートルズ
(04)トゥーリスタ(平沢進)〜ジ・アトランティックス
(05)リキの電話番号(政風会)〜スティーリー・ダン
(06)リ・メイク/リ・モデル(沖山優司)〜ロキシー・ミュージック
(07)小さな花(J'ズB・フロム・じゃがたら)〜シドニー・ベシェ
(08)ライトフライト(今堀恒雄)〜ペンタングル
(09)オーケイ!(デイト・オブ・バース)〜デイヴ・ディー・グループ
(10)クリムゾン・キングの宮殿(吾妻光良&ザ・スウィンギン・バッパーズ)〜キング・クリムゾン
(11)シュガー・シュガー(鈴木さえ子)〜ジ・アーチーズ
(12)アリソン(井上富雄)〜エルヴィス・コステロ
(13)ダイアモンド・ヘッド(下山淳)〜フィル・マンザネラ
(14)ラヴ(橋本一子)〜ジョン・レノン
(15)シェリーに口づけ(矢口博康)〜ミッシェル・ポルナレフ