人間の根源的な愛を問う文芸少女のバイブルとなった小説『ひらいて』が、弱冠26歳の新進気鋭の若手監督・
首藤凜による脚本・監督にて『ひらいて』として映画化決定。予告映像とポスター・ヴィジュアルが公開されています。
学校でも優等生でヴィジュアルも良く人気者の“愛”(
山田杏奈)。恐れを知らない彼女の熱い恋心は、彼の“恋人”にまで向けられ、物語は三角関係だけにとどまらない方向へと進んでいきます。エキセントリックでありながらも切実な純愛を描き、いかなる恋愛映画も及ばなかった境地に行き着く、青春映画の系譜を飛び越えた本作。
公開された予告映像は、自分の中で膨らんでいく恋心を悟られないよう、さりげなくたとえ(
作間龍斗)に接近し、自然と距離を詰めようとする愛の様子から始まります。自分以外の誰もが気づいていないだろう彼のさりげない魅力に惹かれている愛の視線は日々たとえに向けられていました。そんなある日、彼には秘密の恋人“美雪”(
芋生悠)がいることを知ります。ずっと想いを寄せていたたとえに予想外の恋人がいたことを知った愛は、その関心を彼女にも向け、校内での交流に留まらず休日も美雪を遊びに誘うのでした。愛の真意を知る由もない美雪はどんどん愛のペースに引っ張られますが、ゆっくり時間をかけて愛情をあたためてきたたとえと美雪の絆は強く、愛が入り込む余地はありませんでした。振り向いてくれないたとえ、的外れな主張をしてくる美雪に苛立ち、愛の欲望は想像し得ない方向に暴走していきます。映像には、たとえの父を力強く殴る愛や、夜の教室で静かに愛に近づくたとえの姿が映し出されます。それぞれの心が揺れ動く複雑な三角関係、愛の狂気的な恋心の行き着く果てとは――。
この予告公開に伴い、本作の主題歌を
大森靖子が担当していることも明らかに。予告映像には、大森が本作のために書き下ろした楽曲「ひらいて」が使用されています。大森は「恋がしたいという最悪な感情が、暴発する自分の中の何かを誰かにぶつけてみたいという感情が、世に蔓延る恋愛感情と呼んでいいものなのだろうか?相手も、性別も、自分と他者の境界すら必要なかったり、逆に自分以外の全てが気持ち悪かったり、その全てをひらいて足掻く瞬間は、どんなに無様で、一般的に失恋や&修羅場&などと呼ばれる事象であったとして、美しいものだから。恋がしたい、恋がしたい、恋がしたい、最悪。アンバランスにバランスをとってその季節を生き抜いてきたことを映画を見て思い出し、楽曲にしました。編曲はsugarbeans。映画のためだけに、せーので録音しました」と楽曲の制作について語っています。
また公開されたポスター・ヴィジュアルは、愛、たとえ、美雪がありえないカタチで交錯していく恋の物語を予感させるヴィジュアルとなっています。
©綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会