2004/11/15掲載(Last Update:08/03/31 17:57)
子門真人が歌う、耳に残る主題歌でおなじみの円谷プロ版『猿の惑星』こと『猿の軍団』が、12月24日にアートポートより
6枚組DVDボックス(APS-41 \31,500(税込)・写真)として発売されることが決定! もちろんデジタル・リマスターによる高画質仕様で、16ページのブックレットも封入(予定)。
映画『猿の惑星』の人気を受け、円谷プロが総力を結集して制作したこのSFドラマは、1974年にTBS系列にて毎週日曜夜7時半の時間帯で全26回放送。コールドスリープによって睡眠状態に陥った人間が目覚めてみれば猿が支配する世界だった……と、大枠のプロットでその類似を指摘されても仕方なく、実際に『猿の惑星』関係者から怒られてもいると伝えられる作品ですが、原作に名を連ねるは、なんと
小松左京・田中光二・豊田有恒の日本SF界を代表する作家3人。それゆえ、少子化問題が扱われていたり(老人が無表情でジェットコースターに乗っている場面が怖かった……)、遺伝子操作に言及する場面があったりと、先見性に富んだ箇所も多く(田中光二の述懐によれば、豊田がアイディア豊富だったそう)、本家にはない独自の魅力も存分に発揮している、隠れた傑作なのであります。
人間抹殺を目論む猿たちの手から逃れながら、猿が支配する世界の謎を追うストーリー展開にドキドキハラハラし、登場するチンパンジーやゴリラ、オランウータンの一匹一匹に人間味(!?)あふれるキャラクター設定が為されていたため、感情移入のあまり涙した人もいるのでは。オトナになった現在あらためて観直すことで、子供の時分には気づかなかったドラマ性やそこに込められたメッセージも深く味わいたいところ。また、音楽を『仁義なき戦い』の
津島利章が手がけているのもポイントが高く、耳に残る主題歌や、“猿の軍団”が行進する際に流れた「軍団行進曲」など、『猿の軍団』単独でのサントラCD発売の実現も熱望(挿入歌もイイ曲でした)。申年の2004年は、この『猿の軍団』を観ながら締めくくってはいかがでしょう。
ちなみに当時のTBSでは、『猿の軍団』に続く夜8時から同じく小松左京原作の『日本沈没』も放送しており、さながら日曜夜のTBSは地球滅亡づくし。“不安の時代”の当時ならではの番組編成ですね。